▶ミュンヘンからローテンブルクへ
❤ ローテンブルクの町中にかかる看板
▶ミュンヘン中央駅でも再び「ドイツ鉄道問題あり!」でした。
8月14日は皆で一緒に朝食を取りました。なかなか潤沢なメニューで、息子一家は美味しいと感激しながら食べています。今までのホテルよりは格上なので料金もそれなりにかかりましたからね。でもほとんどの人がタバコを吸える外で食べるので、室内に運んで食べている私たちはごく少数派。この日など、まだ楽しく食べている最中に食堂の電気を消されてムッとしました。ちょっと中を覗けば6人が食事中だとわかるはずなのですが。このホテルも工事中で臨時の部屋使いだからかもしれません。
さて、駅に着き、9時35分発トゥロイヒトリンゲン行きの列車の番線を確認すると、なかなか表示が出てこないのです。何人かが車掌を取り囲んでどうしたのかと聞いています。そうこうしているうちにも列車の時間は過ぎ、結局カットされてしまったことがわかりました。せめてカットしたことぐらい表示してほしいものです。
仕方なく約1時間後の列車を皆で待つことになりました。今度の列車では何とか座席も確保できてホッとしましたが、トゥロイヒトリンゲンで乗り換えたときは大混雑。乗り換えるシュタイナハまで約1時間を車両間の狭間に我が家6人だけでなく倍ぐらいの人数がぎゅうぎゅうに乗り合わせました。車内の座席にも立つスペースがありません。辛うじて座席に寝そべっていた女の子を座らせてその家族が私を座らせてくれましたけれど、暑さを我慢しながら皆の様子を見つつ座っていてもやはり心が疲れました。
シュタイナハで乗り換えてローテンブルクの宿に何とか落ち着いたのは午後2時を過ぎていました。私は明日クレークリンゲンまで行くタクシーをフロントで頼み、6人乗りタクシーが予約できてようやく気持ちが落ち着きました。
▶ローテンブルクの町でリーメンシュナイダーを見ました。
ちょっと一休みしてローテンブルクの街に繰り出したのは午後3時過ぎ。まずは聖ヤコブ教会に行ってリーメンシュナイダーの三大傑作祭壇を見学。小さな声で孫2人に内容を説明して、案外しっかり聞いてくれたのにホッとしました。彼らにとって本物のリーメンシュナイダー作品を目にしたのはこれが初めてのこと。心に残ってくれることを祈りつつ、その後はケーテ・ヴォールファールトクリスマス博物館や店舗を回り、雰囲気のある街角(トップ写真)を眺め、シュニーバルを買って頬張り…。息子もよく家族の面倒を見てみな楽しそうでした。私は何だか疲れが出て出窓に座り込んだりしながらお土産屋さんを覗く皆を待ちました。
最後にドイツ料理が美味しいローター・ハーンに入って夕食をとろうと思ったのですが、何だか雰囲気が違います。壁にはカラフルな帽子が掛かっていて、落ち着いた美味しいドイツ料理のメニューが見当たらず、何とメキシコ料理店に様変わりしていたのでした。私は恥ずかしながらタコスを食べたことがありませんでしたので、ここは息子一家のリードに任せました。彼らはドイツ語は読めなくてもササッと翻訳機で見て注文する品を決めていきます。メキシコ料理も食べたことがあるのでしょう、あれこれ迷いなく注文してはよく食べ、よく飲み、つつがなく一日が暮れていきました。
❤ ローター・ハーンのカラフルなタコス入れ
ドイツには網戸というものがほとんどありません。暑い日はやはり窓を開けたままで寝たいのですが、ちょっと用があって灯りをつけると蛾や虫が飛び込んでくるのです。私たちが泊まった宿は昔ながらの小さな旅館。虫嫌いの息子の連れ合いと孫たちは大騒ぎで大変だったようです。私たちの部屋にも大きなアブのような蠅(?)が2回ほど入り込み、三津夫が奮闘してやっつけてくれたあとは落ち着いて休むことができましたが、こう暑い夏だとやはり大きなホテルでクーラーの効いた部屋の方が安心だと思ってしまいます。でも休むベッドも食べるご馳走もない人たちのことを考えるとこんなことは言っていられませんね。情けない…。
▶ローテンブルクからブッフ・アム・ヴァルトへ
8月15日は私にとって孫たちとの一番の記念になると思われる日でした。第一目的は写真集を作るきっかけをくれた故ヨハネス・ペッチュの家を訪ね、手押し車で生活しているフリーデルに孫たちを会わせること、第二目的は既に321. 18回目のドイツ旅行(1) 旅の概略とハイライトでご報告した「マリア昇天礼拝」に家族皆で参加することでした。2007年に奈々子と三津夫と一緒にヨハネス・ペッチュが連れてきてくれて参加したのが初めてで、このとき深く感動し、私の写真展ではこのときに撮れた写真をチラシのメインとして載せてきました。ただ、この写真は2.4MBしかなくて大きく引き延ばすことができませんでした。次回の写真展では2023年8月15日に写した写真をチラシやポスターに活用しようと考えています。
