りとるぱいんわーるど

ミュージカル人形劇団“リトルパイン”の脚本の数々です。

“バーナード” ―全16場―

2012年10月21日 19時41分30秒 | 未発表脚本

 
  
   グーグル版“ワールド”で掲載終了したので、グー版へ
  引っ張ってきました~^^;
  
  よければご覧下さい(^_^)v





― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪


  
   〈 主な登場人物 〉

 

 

   バーナード  ・・・  NYインターナショナルの少壮重役。

               プリンセスコーポレーションに秘密情報

               スパイとして派遣されている。

 

   シェイラ  ・・・  プリンセスコーポレーションの庶務課に

              勤める。

 

   ジャック  ・・・  殺し屋。

 

   ジェーン  ・・・  バーナードに密偵として付いている。

              アルバートの秘書として働く。

 

   アルバート  ・・・  プリンセスコーポレーションの専務。

 

   ボールデン  ・・・  NYインターナショナルの常務取締役。

 

   シンディ  ・・・  ボールデンの秘書。

 

   

 

   その他

 

 

 

― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪

 

 

         ――――― 第 1 場 ―――――

 

         プロローグ。

         音楽で幕が上がると、そこは社内の風景。

         デスクや椅子を持って、社員達、歌い踊る。

         デスクや椅子を其々決められた場所へ置き、

         決めのポーズ。

         社員の面々、一様に仕事を始める。

         電話のベルや騒めきの間を、お盆を持った

         シェイラ、ウロウロする。

         社員達のシェイラを呼ぶ声が、あちこちで

         上がる。シェイラ、其々に返事をして、また

         ウロウロする。

    

         音楽でカーテン閉まり、上手よりバーナード

         登場。歌いながら中央へ。

         バーナード、下手方へ行こうとすると、下手

         よりジェーン登場。お互い其々そ知らぬ顔で、

         通り過ぎようとした時、一時立ち止まる。

 

  ジェーン「(前を向いたまま。)レジャー産業部門の内部で動き

       がありました。大型リゾート開発グループが発足され

       たもようです。中心になって動いているのは、アルバ

       ート専務取締役。」

  バーナード「これでハッキリしたな。我々が以前から密かにリゾ

         ート開発を進めてきているクリア島に、奴らも目を

         付けてきた訳だ。まぁ、あれだけ観光地として最適

         な島を、お互いに今まで手付かずにしておいたこと

         自体、有り得ない話しなのだが・・・」

  ジェーン「それでどうされますか?」

  バーナード「プリンセスコーポレーションには悪いが・・・あの島

         は我々のものだ。手を引いてもらう他ないだろう。

         君はもう少しアルバートの行動を見張っててくれ。

         詳細書類は俺がなんとかする・・・。」

  ジェーン「分かりました。(クスッと笑って。)でも、NYインターナ

       ショナルの少壮重役であるあなたが、泥棒なさるんで

       すか?」

  バーナード「仕方ないだろ!これも仕事だ!」

 

         その時、上手よりフランク、大きく手を

         振りながら走り登場。

 

  フランク「バーナードさーん!!」

 

         バーナード振り返る。ジェーン、そ知らぬ顔で

         フランクの横を通り過ぎ、上手へ去る。

         フランク振り返ってジェーンを見る。ゆっくり

         バーナードに近寄る。

 

  フランク「今の人、アルバート専務の秘書でしょ?」

  バーナード「そうだったか?」

  フランク「なんか怖そうな人だな・・・」

  バーナード「で、何か俺に用か?」

  フランク「あ、そうそう!昼から営業に出るでしょ?僕もお供し

       ます!!」

  バーナード「おまえは来なくていいよ。」

  フランク「えー!!どうして!?一緒に連れて行って下さいよ!」

  バーナード「偶には他の奴にくっついて行ったらどうだ?」

  フランク「バーナードさんでなきゃ!!なんたって営業課切って

       のエリート社員!!おまけに格好良いから女子社員に

       モテモテときちゃ・・・俺、一生付いて行きますよ!!」

  バーナード「呆れた奴だな。」

  フランク「まだ入社して一ヶ月程だなんて、誰も信じないですよ

       !!」

  バーナード「(溜め息を吐きながら。)勝手にしろ。(下手へ歩い

         て行く。)」

  フランク「あっ!!(慌ててバーナードの後を追うように。)待って

       下さいよ!!バーナードさーん!!」

 

         2人、下手へ去る。

         上手より、ジャッキー、ダイアナ、スティーヴ、

         手に其々書類を持ち、登場。

  

  ジャッキー「あぁあ、全く・・・。折角のフライデーナイトだってのに

        ・・・(書類を振って。)これじゃあ、私は残業だわ!」

  ダイアナ「本当ね!」

 

         後ろから書類の山を持ったシェイラ、

         ヨロヨロと登場。その横に、心配そうに

         リチャード、付いて登場。

 

  リチャード「大丈夫?半分持とうか?」

  シェイラ「(微笑んで。)ありがとう、大丈夫ですから・・・」

  ジャッキー「(振り返って。)放っときなさい、リチャード!それは

        シェイラの仕事なの!」

  リチャード「・・・でも・・・」

  スティーヴ「(リチャードに近寄って、肩を叩く。)全く、おまえは

        変わってるなぁ。こんな女にまさか惚れてる訳じゃな

        いだろう?」

  リチャード「・・・(しどろもどろに。)まさか・・・そんな・・・ハハハ

        ・・・(作り笑いをしながら、シェイラの方をチラッと見

        る。)」

  スティーヴ「そうだよなぁ。」

 

         シェイラ、書類の山で前が見えない為に、

         立ち止まっていたダイアナにぶつかり転ぶ。

 

  シェイラ「あっ・・・」

  ダイアナ「痛いわね!!」

 

         シェイラ、転んだ時に、かけていた眼鏡を

         落とす。散らかった書類の中、慌てて眼鏡

         を手探りで探す。

         その様子を、ジャッキー、ダイアナ、スティーヴ

         可笑しそうに声を上げて笑う。

 

  シェイラ「・・・えっと・・・眼鏡・・・」

 

         ダイアナ、シェイラの眼鏡をそっと拾うと、

         ポケットに仕舞う。

 

