飛耳長目 「一灯照隅」「行雲流水」

「一隅を照らすもので 私はありたい」
「雲が行くが如く、水が流れる如く」

算数における基礎と基本

2005年10月09日 23時16分35秒 | 算数科
今一度、算数における基礎・基本を考えてみる。
算数に代表されるように教科において、基礎と基本はいつも一体となって使用される。
基礎・基本を一つの概念としてとらえるとき、他の場面においてもしくは学習において転移できる能力とも定義できる。
定義であるので、共通に理解していれば間違いということはない。
しかし、基礎と基本は違う概念としてもとらえることができる。

例えば、ある本に次のように書かれている。

「基礎」に対して「発展」を「基本」に対して「派生」という考えを対応させる。
算数という教科では、積み重ねの大事さが叫ばれるように、常に一つの内容を基礎にして、次の内容が発展して登場する。
また、小学校算数の根幹にかかわる一貫性のある大きな考えが学習にはつらぬかれている。
これが「基本」である。
それをもとに「派生」した内容が登場する。

「基礎」について例を考えてみる。
例えば、「たし算」が習得されれば、それを基礎にして次に「ひき算」や「かけ算」が発展として現れる。
そして、さらにこの「かけ算」が基礎となって「わり算」が発展となって現れる。

これに対して「基本」は1本の木の幹のように下から上まで中心を貫いているもの指すという。
また、その幹のまわりに繁る葉や枝が派生する。
数と計算領域では、「十進位取り記数法」という考えが、1年生から6年生までの内容を貫く木の幹のような考え方になる。
これに基づいて、数の表し方やたし算・ひき算などが0~9までの10個の数字を使って表せることができる。

このように基礎と基本を考えると授業内容もかわってくるように思う。

SCENE110(saitani)