リーメンシュナイダーを歩く 

ドイツ後期ゴシックの彫刻家リーメンシュナイダーたちの作品を訪ねて歩いた記録をドイツの友人との交流を交えて書いていく。

176. 15回目のドイツ旅行(24)クレークリンゲンの守り神

2019年03月16日 | 旅行

▶︎15回目のドイツ旅行(24)クレークリンゲンの守り神、ヴォルフガングさん


Ev. Stadtpfarrkirche St. Georg Weikersheimで見かけた彫刻


クレークリンゲンの守り神とは…

 2014年秋のこと。私と三津夫はクレークリンゲンのバス停で午後にあるはずのバスを待っていました。時間になってもバスの来る気配がないのです。夕方にはローテンブルクの町で人と会う約束があったので焦っていました。回りには誰もいなくて確かめることもできません。でも朝インフォメーションでもらった情報をよくよく見たところ、私たちがあると思って待っていたバスはRufbusといって電話で予約をしないと来ないバスだったことに気がつきました。そこに1台の車がスーッと現れ、下りてきたのがヴォルフガング・ラインハルトさんだったのです。彼はお連れ合いのイングリッドさん(当時、バス停前の学校の校長先生でした。)を迎えに来たところでした。私は彼に駆け寄ってバスが来ないのですが、バス会社に確かめていただけませんかと私の携帯電話を渡したのです。やはりルーフバスは予約がいるから今から行くのは無理とのこと。するとそこに出てきたのがイングリッドさん。事情を聞いて「ローテンブルクまで送ってあげなさいよ」と言ってくれたのかどうか、ヴォルフガングさんはイングリッドさんを家まで送り届けてから戻ってきて、私たちをローテンブルクまで送ってくれると言ったのです。本当に涙が出そうにありがたかったことを忘れることができません。戻ってきてくれたヴォルフガングさんには申し訳なさでなかなか気楽に話すこともできずにいましたが、徐々に話し始めると彼はやはり学校の先生をしていて8月で退職し、年金生活になったばかりとのこと。同じ元教師として話しているうちにお互いの緊張がとれてきました。ローテンブルクのヴォルフガング教会そばまで送ってくれたときに「お礼の手紙を書きたいので」とお名前とご住所を書いていただいたところ、彼の名前が教会と同じヴォルフガングさんだったことがわかりました。それからは、私にとってはヴォルフガングさんは守り神となっているのです。このご恩を忘れられずに連絡を取りあっていたのですが、ヴォルフガングさんはその後ご病気になって、なかなかお目にかかることができずにいました。そのラインハルトご夫妻とようやくクレークリンゲンで会う機会が持てたのです。


9月28日(金)

 この日がラインハルト夫妻と4年ぶりに会う約束をした日でした。午前10時半頃に私たちのホテルまで迎えに来てくださるとのことで、ホテル前で待っていると上品な夫婦がこちらに向かって歩いてきます。やはりラインハルト夫妻でした。ヴォルフガングさんは治療の末回復されたとのことでお元気そうな姿を見て嬉しくなりました。そしてまず一緒に訪れたのがクレークリンゲンのヘルゴット教会です。イングリッドさんはヘルゴット教会の受付の女性(以前とは違う方)と知り合いだったので色々と話がはずんでいました。入り口にはまだ写真撮影は×と表示があったのですが、その女性に撮影はだめなのかどうか聞いてみるとフラッシュをたかなければ良いですよとのこと。ホッとして撮影させてもらいました。以前大変お世話になったこの教会の牧師、トーマス・ブルクさんは撮影はNOと仰っていたので何度も通いながらあきらめていましたが。彼は異動となってこの年から別の牧師さんが見えたのです。でも私は三脚を持って来ていなかったのと急遽あわてて撮影したのとで、この日は良い写真は撮れませんでした。

 次に行ったのが下のレストラン「Zum Falken」。クレークリンゲンからヴァイカースハイムに向かう道筋にありました。ラインハルト夫妻のお気に入りのお店です。若いシェフが料理していて人気のあるレストランだとのこと、早めに行ったので店内は空いていて、料理名は忘れましたが美味しくいただきました。


シェフが写してくれた写真。


この次に回ったのはヴァイカースハイムというロマンチック街道の一つの町でした。私たちは名前を聞いたことはありますがまだ行ったことのないところで、お城を回って見学しました。そのお城の真ん前に建っていたのが聖ゲオルグ教会です。中に入ると何とも可愛らしい子どもの彫刻がありました(トップの写真)。ドイツにしてはとても珍しい笑顔の彫刻です。詳しい説明を読んでいないのでこの子がキリストなのか他の誰かなのかわかりませんが印象に強く残りました。

 そしてクレークリンゲンに戻り、お二人の家に招待されました。大きなお家です。窓の外にはこれまた大きなクルミの木が立っていました。ヴォルフガングさんはクルミを「持っていきますか?」と袋にバサバサ入れてくださいました。三津夫はこうしたナッツ類が大好きなので大喜び。イングリッドさんは日本からのお土産を丁寧に開け、日本の包み紙は何て美しいのでしょうと感心していました。だから毎年送っているちょっとしたお菓子の箱やお茶の包装紙まで取ってあるのだそうです。




 ローテンブルクまでの帰り道では日本庭園に連れて行ってくれました。私たちから見るともう少し手が入っていると良いなと思いましたが、ドイツにしてはよく日本風のしつらえをしたと言って良いでしょう。夕食は私たちがホテル横の日本食レストランでご馳走しました。あまりお箸は使い慣れていないようでしたが、お寿司を美味しいと食べてくれました。「次からは家に泊まりなさいね」と言ってくれましたが、そのうち伺うことがあるかもしれません。ここで自然にハグしてお別れしました。まだ私たちよりお若いので日本にも来てくれるかもしれません。楽しみです。

※このブログに掲載したすべての写真のコピーをお断りします。© 2015 Midori FUKUDA

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