  シェイラ「あの・・・私の眼鏡・・・どこかに落ちてないでしょうか

       ・・・」

  ダイアナ「さぁ・・・見当たらないけど・・・(意地悪そうに。)それ

       より、折角のフライデーナイトに、こんなにも仕事を引

       き受けちゃうなんて、シェイラって余程仕事が好きなの

       ねぇ。もう、シェイラの為に、私の分の仕事も譲っちゃ

       う!!(持っていた書類を、散らかっている書類の上

       へ放り投げる。)さぁ、皆!!皆の分も譲ってあげなさ

       いよ!!(他の者の手から書類を取り上げて、放り投

       げる。)」

  スティーヴ「いいのかなぁ。」

  ダイアナ「いいの!いいの!私達はシェイラにいいことをして       

       あげたんだから!さぁ、行きましょう!!」

  ジャッキー「今日は泊まりになるかも知れないわね!」

 

         ジャッキー、ダイアナ、スティーヴ、笑いながら

         下手へ去る。少し遅れてリチャード、シェイラ

         を気にしながら後へ続いて去る。

         一人残ったシェイラ、涙を堪えるように、上を

         向く。

 

  シェイラ「(手探りで書類を掻き集めながら。)泣かない、泣かな

       い!」

 

         シェイラ、書類を横に集め、立ち上がり

         力強く歌う。

 

         “何があっても私は私らしく・・・”

 

         暗転。

 

    ――――― 第 2 場 ―――――

 

         カーテン開く。絵紗前。レジャー産業部門内。

         薄暗がりの中、懐中電灯を手に、バーナード

         登場し、何かを探すように周りを見回したり、

         デスクの引き出しを開けたりする。

         その時、横の方に置いてあった金庫に目を

         付ける。近寄り手で触れる。

 

  バーナード「この中だな・・・(金庫の戸を開けようとする。)ジェ

         ーンじゃないが・・・丸で俺のやっていることは泥棒

         だな・・・」

 

         暫くすると“カチッ”と金庫の開く音。

 

  バーナード「(溜め息を吐いて。)開いた・・・(そっと戸を開けて

         中を探し、一つの封筒を取り出す。)・・・クリア島

         リゾート開発計画・・・これだ・・・」

 

         バーナード、慌てて金庫の戸を閉めて

         立ち上がり、入り口から出て行く。

         (舞台回転する。)

         慌てて出て来たバーナード、書類を持って

         歩いて来ていたシェイラにぶつかる。

         一瞬、お互いの顔を見るが、バーナード

         慌てて顔を背ける。

 

  シェイラ「(驚いて。)ごめんなさい!」

  バーナード「いや・・・(足早に出て行く。)」

  シェイラ「(落とした書類を拾って。)今日はよくぶつかる日・・・

       (肩を窄めてゆっくり出て行く。)」

 

         シェイラが出て行くのを見計らって、再び

         バーナード出る。

 

  バーナード「畜生・・・顔を見られた・・・まさかこんな時間まで

         残業してる奴がいるなんて・・・!」

 

         バーナード、シェイラが書類を拾っていた

         場所へゆっくり進み、何かを拾う。

 

  バーナード「ネームプレート・・・庶務課・・・シェイラ・ハミルトン

         ・・・」

 

         バーナード、ネームプレートを握り締める。

         暗転。カーテン閉まる。

 

 

 

 

 

 

 

 

     ――――― “バーナード”2へつづく ―――――

 

 

 

 

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“キャシーの森(原作)” ―全6場― 完結編

2012年10月17日 20時14分37秒 | 脚本



  長老の声「大きな声で呼ばなくても分かっている・・・。(声は幾
        分若々しく聞こえる。)」
  
  クルト「長老?」

         舞台中央、後ろ向きに胡坐をかいて座った
         長老で、フェード・イン。

  クルト「(長老を認め、駆け寄る。)長老!!」

         クルト、長老の様子が今までと少し違うのに
         気付き、立ち止まる。

  キャシー「どうしたの?」
  クルト「長老・・・本当に長老かい・・・?なんか感じが・・・まぁ、い
      いや!それより長老!!キャシーがとうとう最後の大木
      の精に会うだけになったんだよ!!4つの石を集めたん
      だ!!すごいだろ?」
  長老「だが木の精は今までのように、すんなり石を渡さないぞ
     ・・・」
  クルト「どうして?長老!木の精はどこにいるんだい?僕も今ま
      で一度も会ったことがないから、案内係りの役目が果た
      せなくって。(笑う。)長老は勿論、会ったことがあるんだろ
      ?キャシーに教えてやってくれよ!どこに行けば会えるの
      か!!」
  長老「(ゆっくり立ち上がる。呟くように。)ガタガタ煩い小鳥だ・・・
     」

         長老、今までのように曲がった腰ではなく、
         背筋がすっくと伸び、若々しく見える。

  クルト「長老・・・長老じゃない・・・?」
  キャシー「長老じゃないって・・・誰なの?クルト!」
  長老「(声を上げて笑う。)やれやれ・・・とうとう俺が相手をする
     人間がここまで来たか・・・」

         長老、振り返る。と、今までとは全く別人の
         ように、険しい面持ちの若い妖精に変わっ
         ている。(立ち上がる時、今まで着ていた
         マントを脱ぎ捨てると、全身黒尽くめの衣装
         に変わる。)

  長老「今回、他の4人はこんな小娘に、すんなり石を渡し過ぎだ
     ・・・」
  クルト「・・・木の・・・精・・・?」
  長老「(ニヤリと笑って。)そう・・・俺がこの森の真の支配者・・・
     大木の精霊だ!!」           ※
  クルト「・・・長老は?」
  長老「長老か・・・本当の長老なんて、この森には最初から存在
     しないのさ!」
  クルト「そんな・・・」
  長老「長老なんて、おまえたちが勝手に作り上げた幻の年寄り
     に過ぎないってことだ。」
  クルト「嘘だ・・・嘘だ!!冗談言うなよ!!」

         クルト、長老(木の精。)に食って掛かる。

  長老「煩い!!(払い除ける。)」

         クルト、倒れる。

  キャシー「クルト!!(駆け寄る。)」
  クルト「(再び立ち上がって、長老に掴み掛かる。)嘘だ!!長
      老が本当に存在しなかったなんて嘘だ!!」
  長老「いつまでも煩い小鳥だ・・・。その口を黙らせてやる!!」

         長老、クルトに向かって魔法をかけるように
         指を差し出す。と、クルト、苦しそうに跪き
         倒れる。

  クルト「長老・・・」
  キャシー「クルト・・・?クルト!!(クルトを抱き起こす。)クルト、
        どうしちゃったの!?確りして!!(長老を見据えて。
        )あなた、クルトに何をしたの!?」
  長老「(笑って。)後、数分もしないうちに、クルトの命は終わるだ
     ろう・・・。静かになるな・・・。」
  キャシー「(クルトをそっと下へ下ろして立ち上がる。)どうしてそ
        んな酷いことをするの!!」
  長老「煩く俺に口答えするからだ。さぁ、おまえは俺の石が欲し
     いんだろう?だが俺は他の精たちのように、簡単に石はや
     らんぞ。どんな難題に挑戦してもらうとするかな。(笑う。)」

