飛耳長目 「一灯照隅」「行雲流水」「万里一空」「雲外蒼天」

「一隅を照らすもので 私はありたい」
「雲が行くが如く、水が流れる如く」

1年生 算数科 計算式を書くこと

2024年07月19日 10時22分43秒 | 算数科
1年生の算数。
この時期になると各学習のまとまりごとに旗問題、練習問題が設定されている。
この練習問題、結構問題数が多い。
多い場合には12問なんでこともある。
上位の学年なら、なんなく写せる問題も入学したての1年生となるとそう簡単にはいかない。

問題を写すのにも時間がかかる。
学習内の効率も低下する。
では対策としてはどんなことがあるのか。

1 問題をノートに写すことをやめて教科書直書きとする。
  この方法は写す手間が省けてよいのだか、書くスペースが狭いという問題もある。
  さらには、ドットを使った計算をするには作業スペースがとれない。

2 教科書やドリルの拡大コピーを渡す。
  こうすれば前記の問題は解決するが、毎回コピーは煩わしいという時間の問題がある。

3 ノートに書かせるときに、すべてを書かせずに式の最初の数字だけを書かせてあとは電子黒板に提示して自分で書く。
  もしくは式の最初に位置だけに赤点をうたせて、式を写させる。
  電子黒板で実際にノートを写しながら。

4 式を書く位置は大まかに決めて、「行には2問まで。問題と問題の間は1行あけます。」というルールだけを決めてあとはアバウトに書かせて細かいことは言わない。

では、なぜそもそも書き写すだけの作業でこんなにライム差ができてしまうのか。
そのへんのメカニズムも理解しておく必要がある。

例えば、計算ドリル。
  これを写すという簡単な作業でも子どもからしてみれば幾つもの段階をクリアし、なおかつ、複数の能力を必要とする作業なのだ。
  通常であれば自然に身につけていける力だが、この分野の作業を苦手とする子もいるのは事実である。

 802
ー649
____

というひっ算の宿題があるとする。
この計算式を「書き写す」のに、
1.「802 ー 649」をひとまとまりとして覚えて書き写す子
2.「802」「ー 649」と上段と下段に分けて覚えて書き写す子
3.「800……」「2」「ー」「600……」「49」と幾度と式の確認をしながら書き写す子
だいたい3種類のやり方が存在する。
これはドリル ⇔ ノート間で頭を振る回数 やノートに実際に書き写す文字を見ていると分かる。

さてこの3種類の「書き写す」
1.ひとまとまりとして覚えて書き写す子
2.上段と下段に分けて覚えて書き写す子
3.幾度と式の確認をしながら書き写す子
早く書き写せるのはどれだろうか?
答えはもちろん1.>2.>3.の順となる。
1問あたりでいうと1.の子と、3.の子とでも、大した差は生まれないかもしれない。
だが、計算ドリルの宿題、1日1ページ20問ともなると大変なタイム差となる。

そもそもドリルや教科書からノートに「書き写す」とは、細かく分けると次のような作業工程を踏んでいる。
①ドリルに書いてある文字の羅列を見る。
 ↓
②一時的に脳で覚える。
 ↓
③ドリルから目線を切り、ノートに目線を移す。
 ↓
④ノートに文字の羅列を覚えた通りに「書き写す」。

要するに「見る・覚える・写す」というワンセットの作業を何回も繰り返すことになる。
これらの能力、認知能力を鍛えることで書き写すという作業時間に短縮になっていくのである。

saitani
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