飛耳長目 「一灯照隅」「行雲流水」「万里一空」「雲外蒼天」

「一隅を照らすもので 私はありたい」
「雲が行くが如く、水が流れる如く」

赤とんぼ 葉末にすがり 前のめり

2022年07月19日 15時02分17秒 | 国語科
夏休みはリスタートの季節である。
休み前までに培ってきたことはほぼ子どもたちは忘れていると考えた方がいい。
休み明けに今一度4月に話したことやルールは確認した方がいい。
すでに規定の事項になっているのがほとんどであるので確認だけでいいだろう。

休み明けの授業は、やはり楽しい方がいい。
できれば全員参加の。

こんな授業はどうだろう。

俳句を黒板に提示する。

「赤とんぼ 葉末(はずえ)にすがり 前のめり」
                   星野立子(ほしのたつこ)

季節的にもぴったりの俳句である。
残暑が厳しいとは思うが。

基本展開は、場面を絵にして、絞り込むということになる。

意味の分からない言葉を確認する。
「はずえ」「すがり」「前のめり」のこのあたりがでる。
タブレットで調べさせる。

〇赤とんぼ… 秋の季語。ちなみに「とんぼ」も秋の季語であり、夏の季語と間違えやすいので注意。まり
〇葉末(はずえ)… 葉の先端。
〇すがり…しがみついて。
〇前のめり…倒れそうなほど体が前に傾いた姿勢。

さらにレトリックを確認する。
「俳句に使われているレトリック(文章のおしゃれ)は何ですか。」

〇体言止め。
〇すがり… 擬人法。葉末に必死にしがみついているかのような赤とんぼの健気な様子が印象的に表されている。

簡単なとんぼの絵のかきかたを説明しておく。
かけた子からノートをもってこさせて点検する。
大雑把にカテゴリーわけしながら、黒板に何名かの子にかかせる。

黒板に様々な考え方が示されてから、今一度、「葉末」の確認をする。
「このんかあでおかしいなと思う絵はどれですか。
 また、その理由は何ですか。」
順に発表させていく。
とんぼの位置で葉末にないものは除外される。
つぎに「すがり」「前のめり」の表現から、とんぼの向きを検討する。
できればとんぼ体の傾きも。

最後に葉の形についても検討する。
「前のめり」という表現から、通常の葉ではなく、細長い葉の揺れを連想できる。
このような作業から、俳句の言葉を子どもがどのように理解しているかがわかる。

こうした楽しく、ちょっぴり知的な授業をしたい。

saitani



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