         音楽流れる。       ※2

  キャシー「・・・いらない・・・」
  長老「ん?」
  キャシー「いらないって言ってんのよ!!」
  長老「・・・いらないだと?」
  キャシー「そのかわりクルトを助けて・・・クルトを殺さないで!!
        」
  長老「二度と自分の世界に帰れなくなるんだぞ?」
  キャシー「いいわ・・・それでも私は構わない!!初めて出来た
        本当の友達なのよ!!(泣き叫ぶように。)」

         キャシー、泣きながら歌う。

         “願いのかわりに大切な者
         返してクルトの命 引き換えに
         初めて知った優しい心・・・
         今まで気付かずにいた思いやり
         教えてくれた優しい友・・・
         今の私には願いは一つ・・・
         クルトの命返してくれたら
         他には何もいらない・・・”

         長老歌う。

         “おまえの望みはクルトの命
         漸く気付いた大切な心を
         願いのかわりに助けてと言った
         優しさ初めて知った”

  長老「おまえがいつそう言いだすのか楽しみだったよ・・・。それ
     とも気付かずに終わるのか・・・。もしおまえが優しさを失っ
     たまま、石を集めたところで、願いは叶うことはなかった・・・
     。人として一番大切なことを忘れたままで・・・」
  
         キャシー、何かに気付いて、持っていた
         袋を見ると、袋の中が光り輝いているのが
         分かる。

  キャシー「石が・・・?」

         長老、歌う。

         “返してやろうクルトの命
         叶えてやろうおまえの望み”

  本当「・・・本当・・・?」
  長老「(優しく微笑んで頷く。)」

         キャシー、長老に駆け寄り歌う。

         “今こそ願い叶う
         初めて知る喜び
         立ち向かう強さと
         守りたい友情
         この溢れ返る思いは真実・・・”

         長老歌う。

         “返してやろうクルトの命・・・”

         長老、クルトに近寄り手を差し出す。と、
         クルトゆっくり目覚める。

      コーラス“願いは全て叶う・・・”

  キャシー「(クルトに駆け寄る。)クルト!!」
  クルト「キャシー・・・!!」

         嬉しそうに手を取り、見詰め合うキャシーと
         クルト。その様子を微笑ましく見ている長老。
         フェード・アウト。

    ――――― 第 6 場 ―――――

         音楽流れ、フェード・インする。と、舞台中央に
         キャシーとクルト、微笑み合っている。

  クルト「ありがとう、キャシー・・・」
  キャシー「ううん・・・私の方こそありがとう!あなたのお陰で、全
        ての答えが見つかったわ!」
  クルト「お別れの時が来たね。」
  キャシー「クルト・・・(泣きそうになる。)」
  クルト「泣かないで、キャシー!僕たちは全て君の作り出した想
      像物だ・・・。だから会おうと思えば、いつでも会えるさ!!
      君の心の中でね・・・。」

         遠くで、母の声が聞こえる。

  キャシーの母の声「キャシー・・・」

  キャシー「(回りを見回して。)ママ・・・?」
  クルト「さぁ・・・もう目覚めの時だよ・・・」

         キャシー、微笑んで頷く。

  キャシー「さよなら、クルト・・・(クルトに抱き着く。)」
  クルト「さよなら・・・」

         上手、下手より其々妖精(長老は木の精
         ではなく、長老になっている。)他の出演者出、
         キャシー、クルトの側へ。握手したり微笑み
         合ったり挨拶を交わす。
         全員登場したところで、皆で手をつなぎ、客席
         への挨拶になる。
         音楽盛り上がって、全員の合唱。

         “今 優しい心が溢れ返り
         全ての者が幸せを手に入れた
         君たちの思い出と共に
         二度と忘れはしない・・・
         今ここで過ごした時の流れを・・・
         何時までも・・・”






         ――――― 幕 ―――――







    
     それでは、次回掲載作品の紹介をしておこうと思いま
    すが、次回は最近書き始めた、この時期だから書きたく
    なったお話・・・まだ途中ですので(・・・大きな声で言うと、
    団員達から「こんな忙しい時期に!!先にやること済ませ
    てから書きなさい!!」と、お叱りを受けるので、こっそり
    と・・・^^;)主人公に誰を持ってくるか迷いつつ書き進め
    ている・・・なので、無理矢理タイトルをつけておこうかな
    ・・・と思って考えた“古びた洋館の隠れた住人・・・”を、
    ご覧頂こうと思います(^_^)v

    何せ、公演準備を進めながら、団員達にナイショで・・・
    ここに書いて“ナイショ”も何もないですけど・・・^^;
    私に“書きたい”気持ちは止められない~・・・と言うことで
    ・・・お楽しみに~♪














   ※ 人形劇用の台本では、長老さんが変身(?)したところ
     から、“大木の精”と書き換えていたのですが、舞台用
     ではズーッと最後まで“長老”と書いています^^;
     なので、なんだか読んでいると、エラク偉そうな長老さん
     に感じますね~"^_^"

   ※2、この場面に流れる音楽は、決まったものがあるようで、
     曲名が書かれていました^_^;
     続く歌詞も、その音楽に合わせて書いている筈なので、
     きっと読まれて「???」な感じに受け取れるような所
     もあるかも知れないですね^^;
     私も今度、CDでも借りて、合わせて聞いてみようと思い
     ます(^。^)




 ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪


     (おまけフォト^^;)

     記念撮影で~す♪

     

    まもなく公演する作品の、お人形や道具類を、
   クローゼットから引っ張り出して、準備を進めようと
   していたところ、お人形のあまりの多さに、ちょっと
   記念撮影でもしてみようかな・・・と思い立った次第
   であります(^.^)

    上写真のお人形は、ほんの一部で、部屋の中には
   この3、4倍ほどのお人形たちが、ところ狭しと転がっ
   ている・・・公演終了までの、ただ今の我が家の状態
   であります^^;

   どの子が誰か・・・分かりますか~?^_^;