朝、たっぷりの朝食を食べて旅館前に皆集合。フリーデルに渡す花束も用意できました。約束の時間よりも早めに旅館の前に来てくれたタクシー運転手さん。誠実そうな方で、これなら今日一日安心しておまかせできそうだと思いました。ブッフ・アム・ヴァルトまで順調に走行、ちょうど約束の10時頃にフリーデルの家に到着しました。タクシーは午後1時10分に迎えに来てくれる(彼自身がクレークリンゲンへの時間を計算して決めてくれた時間でした)ということで一旦お別れ。
フリーデルは手押し車を使いながらも私たちのためにケーキを焼き、珈琲を煎れて待っていてくれました。昨年訪ねたときはお世話をしてくれるエリーナさんが一緒に生活してくれていたので安心でしたが、どういう事情か今は一人住まい。よくこれだけの食器やケーキなどを一人で用意してくれたものだと驚きました。彼女のきれいに整った住まいも荒れた様子はなく、息子一家にドイツ人の住まいと広い庭を体験してもらう良い機会となりました。フリーデルは今年91歳。ドイツの友人の中で最年長です。いつまで長生きしてくれるか、楽しみに見守りたいと思います。
❤サンルームの食卓でフリーデルと。
▶ブッフ・アム・ヴァルトからクレークリンゲンへ。
フリーデルの家に再び時間通りに迎えに来てくれたタクシーでラインハルト家へ。クレークリンゲンが近づいたら町中に入るのではなく、左折して教会に向かう坂を上り始めたので、あわてて運転手さんに「教会に行くのではなく、朝お渡しした住所に行ってください」とお願いしました。てっきりこの日は教会に行くものだと勘違いしたようですが、すぐにUターンしてくれました。町の入口近い坂を上がっていくとラインハルト家があるのです。彼らの家に着いてベルを鳴らし、イングリッドさんの顔を見て安心しました。いつもは彼らが車で案内してくれるのでドアが閉じたままの玄関は見慣れない感じがしたのでした。今日はヴォルグガングさんは大病の治療の合間で家にいらっしゃって、私たちの送り迎えなどもできるとのことでご厚意に甘えさせていただきましたが、実際にお顔を見るまで心配でした。でも彼の表情も明るくて胸をなで下ろしました。
ラインハルト家でもイングリッドさん手作りのケーキをいただき、もうお腹が一杯。広い居間で孫たちは人形遊びを楽しみ、夕方4時半にお二人が車をそれぞれ運転してくださって合計8人でヘルゴット教会に出発しました。幸い2台分の駐車スペースがあってホッとしました。
入口まで行くと見慣れた女性が「Frau Fukuda!」と言ってくれたのでとても嬉しくなりました。私の方ではお名前が思い出せず、ごめんなさい。撮影禁止の表示が相変わらず壁にかかっていましたが、彼女に撮影の許可をもらって一番後ろの壁際で三脚を立てて準備。三津夫、孫たちはラインハルト夫妻と一緒に前方の席で静かに座っています。「マリア昇天礼拝」が始まり、途中まで明るい光が祭壇の左隅に当たっていたのですが、一時パッと消えたので「何とかマリア様のお顔に当たる時間までには戻ってきてくれますように」と祈りながら撮影しました。皆の願いは届き、11分後には光が戻ってきてくれました。2007年は午後ずっと曇っていたのですが、夕方になると晴れ上がり、じっくり光の饗宴を見学することができたのです。2回、この礼拝時にヘルゴット教会にいて、2回とも祭壇中央の光を拝観できるとは、多分、私たちはお天気運がとても良いのでしょうね。
▶ローテンブルクからヴュルツブルクへ。
8月16日。朝はゆっくり食事をとって、9時5分発の列車でヴュルツブルクに向かいました。始発列車なのでゆったり座って、乗り換えもスムーズ。ヴュルツブルク中央駅に予定通り10時17分頃到着。
その後は私にはちょっと忙しい日。なぜなら今年は金婚式のお祝いも兼ねて普段はとても泊まらないお城のホテルを予約してあったからです。このホテルに行くにはバス便もトラム便もないのですが、重いトランクを転がしながら歩くにもまた大変な距離がありました。高い丘の上に建っているのです。ここはタクシーという選択肢を選ぶしかありません。
そこで、ヴュルツブルク中央駅についてから、まず皆でホテルまで荷物を持ってタクシーで行き、荷物だけホテルに預けてから歩いて町へ下りました。荷物無しで歩いても、町まで30分はかかりました。
リーメンシュナイダー作品の宝庫である市内のマリア礼拝堂や大聖堂を案内してから、息子一家の希望の一つでもあったノルト・ゼーで昼食をとりました。その後の市内観光は三津夫が引き受けてくれて、5人で夕食まで済ませてもらいます。私は歩きで先にホテルに戻ってチェックインを済ませ、また歩いて駅まで行って特急でフランクフルト空港へというスケジュール。奈々子が「一人で平気よ」と言っていれば任せてホテルで待ったかもしれませんが、ホテルがとても不便なところにあるだけに、娘が夜遅くにヴュルツブルク駅から一人でタクシーに乗るのは気がかり。「迎えに来てくれるんでしょ?」と言われて「うん」と言ってしまっていたのでした。続きは次回に。
❤一人でホテルに戻るときに見かけた可愛い汽車。これは初めてみました。
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