りとるぱいんわーるど

ミュージカル人形劇団“リトルパイン”の脚本の数々です。

“勇気の石”より―ロボティとルナ―

2011年10月01日 13時26分12秒 | 脚本

 

  
                ロボティとルナ。


  このロボティくん、背がやたらと高く・・・舞台の縁に足首のように
  見えている部分が、実は膝の位置になります^^;
  しかも全身、発泡スチロールの曲がらない・・・ポロポロ剥がれる
  ・・・とても扱い難い素材で作っていた為、なんとも動かし辛かった
  記憶があります(>_<)発泡スチロールの上から銀色スプレーを
  ふり掛け、全身銀色なのですが・・・この白黒写真では、分から
  ないですね~・・・^^;

  この場面が、以前掲載した“勇気の石”の中の“カラカラとフルフ
  ル”の場面に変わる訳ですが・・・何故変更したか・・・と言うと、
  この“ロボティとルナちゃん”の場面・・・少し暗くて・・・(>_<)
  明るくバ~ン・・・とした場面が欲しかった為ですが、こんな風に
  一度公演した物を、場面を書き変えて再度公演する・・・と、言っ
  たことは、後にも先にも、この作品だけであります(^.^)

  オマケですが、1場も書き変えていたので・・・(今、思い出しまし
  ました~^^;)合わせて読み比べて下さい(^^♪
  この場面で、ピエローラの玉乗りの話しや、ミカエルのバスケの
  話しをするので、“ミカエルとピエローラの勇気”でのお話しに
  続きやすくなります(^^)v
  
  もひとつオマケで、ラストの場面も演出的には変わっていますが、
  台詞がないので、写真を合わせてご覧下さい♥




                                 どら。




 ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪



     ――――― 第 1 場 ―――――


         音楽流れ、幕が開く。
         2人のサーカス団員、下手より話しながら登場。

  
                     ※



  サーカス団員1「本当にピエローラったら、玉乗りもできないの?」
  サーカス団員2「玉乗りだけじゃないぜ。一輪車にも乗れないし、
             輪投げもできない!」
  サーカス団員1「それじゃあ、サーカス団員の意味ないじゃない。」
  サーカス団員2「そりゃそうだ。僕達は色んな芸を、お客様に見て
             喜んでもらうのが仕事なんだから。」
  サーカス団員1「仕事もできないなら、いてもいなくてもいいわね。」
  サーカス団員2「本当だ!」

         サーカス団員、笑いながら上手へ去る。
         それを見ていたように下手より、一人のピエロ
         (ピエローラ)登場。歌う。

  ピエローラ「・・・違う・・・違う!!」

         “僕にはやる気がある
         明日には希望がある
         夢に見た願いをこの手に入れる
         皆のようになりたい・・・”

         ピエローラ、一寸後ろに置いてあるベンチに
         腰を下ろす。
         上手より一人の少年(ミカエル)登場。佇む。
         ミカエルのクラスメイトの声が聞こえる。

  クラスメイト1の声「おまえのせいで、今日のバスケの試合、負け
              たんだぞ!!」

  ミカエル「だって・・・」

  クラスメイト2の声「だってじゃないだろ?ミカエルがあそこで
              ゴールしてれば、今日の試合は勝てたんだ!
              !」
  
  ミカエル「だって・・・僕、バスケットボールは苦手なんだもん・・・」

  クラスメイト1の声「おまえが苦手なのは、バスケットボールだけ
              じゃないだろ?」
  クラスメイト2の声「そうさ。ミカエルは何やらせたって駄目なんだ
              よ。」