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“キャシーの森(原作)” ―全6場― 3

2012年10月12日 20時19分18秒 | 脚本


  長老「なんじゃ・・・まだ普通の石を集めとるのか?」
  キャシー「え・・・?」
  長老「花の妖精に貰った石は、まだそのままかな?」
  キャシー「そのまま・・・って・・・(ポケットから石を出し、触ったり
        翳したりして見る。)・・・そう言えば・・・貰った時に比べ
        ると、なんだかほんの少しだけキラキラして見える・・・
        。」
  長老「それは持つ者によって、どうにでも変わる魔法の石じゃ。」
  キャシー「魔法の石・・・?じゃあ私がその辺に転がってる石を、
        5つ集めたって同じことじゃない。」
  長老「(首を振る。)いいや・・・、この石は5人の妖精の手を通し
     て、おまえが貰い受けなければ、本当に意味のないただの
     石ころじゃ。」
  キャシー「どうして変わるの!?時間が経てば輝いてくるの!?
        」
  クルト「花の妖精が言ってたじゃないか。キャシーが冷たい心な
      ら、いつまでたっても冷たい石だって・・・!!」
  キャシー「いつまでも冷たい心なら・・・冷たい石・・・」
  長老「(声を出して笑う。)さぁ、年寄りは家へ帰って、一眠りしよ
     うかのぉ・・・」
  キャシー「待ってよ!!私がどう変われば、この石は本当に願
        いの叶う魔法の石に変わるの!?」
  長老「さあのぉ・・・しかし現に花の妖精に貰った石は、ほんの少
     しでも輝いてきたんじゃろう?それはおまえさんの中で、少
     しだけ何かが変わったってことじゃよ・・・。自分で考えてご
     らん・・・。」
  キャシー「私の中で・・・。一体何が変わったって言うの!?」

         長老、ゆっくり上手へ去る。

  キャシー「待って!!待ってよ!!もう・・・これじゃあ、たとえ5
        つの石が集まったって、私が変わらなければ願いは叶
        わないってことじゃない・・・」
  クルト「屹度、5つ集まれば答えが見つかるようになっているん
      だよ!一つ一つ・・・花の妖精に貰った石のようにさ!」
  キャシー「(石を見て。)そうかしら・・・」
  クルト「行こう!キャシー!」

         クルト、明るく歌う。途中、キャシーも
         加わり、元気よく歌う。
         2人、スポット。

         “行こう!
         分からない答え知る為に
         行こう!
         分からない答え聞く為に
         屹度 見つかる
         5つの石が答えを知ってる
         願いを叶える
         5つの石が何でも分かる筈
         だから行こう!行こう!
         次の妖精が待つ森のどこかへ”

         2人、手をつないで下手へ走り去る。
         フェード・アウト。

    ――――― 第 4 場 ―――――

         水の滴が垂れる音。美しい音楽が流れる。
         フェード・インする。と、洞窟の泉。
         中央、座った美しい泉の精、長い髪を
         梳かしながらゆったりと歌う。

         “水の流れがささめいて
         水の滴が肌を滑る
         美しい光 揺らめいて
         私を照らすのいつまでも・・・
         泉が溢れ
         私を称えるいつまでも・・・”

         下手客席よりクルト、続いて周りをキョロ
         キョロ見回しながら、キャシー登場。

  クルト「さぁ、ここが泉の精の住む洞窟だよ。」
  キャシー「それで何処にいるの?泉の精って・・・」
  クルト「(周りを見回して。)えっと・・・泉の精!!泉の精!!」
  泉の精「・・・誰?私の優雅な午後の一時を邪魔するのは・・・」
  クルト「(舞台上の泉の精を認め。)泉の精!!」

         クルト、キャシー、上手より舞台上へ。

  泉の精「クルト・・・また欲深い人間のご案内?さぁ今度はどんな
       くだらない願い事を叶える為に、私は心穏やかな時を妨
       げられたのかしら・・・?(ゆっくり立ち上がる。)」
  キャシー「偉そうね!くだらない願い事を叶える為に態々来たん
        じゃないわ!」
  クルト「キャシー!」
  泉の精「(呆れたように。)まぁ・・・人間の望みなんて、皆、所詮
       くだらない望みに決まってるわ・・・。車が欲しいとか・・・
       家が欲しいとか・・・そうそう、お金が欲しい・・・なんて言
       うのもいたわね・・・。人間の頭の中は、物欲のことで一
       杯・・・。」

         泉の精、歌う。

         “他に考えることがないのかしら・・・?
         あれが欲しいこれが欲しい
         その前にもっと他に望みはないの・・・?
         願いはないの・・・?
         心に余裕をもたないの・・・?
         あくせく働くのは何の為?”

         キャシー、呼応するように歌う。

         “それだけじゃないわ
         美しいものを見て感動することもあるわ
         美しい絵に綺麗な音楽
         心動かされる時だってある”

         クルト、歌う2人の間をウロウロしている。

  泉の精「けれどここに来た人間は、少なくともあなたの言うよう
       な心ある人間だと、私には思えないけど・・・。あなただ
       ってそう・・・今までのあなたから、そんな言葉が出るの
       が不思議・・・。(笑う。)」
  キャシー「そりゃ!!・・・確かに私は絵も音楽も好きじゃないわ
        ・・・。だけど、他の人は!!」
  泉の精「他の人はどうだと言うの・・・?そうね・・・あなたが今ま
       でに、一番感動したことを聞かせて頂戴・・・。そうすれ
       ば、私の石をあなたに差し上げるわ・・・。それとも感動
       したことなんてないのかしら?(微笑む。)」
  キャシー「あるわ!!あるわよ・・・感動したことくらい・・・。えっと
        ・・・テストで100点とった時!!それから・・・去年の
        クリスマスケーキが一昨年のより大きかった時・・・!!
        それから・・・それから・・・」        ※
  泉の精「(笑って。)精々あなたの感動ってそんなもの・・・。」
  キャシー「違うわよ!!もっとあるわ!!えっと・・・(考える。)動
        物園で初めて白熊を見た時・・・朝、目覚ましなしで起
        きれた時・・・髪型が1度で決まった時!ハンバーガー
        のピクルスが1枚余分に入ってた時・・・。さぁ、もういい
        でしょ!!一体、いくつの感動を私に言わせるつもり!
        ?早く、石を頂戴!!」
  泉の精「どうしようかしら・・・」
  キャシー「感動したことを話せば石をくれるって約束したわ!!」
  泉の精「だって・・・今まで私に聞かせてくれた話しは“感動”とは
       言わないわ・・・。あなたは私の質問にちゃんと答えてな
       いもの・・・。石はあげられないわ・・・。」
  キャシー「酷いわ!!私が何故、願いを叶える石を欲しいか知
        りもしないくせに、唯一私が元の世界へ戻れるかも知
        れない、願いの石をあなたは私にくれないなんて!!
        」
  泉の精「じゃあ、ちゃんと答えて。感動したことを・・・。何故そん
       なに元の世界へ帰りたいの・・・?ここにいればパパや
       ママに叱られることもない・・・妹たちの面倒を見なくて
       もいい・・・勿論、学校や宿題もないわ・・・。ここにいれば
       石なんて必要ないのよ・・・。」      
  キャシー「パパやママが叱るのは、私がいけないことをしたから
        !妹たちの面倒を見るのは、私が頼りにされてるから
        !勉強するのは自分の為だわ!!」     ※2
  泉の精「まぁ・・・それならあなたの感動を聞かせてもらわないと
       ・・・。」
  
