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2月2日(日)のあさ空。
今日も雨模様で、桜島は雲で見えず。日の出は見えそうもなく。180度、青空を探しても雨雲ばかりでした。
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少し前、日本テレビのドラマで「若草物語」が放送されていたようです。ドラマは見ていなかったのですが、小さいころはオルコットの「若草物語」が大好きで、何度も読んだ記憶があります。もちろん、世界的なベストセラー。19世紀半ばのアメリカを舞台にした4姉妹の物語は廃れることがなく、映画化や舞台化され、現代のドラマでも取り上げられることが興味深いなと思います。日テレのドラマは見ていなかったので、どんな形で四姉妹の物語が描かれたのかはわからなくて申し訳ないのですが、私なりのこの物語の魅力は、ざっくりとはしていますが、四姉妹それぞれに個性があり、生き方があり、考え方がある。それぞれに考える幸せがあり、一様ではない女性の生き方があるといったところが普遍的なのかなと思います。
女性は「結婚することこそが幸せなのだ」といった考え方が一般論だったころ、私は母から懇願されて、東京から地元に戻り、職安で職探しをしていて、正社員の募集に応募したところ、職安の方(50歳前後の男性)から怒鳴られたことがあります。「あんたさ。正社員の仕事を探してどうすんの? 急いで結婚しなくちゃいかん。正社員の仕事は紹介しない。デパートの臨時募集があるから、そっちに応募しなさい」と言われたことがあり、私は茫然とした覚えがあります。結婚するとしても、今すぐに結婚相手がいるわけでもないのに、正社員に応募するのを阻止するなんて、考えられないと。そんな時代がありました。
1964年の映画版「若草物語」(日活・森永健次郎監督)を見ました。原作の若草物語とは四姉妹の生き方を描いたという点だけで、原作とは関係のない青春ストーリー。
長女を芦川いづみさん、次女を浅丘ルリ子さん、三女を吉永小百合さん、四女を和泉雅子さんが演じた映画です。高度成長期の日本を舞台に、大阪での生活から抜け出して東京での新しい暮らしをはじめようとする次女にくっついて、三女も四女も家出して、結婚して東京住まいである長女宅に転がり込む。次女、三女はデパートに就職。四女だけが就職試験に落ちてしまい、海外に行きたくてお金が欲しい四女はよくない仕事に手を出したり。
主軸になっているのは、東京で再会した次女の幼馴染のカメラマン・次郎(浜田光夫さん)との恋模様。次女が好きな次郎と、次郎が好きな三女という三角関係とふたりを取り巻く男たちの駆け引き。最後は四姉妹がそれぞれの生き方を見出していくというストーリー。
私は古い日本映画を見るとき、その時代ならではの日本の風景や経済事情などの暮らしを見るのが楽しみ。大阪からの家出が飛行機で、全日空のプロペラ機というのが印象的で、東京オリンピックに向けて完成したばかりの東京モノレール、代々木競技場、首都高速、東京タワー展望台など、当時の日本のトレンドが随所に折り込まれていて、長女宅の最新の家電、デパートガールの制服や当時の最先端のカメラの紹介などなど、すべてに時代を見る楽しさを感じました。
大阪を離れた理由も四姉妹それぞれに理由があるわけですが、海外に行きたい四女のチエコが大阪での初任給が1万3000円だったことが興味深く。アメリカのロスまでの往復の旅費が32万円、滞在費を含めて50万円を貯めるには何年働くかを試算します。4000円は家に入れる約束をしている。洋服代や化粧品代、映画代やお好み焼き屋さんなどの遊興費、電車賃などの雑費を引くと、貯金額は3000円ほどになる。3000円で50万円を貯めるには13年かかると試算して、思わず投げ出したくなる四女。いかに海外旅行が身近ではなかったかがわかるエピソードです。
私が大学を卒業したのが1980年。1964年のこの映画から16年後ですが、当時の大卒の初任給は東京で10万円前後にはなっていたので、いかに生活水準が急成長したかと感慨深い思いがしました。ちょうど1980年に大学の友人たちは卒業旅行としてヨーロッパに行き、旅行代金が50万円だったことを覚えています。ちょうどチエコの試算額と同じなのがおもしろいのですが、いくらチエコよりも初任給が上がっていたとしても、私が行かなかったのは、東京とは経済格差のある地方住まいの両親が学費と仕送りをしてくれるだけで大きな負担で申し訳ないと思っていた経済事情がありました。友達はみんな親御さんに出してもらっての卒業旅行。でも、私は両親にそんなお金を出してもらおうなんてみじんも考えなかった。アルバイトはしていても、生活費として使っていたので、そこまでの余裕がなく。友人のひとりは祖母の遺産があるから「貸してあげる」と言ったのですが、50万円を借りたとして、卒業後の生活を考えると、返すのに何年かかることか。自活して行くだけで大変なのにと。海外を旅するのもいい経験になるとは思いましたが、私には働きながら50万円を返してまで行くものだとは思えなかったのです。当時の50万円は本当に大きかった。
「若草物語」の四女チエコが思わずアルサロで働いて、高給に惹かれ、早く稼いで海外に行きたいと思ったエピソードも、実感としてわかり、そういった意味でもおもしろく見た映画でした。それにしても、日活スターの美人四姉妹は本当におきれいでした。吉永小百合さんは言わずもがなですが、吉永さんがまだ、幼さが残る感じに比べて、浅丘ルリ子さんの女性としての華を感じる佇まい。すてきでした。
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2月2日は節分。例年よりも1日早い今年。一応、豆を買っておいたので、豆まきを軽く。いつもは炒り大豆を使うのですが、まくと食べられないので、今年はから付き落花生で、まいたあと、回収。エコです(笑) それにしても、こんなに年をとると、自分の年齢だけの豆を食べるなんてとんでもなく。小さなお湯呑に入った分くらいを食べました。
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大病したんだから、邪気を払えって? もうね。去年、あんな切除手術を潜り抜けただけで邪気もなにもかも切り捨てた気分です(笑)
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