1月25日(土)のあさ空。
雲はあるものの、今日は日の出は見えそうな気配です。
無事に日の出が見えました。
ふだん、ワイドショーなどは見ていないので、芸能関係のニュースには疎いところがありますが、さすがにN居さんの引退のニュースは目について、驚きました。それまでの経緯は知らないものの、引退を決意するほどのできごとがあったというのは、私たちが退職するといったものとは全く違うはずで。影響を受ける関係者が多い分、どれほどのことがあったのかなと思いますが。本当の本当のことは、いい意味でも悪い意味でもなかなかわからないところがある気がします。
私も一応、ライターとして仕事をしていて、私の仕事は生活情報の分野だったので、基本的には「平和」。人さまと対立することがなかったのが救いなのですが、そんな私も取材に行ったときに、大騒ぎされたことがあります。
「××新聞の取材が来た。大変だ」
といったことになったのですが、それは相手先の誤解。
実は取材先が不祥事で、同じ「××新聞」の取材が来ていたのは間違いなかったものの、私は別件での平和的な取材。ちゃんと事前にアポも取っていたので、取材はできたのですが、なんだか雰囲気がピリピリ。私も冷や汗をかきながら、取材した覚えがあります。
そんな平和的な取材でも、「オフレコで」と言われて、結構にディープなお話を聞くことはありましたが、「家政婦は見た」みたいな経験を大学生のときに経験したことがあります。
それは大学3年、4年の2年間やっていた歯科医での助手のアルバイト。その歯科医はセレブ御用達の歯科医で、最初に行ったとき、玄関に立ったら、3階まで吹き抜けでシャンデリアが輝いているという豪華な内装。周辺も大使館や大臣邸ばかりの高級住宅地。「私、何か場違いなところに来たのでは?」と、大いに焦ったのを覚えています。けれども、その歯科医はすでに60歳と定年年齢を過ぎていらっしゃった先生が奥さまと趣味的にのんびりとやっているクリニック。お子さんがいないため、先生ご夫婦と話し相手になるレベルの大学生をアルバイトで雇って、花嫁修業的な意味合いも持っているという、なかなかユニークな場所。ただ、特に率先してお見合いをさせるといったおせっかいなことはなさっていない人柄のいい先生ご夫婦でした。
おかげさまで、セレブな患者さまたちのケタ違いなお話を聞くことができるというおもしろい場所。「門番のご夫婦が~」とか「犬の調教師が~」とか、「使用人がどれくらいいるのかしら?」みたいなお話があったり、「しばらくお見かけしなかったようですが、どちらかお出かけでしたの?」と奥さまがお尋ねすると、「ええ、御殿場からスイスの方に」なんて。今の時代なら、さほど珍しいお話ではないかと思いますが、当時の海外旅行なんて、高額でカンタンなお話ではなく。お近くの患者さまが大臣に就任なさると、「お花を持って、おうちまで届けて、おめでとうございますとご挨拶してね」と奥さまに言われることがあったのですが、あれはおそらく、「顔を売って」気に入っていただけたら、お見合いのお話なども来ることを期待なさって行かせられたんだろうなあと思う次第。先生の別荘にもお招きいただくときは、患者さまの独身男性たちを招かれることもあって、そういうのも、そういう意味かしらといったことはありましたが、決して、それは口になさらない。奥ゆかしさがありました。
そんなアルバイト生活を続けていたある日。クリニック周辺が騒がしくなって、私が窓から外を眺めると、黒塗りのものものしい車がクリニック周辺を埋め尽くし、「何事か」という状況。入って来られたのが当時、毎日のように新聞の一面に取り上げられていた国会議員の先生。診察室の方にご案内し、玄関にいた秘書の方に「どうぞ中へ。待合室でお待ちいただければ」と言うと、「いや。私はここで構いません」と、スーツ姿のまま、玄関口にあぐらをかいて座られてびっくり。まあ、外の車の記者さんたちが中に入ろうとしたら、力ずくで阻止するつもりだったのだと思います。恰幅のいい方でした。
国会議員の先生はクリニックの先生と中学高校の同級生だったそうで、毎日、毎日追いかけられるマスコミに辟易して「もう、なんだか歯も痛くなっちゃってさ~」と診察を受けにきたとのことでした。ちょうど、ほかの患者さんの予約が終わったところだったので、診察が終わると、「疲れているみたいだから、うちの方でゆっくりしたらいいよ」と、ご自宅の方に奥さまも伴って上がられた(ご自宅にクリニックを併設していた)ので、私は一応、受付でひとり待機。
しばらくすると、電話が鳴って、私が出ると、「私はNHKの○○と申しますが、本日、そちらに議員の××先生がいらしているかと思いますが、どのようなご用件でいらしたのでしょうか」とのことで、「診察を受けに来られただけですよ」とお答えしてもよかったのですが、何か不手際があってもいけないので、一応、ご自宅の先生の方に内線を回して、記者の方の質問をお伝えすると、うちの先生は「××君は単に息抜きに来ただけなんだけどなあ」と大笑い。「お断りしましょうか」と言うと、「いや。いいよ。僕が出るから回して」と、先生がおっしゃって、あっさりと電話は終了。それ以上の追及はなかったものの、翌日の新聞の一面にはうちのクリニックのことが書かれていて、私は思わずにやにや。
何かしらの密談会場にうちのクリニックが使われたのではないかという憶測が書かれていたのですが、ほかのどなたとも会っていなかったし、もとからの予約もなく、友達どうしの気安さで、いきなり来られた上に、うちの先生は政治には全く関与していない方だったので、疑いようもなかったのですが、そういう目で見ると、すべてがそのように見えるものだということを実感したできごとでした。新聞の一面にのるような出来事の現場にいた経験なんて、まあ、二度とないかもと思ったので、貴重な経験だったと思います。
かすむ桜島。はっきりと見える日もあるけれど、グレーに包まれると、あの堂々とした山容の存在すらもぼやけてしまいます。
そういえば、昨年、話題となった『SHOGUN 将軍』の真田広之さんにはお会いしたことがあります。なんて書くと、語弊はありますが、主演された映画の宣伝でいらしたときに何社も参加した取材陣のひとりとして席を同じくさせていただいてことがあるのです。私が他社の方との写真撮影に場所取り負けしていたら、ほかの方の撮影が終わったあと、「どうぞ、撮影してください」と、私のためだけにポーズしていただいたという、心配りをしてくださって、急がせることなく、十分に撮影させてくださって、とても感心したことがありました。その映画宣伝に関してもまじめに取り組んでいらっしゃるという姿が好印象な方でしたから、ご活躍に納得です。
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