         優しい音楽流れる。

  キャシー「感動したこと・・・」
  泉の精「どんなに考えたって、あなたは今まで心動かされるよう
       な出来事に、出会ったことがないのよ・・・。」
  キャシー「そんなことないわ!!(目を閉じる。)感動したこと・・・
        そうだわ・・・この間のお誕生日に家族で行った、高原
        旅行・・・。その時に見た星空・・・。今まであんな美しい
        星空を見たことがあったかしら・・・。横にはパパとママ
        ・・・妹たちもいて・・・とても幸せな気持ちだった・・・。
        溢れ返るような感情じゃなかったかも知れないわ・・・。
        けど、あれは確かに美しい星空に感動したのよ・・・。
        家族、皆で一緒にいられる幸せを実感したわ・・・。(目
        を開ける。)口には出さなかったけど・・・。(思い出すよ
        うに。)帰りたい・・・帰りたいの!!パパやママ、妹た
        ちのいる世界に!!だから私は石が欲しいの!!」

         キャシー、歌う。

         “側にいる時には分からなかった・・・
         何が幸せか・・・
         いつでも会える時にはそれが当たり前・・・
         いつも心が氷みたいにカチンカチン・・・
         離れて初めて
         会えなくなって初めて
         分かることもあるわ・・・
         そんな気持ちに戸惑って
         この胸の痛みは一体何・・・?”

  キャシー「私はここの人間じゃない・・・。帰らなけりゃいけないの
        よ・・・。パパやママが心配してるわ・・・。屹度、私のこ
        とを捜し回ってる・・・。早く元気な顔を見せてあげなき
        ゃ!!」
  泉の精「・・・そうね・・・(キャシーの手を取って、自分が持ってい
       た石を渡す。)・・・約束の石・・・。少し分かったわ・・・人
       間の感動がどう言うものか・・・。さっき色々、あなたが言
       ったことも・・・私にはつまらないことでも、あなたには本
       当に一つ一つ感動するような出来事だったのかもね・・・
       。感動の大きさは其々違っても・・・。」
  キャシー「(嬉しそうに微笑んで石を見る。)ありがとう!!」
  クルト「キャシー・・・」
  泉の精「・・・早く5つの石が集まるといいわね・・・。(微笑む。)さ
       ようなら・・・」

         泉の精、手を振りながら、優雅に上手へ
         去る。

  キャシー「ありがとう!!(泉の精の後姿に、大きく手を振る。)」

         キャシー、クルト残してフェード・アウト。

    ――――― 第 5 場 ―――――

  クルト「(嬉しそうに。)よかったね、キャシー!!」
  キャシー「うん!!(不思議そうに、クルトの顔を見詰める。)何
        故そんな嬉しそうな顔をするの・・・?」
  クルト「どうして?君は嬉しくないのかい?」
  キャシー「嬉しいわ!!だって私が自分の為に集めてる石の4
        つ目が手に入って、嬉しくない訳がないじゃない!!
        けど、関係のないあなたは、何故そんな嬉しそうな顔
        をするの・・・?」
  クルト「友達の願いが、もう直ぐ叶うからに決まってるだろ?」
  キャシー「・・・友達・・・?」
  クルト「うん!僕たち、もう友達じゃないか!!」
  キャシー「(呆然とクルトを見詰める。)・・・クルト・・・」
  クルト「やっと、ちゃんと名前を呼んでくれた!」

         キャシー、仕舞ったと言った顔をする。

  クルトキャシー、変なこと聞くんだな。(笑う。)」
  キャシー「だって・・・友達なんて・・・友達なんて皆口ばっかり!
        !・・・クルト・・・本当に嬉しそうに笑うんだもの・・・」
  クルト「(微笑む。)さぁ、キャシー!残るはいよいよ最後の一つ
      だ!!」
  キャシー「(頷く。ポケットから出した袋に、石を入れながら。)も
        う直ぐ帰れるのね、私!!さぁ一体、木の精はどこに
        いるの!?」
  クルト「(ニコニコしてキャシーを見詰めたまま。)・・・えっと・・・ど
      こにいるって・・・?」
  キャシー「ええ!!こんなに木が沢山ある森の中だもの、直ぐ
        に会えそうだけど!!(笑う。)」
  クルト「・・・それが・・・」
  キャシー「それが?」
  クルト「僕も、木の精にだけは未だ嘗て、お目にかかったことが
      ないんだ・・・」
  キャシー「えーっ!!会ったことがないって、どう言うこと!?あ
        なた、ここにずっと住んでるんでしょ!?5人の妖精は
        この森の守り神だって、あなたが言ったんじゃない!!
        」
  クルト「そうだけど・・・木の精だけは、いつも姿を見せないから
      ・・・」
  キャシー「本当に木の精なんているの!?」
  クルト「勿論さ!!森の一番奥深くの、樹齢何百年もの大木に
      宿る精霊だって、聞いたことがあるけど・・・」
  キャシー「長老が一番長生きしてるんじゃないの?」
  クルト「そうだ、長老に聞いてみよう!!長老!!長老!!」

         クルト、長老を呼びながら捜し回るように
         キョロキョロする。
  
  
        






  ――――― “キャシーの森(原作)”4へつづく ―――――











    ※ この“感動したこと”、人形劇脚本とは内容が若干
      変わっていると思います^^;・・・こちらの方が勿論、
      先に書いているので、人形劇の方が変わったのです
      が、キャシーさん、何に一体感動したと言っていたか、
      ピクルス云々くらいしか記憶ありませんでした~^_^;

    ※2、舞台のキャシーさんは妹たちのいるお姉さん、人形
      劇のキャシーさんは弟たちのいるお姉さんでしたね^^;




 ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪


    (どら余談・・・(T_T))

    以前、皆さんにも写真をご覧頂いた、3年近く我が家の家族
    として同居していたロボロフスキーハムスターのロボちゃん
    が亡くなってしまいました・・・;_;
    ついこの間まで元気に走り回っていたのに・・・とっても・・・
    淋しいです・・・(;_;)
   












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“藤川信次” ―全8場― エンディング

2012年10月05日 20時52分32秒 | 未発表脚本


  葵「だってそうでしょ・・・。今までただの一度だって、私を一人に
    しなかった時はないでしょ・・・。その度、私は待ったわ・・・い
    つも、いつもあなたが来るのを・・・」

         葵、歌う。

         “どうしようもない人・・・
         どうしようもない仕事人間・・・
         このまま付き合ってて
         私は幸せになれるのかしら・・・
         私の未来は明るく輝いている?”