         ミカエル、ピエローラの座るベンチへ腰を下ろす。
         2人、溜め息を吐く。お互いに気付き、顔を見合わ
         せる。2人同時に。

  ピエローラ「君はどうして・・・」
  ミカエル「あなたはどうして・・・」

         2人、思わず笑う。

  ピエローラ「何か落ち込んでる?」
  ミカエル「少しね・・・」
  ピエローラ「僕もさ・・・」
  ミカエル「あなた、ピエロなの?」
  ピエローラ「そうだよ・・・。僕は、今そこの広場に来てるサーカス
         の団員さ。(上手方を指差す。)ピエローラって言うん
         だ。」
  ミカエル「そうなんだ・・・。僕はミカエル・・・。ピエローラも何か特
        別なことができるの?」
  ピエローラ「え・・・?」
  ミカエル「だって、サーカスの人って言えば、空中ブランコや玉乗
        りや・・・僕達が誰もできないようなことが、色々できる
        んでしょ?羨ましいよ。僕には得意なものなんて、何も
        ないんだから・・・。」
  ピエローラ「羨ましいなんて、とんでもないさ・・・。」
  ミカエル「(ピエローラを見る。)」
  ピエローラ「僕はサーカスの中の落ちこぼれなんだ・・・。(独り言
         のように。)やる気だけは、人一倍あるんだけれど・・・
         。」
  ミカエル「落ちこぼれ?」
  ピエローラ「そう・・・。僕は皆みたいに人々を魅了する芸や、得意
         技が一つもないんだから・・・。」
  ミカエル「そうなんだ・・・。僕と同じだね・・・。」
  ピエローラ「え?」
  ミカエル「僕もそうさ。(立ち上がる。)クラスの中で一番の落ちこ
        ぼれ・・・。クラスメイト達のように、テストで100点取っ
        たり、駆けっこが一番速かったり、歌が上手かったり・・・
        そう言うのが何もないんだ。おまけに、今日のバスケット
        の試合でゴールが決めれなくて・・・それで試合に負け
        ちゃったんだから・・・。皆に散々文句言われて・・・最悪
        だよ。」
  ピエローラ「(立ち上がる。)ねぇ、ミカエル。そりゃ、ゴールできな
         かったのは残念だけど、君のせいで試合に負けた訳
         じゃないと思うよ。バスケットボールは、皆で協力して
         頑張るゲームじゃないか。皆の頑張りが少し足りなか
         ったから負けたんで、君一人が負けた原因だなんて、
         そんな筈はないと思うよ。それに対して皆が文句を言
         うのは、もっと可笑しいと思うな。」
  ミカエル「でも、皆が言うんだ。今日負けたのは僕のせいだから、
        これで明日も同じような失敗をしたら、二度とゲームに
        入れてやらないぞって・・・。僕・・・ゴールを決める自信
        なんてないよ・・・。あああ・・・自信の出る、魔法か何か
        があればなぁ・・・。」

         その時、上手より2人の少女、話しながら登場。
        

  
        (左より)少女1、2・ピエローラ・ミカエル。



  少女1「ねぇ、ねぇ“勇気の石”って知ってる?」
  少女2「“勇気の石”?」
  少女1「(後方を指差し。)あの山の頂きに、手に入れると忽ち
       勇気が湧き、何にでも果敢に挑戦できる、自信漲る石
       があるらしいわ。」            ※2
  少女2「へぇ・・・」
  少女1「でも、あの山の一番天辺の高い所にあるから、取りに
       行くのも大変だし・・・」
  少女2「そんなもの、誰も欲しがる人、いないんじゃない?」
  少女1「そうよね。」

         2人の少女、下手へ去る。(紗幕閉まる。)

  ミカエル「勇気の石だって・・・」
  ピエローラ「そんな話し、嘘だよ。」
  ミカエル「だって、今の女の子達が言ってたじゃない。」
  ピエローラ「そんなものある訳ないよ。」
  ミカエル「・・・あるよ・・・あるさ絶対!!」
  ピエローラ「ミカエル・・・」
  ミカエル「僕、その石を探しに行きたい・・・。ねぇ、ピエローラ!!
        僕と一緒にその石を探しに行こうよ!!君もその石が
        あれば、勇気を出して空中ブランコや玉乗りに、挑戦で
        きるかも知れないじゃないか。」
  ピエローラ「僕はそんな石いらないよ。」
  ミカエル「どうして!?」
  ピエローラ「ねぇ、ミカエル。勇気は石があるから湧いてくるとか
         そう言うものじゃないよ。」
  ミカエル「でも、その石があれば勇気が出るかも知れないなら、
        僕はその石を探しに行く!!その石を手に入れて、
        明日の試合に挑むんだ!!だからお願い、ピエローラ
        !!僕と一緒にその石を探しに行ってよ!!ね!?
        いいでしょ!?」

         ミカエル歌う。

         “勇気の石 それさえあればもう”

  ピエローラ「勇気の石なんかある筈ないよ。そんな石がなくても、
         勇気は自然に湧いてくるものなんだ。」

         ミカエル歌う。

         “勇気の石 それだけあればもう”

  ピエローラ「勇気の石なんか出任せさ。皆がでっち上げた、ただ
         の誤魔化しなんだ。」
  ミカエル「勇気の石があれば、何もかも上手くいくような気がする
        んだ!!ただの誤魔化しでも、勇気の石さえあれば、
        何でも頑張れる気がする。だからピエローラ!!僕と
        一緒にその石を探しに行こうよ!!2人で願いを叶え
        ようよ!!ね!!」

         2人、歌う。

         “勇気の石を見つけるんだ”

         2人、上手へ走り去る。


  






   と、これが、この作品が出来た当初に付いていた場面です^^;
   多分、こっちの方が、「何故ミカエルとピエローラが勇気の石を
   知ったのか・・・」と言ったような説明が詳しいので、分かりやすい
   かな~・・・と(^_^;)
   え?「どっちもどっち・・・(-_-;)」?ま・・・確かに・・・^^;

   それでは次ページでは、私が「暗いかも・・・」と言った、ロボティ
   とルナの場面に参りましょう(^^♪




                                   どら。







  ※ 分かり難いですが、この“サーカス団員”のお人形2人、この
   後、ティンクルちゃん作品の、歌えなくなった兄妹に変身させて
   使用しています^^;

  ※2、大体、子どもにこんな台詞・・・難し過ぎですよね~(>_<)


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