  悠矢「勿論さ!!結婚しよう、葵!!僕と一緒に・・・」
  葵「あなたと結婚すれば、幸せになれるの!?嘘よ・・・そんな
    こと・・・。副社長と同じように・・・あなたもその内、家庭を顧
    みることがなくなるわ・・・。」
  悠矢「あの人は・・・確かに仕事人間だった、それは認める・・・。
     家庭や母さん・・・そして僕を犠牲にしたことも、一度や二
     度ではない・・・。母さんが入院した時でさえ、あの人はた
     だの一度も顔を見せなかったんだ・・・。だけど・・・僕が、あ
     の人の後を受け継いで、同じ道を歩もうとしている今・・・
     漸く、あの人の気持ちがほんの少しだけ、理解出来るよう
     な気がする・・・。一生懸命になれるのは、愛する者がいた
     からだ・・・。一生懸命が格好悪いなんて、あの人には無縁
     の言葉だった・・・。ただ、あの人の愛情表現はとても不器
     用だったから・・・僕たちは思い違いを沢山したけれど・・・
     あの人はあの人なりの・・・精一杯で、僕たちを包んでいて
     くれた・・・。それを一番よく分かっていたのは母さんだった
     よ・・・。」
  葵「分かっていても・・・それがお母様の望んだ幸せだったのか
    しら・・・。いつもいつも待ちぼうけ・・・そんな理解し難い愛情
    で、お母様は満足してた?」
  悠矢「母さんは・・・幸せだったよ・・・たとえ父さんがいつも側に
     いなくても・・・何故なら・・・」

         暗転。

    ――――― 第 8 場 ――――― B

         舞台、薄明るくなる。と、2場の病室。

  秋「(信次の手を取り。)・・・あなた・・・聞こえる・・・?もう一度だ
    け目を開けて・・・。あなた・・・私よ・・・お願・・・い・・・」

         その時、信次ゆっくり目を開く。

  信次「・・・秋・・・」
  秋「あなた・・・?」
  信次「・・・心配かけて・・・」
  秋「本当よ・・・どれ程、心配したか・・・」
  信次「・・・今日の・・・記念日・・・30回目の・・・結婚記念日・・・」
  秋「(驚いたように、そして嬉しそうに微笑む。)・・・知ってた・・・
    の・・・?」
  信次「・・・折角のパーティ・・・すまない・・・」
  秋「・・・いいのよ・・・あなたが覚えていてくれただけで・・・」
  信次「・・・君に・・・伝えたい言葉は・・・山のようにある・・・だが
     ・・・何をどう言えば・・・ずっと・・・愛していたよ・・・君と・・・
     悠矢を・・・これからも・・・愛している・・・よ・・・」
  秋「・・・私にも言わせて・・・今度、生まれ変わっても・・・また・・・
    あなたと一緒になりたいわ・・・愛してる・・・」

         フェード・アウト。
         
    ――――― 第 8 場 ――――― C

         一時置いて、舞台明るくなる。と、前場。
         悠矢と葵、佇む。

  葵「・・・ごめんなさい・・・私・・・副社長のこと・・・」
  悠矢「僕だって・・・母さんに、あの人の最後を聞かされるまで・・・
     父さんのことを誤解してた・・・。(箱を差し出す。)」
  葵「(箱を受け取り開ける。と、婚約指輪。嬉しそうに。)・・・普通
    ・・・こう言うものは、男性から女性の指にはめてあげるもの
    よ・・・。」
  悠矢「ああ・・・そうだね・・・。(指輪を葵の指にはめる。)」

         悠矢、歌う。

         “これから続く未来への道は・・・
         ただの平坦なアスファルトだけとは
         限らない・・・
         ゴツゴツと石が転がる砂利道かも・・・
         山道の急な登り坂が続いたり・・・
         それは下りもあるだろう・・・
         だけど2人でなら
         歩き続けることが出来る筈・・・
         立ち止まることなく・・・”

         葵、歌う。

         “いつか到着するその場所へ
         辿り着いたその時に・・・”

  葵「・・・私もあなたのお母様のように、今度生まれ変わっても・・・
    またあなたと一緒になりたい・・・そう心から言えるかしら・・・
    ?」
  悠矢「・・・ああ・・・僕が必ず君に・・・その台詞をプレゼントする
     と約束する・・・。」
  葵「悠矢・・・」

         悠矢、歌う。

         “だから心を預けて・・・
         不安があれば共に考えよう・・・
         不満があれば思い遣りを持とう・・・
         不実はしない神かけて・・・”

  悠矢「だから僕を信じて、ついて来て欲しい・・・」

         葵、歌う。

         “心に沁みるわ 
         あなたの台詞・・・
         もう迷わないわ何も・・・
         あなたのこと信じるわ強く・・・
         私・・・
         幸せになれる・・・”

         悠矢、葵、嬉しそうに手を取り合い、
         見詰め合う。
         そこへ、悠矢、葵の様子を見ていたように
         上手より、天使登場。歌う。

         “人間なんて分からない・・・
         何が望みか分からない・・・
         だけどきっと誰もが同じ
         幸せを求める・・・
         その思いは同じ筈・・・”

         舞台後方(紗幕後ろ、シルエット。)に、
         悠矢、葵、2人に重なるように、
         手を取り合った信次と秋、浮かび上がる。

  信次の声「僕について来てくれて、ありがとう・・・」


  
    





         ――――― 幕 ―――――










    それではここで、次回掲載作品の紹介をしておきたいと
   思います(^_^)v

   次回は、天使と悪魔的な善と悪を題材にしたお話し・・・
   (書き上げは、今回の信次さんの次に、ノートに書きなぐり
   状態で放っておいたものなので、同じような頃かと・・・)
   “アトラス”をご覧頂きたいと思います(^_^)
   お楽しみに・・・♪








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“キャシーの森(原作)” ―全6場― 2

2012年10月04日 19時20分11秒 | 脚本


  花の妖精「(微笑んで。)よかったわね。」
  クルト「うん!花の精のお陰さ!」
  花の妖精「いいのよ。それより小鳥さん、私の花園に何か御用
        かしら?」
  クルト「そうだ!キャシー!」

         その辺の様子を見回していたキャシー、
         クルトの呼びかけに振り返る。

  キャシー「やっととれたの?」
  花の妖精「あなた、小鳥さんのお友達?随分冷たいのね。小鳥
        さん、もう少しで蜘蛛さんに食べられてしまうところだ
        ったのよ?」
  キャシー「友達じゃないわ。私の案内係りよ。“フルト”って言うの
        。(悪戯っぽく舌を出す。)」
  クルト「違う!!僕はクルト!!」
  花の妖精「まぁ・・・(呆れたように。)それで、一体何の案内をし
        てもらってるのかしら?」
  キャシー「願いを叶える石を集める為に、5人の妖精に会うの、
        私!」
  花の妖精「私の石が欲しいのね?」
  キャシー「じゃあ、あなたが5人の妖精の一人?」
  花の妖精「花の精よ。」
  キャシー「私、石が欲しいの!!」
  花の妖精「そう・・・。でも、直ぐにあげる訳にはいかないわ。」
  キャシー「何故よ!?沢山持ってるんでしょ!?一つくらい私に
        くれたって構わないじゃない!」
  花の妖精「質問に答えて!そうすれば、私の石をあなたにあげ
        てもいいわ。」
  キャシー「・・・質問・・・?質問って何よ・・・」
  花の妖精「あなたの大切なものは何?」
  キャシー「大切なもの?」
  花の妖精「ええ。あなたが本当に大事にしたいもの・・・。さぁ答
        えて!」
  キャシー「そんなの一杯あるわよ!!私の大切なものは・・・」

         キャシー、答えるように歌う。

         “大切なもの・・・
         この間 買ってもらったピンクのワンピース”

  花の妖精「駄々捏ねてね!」

         “クラスメイトに貰ったオレンジの香りの消しゴム”

  花の妖精「貰った?取り上げたんでしょ?」

         キャシー、花の妖精を睨む。

         “妹が捨てた花柄のリボン
         私の髪にピッタリ”

  花の妖精「捨てたんじゃないわ。置いてあっただけ!」

         “学校の帰り道で拾った1ドル”

  花の妖精「目の前で探してた人に、気付いてた筈よ。」
  キャシー「知らなかったわよ!おばあさんのことなんて!あ・・・
        (仕舞ったと言う風な顔付きになる。)」
  花の妖精「そう、おばあさん・・・1ドル足りなくて、電車に乗れな
        いって困ってたのよね・・・?」
  キャシー「あれは!!」

         花の妖精、歌う。

         “あなたにとって大切なもの
         形あるくだらないものばかりね
         もっと他に何かないの?”

  キャシー「・・・他に何があるって言うの?」

         “心に手を当ててよく考えて
         それに気付いた時
         ただの石は魔法の石にかわるの”

  キャシー「どう言うこと・・・?」

         花の妖精、キャシーに近寄り、自分が持って
         いた石をキャシーに手渡す。

  キャシー「(その石を見て。)・・・ただのその辺に転がってる石じ
        ゃない・・・」

         “あなたが冷たい心なら
         何時までも冷たい石・・・
         あなたが暗い心なら
         何時までたっても黒い石・・・
         あなた次第で
         どんな風にも変わる石・・・”       ※

  花の妖精「これを持って行きなさい。但し今のままのあなたじゃ、
        たとえ5つの石が集まったところで、願いが叶うとも思
        えないけど・・・。(微笑む。)」

         キャシー、怪訝そうな面持ちで、優しく微笑む
         花の妖精を見詰める。
         フェード・アウト。

    ――――― 第 3 場 ―――――       ※2

         風の吹き荒れる音、大地が地響きを立てて
         揺れる音が、轟くように交互に聞こえる。
         フェード・インする。と、森の中。
         風の精と大地の精、向き合うように立ち、お互
         いを睨み付けたまま、力自慢に興じている。

  風の精「そら!!(風が吹き抜ける音。)」
  大地の精「おっと・・・(その風に一瞬、身体がよろけるように。)
        やるな!!(足を踏み鳴らすと、地鳴りがする。)どう
        だ!!」
  風の精「(ふらつく。)おっとっとっと・・・」
  大地の精「俺様の大地を揺るがすこの地響きの前じゃ、そのひ
        ょろっちい身体なんか立つことも出来ないぜ!!(声
        を上げて笑う。)」
  風の精「貴様こそ、俺の嵐を呼ぶ大風の前に、両足踏ん張った
       ところで何時まで持ち堪えられるかな!?(笑う。)」
  2人「やるか!!」

         暴風と地鳴りの音。
         その時、下手より出たキャシー、風と大地
         の揺れに、身体をよろけさせてフラフラする。
         続いてクルト出る。        ※3

  キャシー「キャアッ!!」
  クルト「キャシー・・・!!(フラフラして倒れる。)」
  キャシー「なんなの、ここ!!」
  クルト「ちょっ・・・ちょっと・・・風の精!!大地の精!!」

         風の精、大地の精、2人に気付きながら、
         知らん顔して力自慢を繰り返している。
         その間でキャシー、クルト、ヨロヨロしている。
         風の精、大地の精、そんな2人の様子に、
         声を上げて笑う。

  クルト「・・・いい加減に・・・止めろよ!!」

         キャシー、クルトを見る。

  大地の精「なんだ?」
  風の精「ただの小鳥のくせに!!」
  クルト「あ・・・立つことも出来なくて危ないから・・・」
  大地の精「おまえ達が勝手に2人の間に割り込んで来たんじゃ
        ないか!!」
  風の精「それとも俺たちに挑戦でもする気か!?」
  クルト「・・・いや・・・あの・・・」
  大地の精「おまえは何が出来るんだ!?」
  風「立つものを脅えさす強い風か!?」
  大地の精「それとも大地を揺るがす怪力か!?」
  2人「何で俺たちに対抗するんだ!!」
  風の精「受けて立つぜ!!」
  大地の精「喜んで!!」
  キャシー「待って!!ハルトはただの小鳥よ!!あなたたちの
       ように、力自慢出来る訳ないじゃない!!」
  クルト「ハル・・・?僕は・・・!!」
  大地の精「じゃあ、おまえが代わりにやるのか!?」
  風の精「OK!!いつでもいいぜ!!」
  キャシー「私は人間よ!!どうして、あなたたちと力自慢しなき
       ゃいけないの!?」
  大地の精「じゃあ矢っ張り、そっちの小鳥が相手か!?」
  キャシー「そうね・・・それがいいわ!!」
  クルト「キャシー!!」
  キャシー「私の分まで頑張って頂戴!」
  クルト「そんな・・・キャシー・・・僕は!!」
  キャシー「男でしょ!?」
  風の精「さぁ、いつでもかかって来い!!」  
  大地の精「かかってこないなら、こっちから仕掛けるぞ!!」

         風の精は強い風を、大地の精は地響きを
         クルトの方へ向かって起こす。
         クルト、再びヨロヨロと。キャシー、その場に
         座り込んで、クルトの様子を暫く黙って見て
         いる。

  クルト「・・・や・・・止めてくれよ・・・あっ・・・危ないじゃないか・・・」

         風の精、大地の精、声を上げて笑う。
         キャシー、その様子に呆れた面持ちを
         する。

  キャシー「あなたたちって卑怯よ!!2人で寄ってたかって1羽
        の小鳥を苛めるなんて!!」
  風の精「(手を止めて、キャシーを見る。)俺たちが卑怯だって?
       」
  大地の精「こいつを苛めてるだって?」
  キャシー「だってそうじゃない!!ミルトには強い風を起こす力
        も、大地を揺るがす怪力もないのよ!?そんなの、単
        なる弱いもの苛めだわ!!」

         風の精、大地の精、顔を見合わせて笑う。

  風の精「おまえの口から弱いもの苛めなんて言葉が出るのは、
       全くお笑いだな。」
  大地の精「本当だ!!弱いもの苛めは、今まで散々おまえが
        クラスメイトにしてきたことだろう?」
  キャシー「ち・・・違うわよ・・・!!私がいつそんなこと!!」
  風の精「さぁね。」
  大地の精「それは自分が一番よく知っていることだろう?」
  キャシー「・・・もう!!愚図愚図言ってないで、今は私のことよ
        り、あなたたちのことでしょう!!力を競うなら、同じ
        ものを使って勝負しなさいよ!!」
  クルト「キャシー!!」
  2人「同じもの?」
  風の精「じゃあ、おまえは一体何を持ってるって言うんだ?」
  大地の精「それを使おうじゃないか!」
  風の精「早く言えよ!!」
  大地の精「何もないなら相撲でもするか!?」
  クルト「僕・・・そんな・・・」

         キャシー、横に落ちていた木の棒を
         拾って構える。    

  キャシー「(ニヤリと笑って。)私はこれで闘うわ!!フルとの代
        わりよ!!いざ、尋常に勝負しなさい!!」   ※4
  クルト「(オロオロして。)キャシー・・・!僕はフルトじゃなくって・・
      ・。」

         風の精、大地の精、呆気にとられたように
         キャシーを見るが、その様子を面白がる風
         に、2人顔を見合わせて笑う。

  風の精「面白い!!」
  大地の精「ならば俺たちも・・・!!」

         風の精、大地の精、側に落ちていた
         木の枝を拾って構える。
         3人、構えたまま睨み合う。
         その時、長老の笑い声が聞こえる。
         3人、構えを止めて周りを捜すように
         キョロキョロする。

  クルト「・・・長老?」

         上手より長老、ゆっくり登場。

  長老「えらく物騒なものを振り回しておるんじゃのう・・・。(笑う。)
      」
  クルト「長老!!」
  大地の精「長老!丁度いい!今からこいつと力自慢をやるとこ
        だったんだ!」
  風の精「審判してくれよ!」           ※5
  長老「また、おまえたちは力自慢などと馬鹿げたことをやっとっ
     たのか?」
  大地の精「馬鹿げたことじゃないぜ!!」
  風の精「この森の中で、本当の一番は誰かを決める為にやって
       るんだ!!」
  長老「一番が誰であったとしても、わしにはたいして変わりはな
     いと思うがのぉ・・・。誰が一番でも、この森はなんも変わら
     んて・・・。違うか?」
  クルト「一番は長老に決まってるじゃないか。」
  風の精「それはそうだけど!」
  大地の精「長老はもう年だし・・・そろそろ引退して森のことは俺
        たちに任せてもらって、ゆっくり隠居生活でも送っても
        らおうかな・・・って・・・な!」
  風の精「そうだよ!」
  長老「(笑う。)心配には及ばんわ。わしはまだまだ元気じゃ。そ
     れにわしは、確かにこの森で一番年は食っているが、一番
     力強くも、一番偉いとも思っとらん・・・。力強さで言えば、お
     まえたちの方が、ずっと上じゃろうて・・・。」
  クルト「うん、そうだよ!」
  長老「おまえたちは其々、風を操る者・・・大地を司る者・・・どち
     らもこの森には欠かすことの出来ない大切な力を持つ者た
     ちじゃ・・・。風の精は大地の精にないよさを・・・大地の精
     は風の精にないよさを持ち、2人揃って、より一層この森は
     誰にも住みよい、素晴らしいところになると思うがの・・・。」
  キャシー「(2人の精に。)もう!やるの?やらないの?」

         風の精、大地の精、顔を見合わす。
         其々、手に持っていた枝を放り投げる。

  風の精「止めた・・・」
  大地の精「俺も・・・」
  2人「帰る!!」

         風の精、大地の精、其々上手下手へ
         別々に行きかける。

  キャシー「なんだ・・・つまんないの・・・。そうだ、石・・・!!私、こ
        んなことしに来た訳じゃないのよ!!ちょっと!!あな
        たたち!!帰る前にあなたたちの持ってる石を頂戴!
        !」
  風の精「石・・・?」
  キャシー「願いを叶える石よ!!持ってるんでしょ!?」
  大地の精「ああ・・・」

         風の精、大地の精、キョロキョロと周りを
         見回して、その辺に落ちていた石を、
         其々拾いキャシーに差し出す。

  風の精「ほら・・・」
  キャシー「何・・・?」
  大地の精「これが欲しいんだろ?」
  キャシー「こんな、その辺に落ちてる石コロ、貰ったって、仕様が
        ないじゃない!!」
  風の精「けど、俺たち他に石なんて持ってないぜ。」
  大地の精「ああ・・・」
  キャシー「そんな・・・」

         風の精、大地の精、其々上手下手へ去る。





  


  ――――― “キャシーの森(原作)”3へつづく ―――――











   ※ この書き上げ当時は、まだ曲も決まっていないので、
     ここに書いてあるのは単なる“詞”であります。
     ここから劇団の方が曲を決められ、改めてその曲に
     合うように詞を書き直すので、公演された舞台の歌の
     歌詞とは若干変わっています^_^;

     人形劇では、曲決めも自分で出来る為、掲載歌詞と
     公演歌詞が変わることはありませんが・・・そのことが
     何故か嬉しい私です(^^)v

   ※2、人形劇では場面転換の時間が必要だった為、紗幕前
     での歌の場面が追加されてたと思います(^。^)

     最近の作品では、絵を見せたまま引き抜きで、場面転換
     したりするので、その為だけに紗幕を閉めて場面を増やす
     ようなことは、あまりしないですね^^;

   ※3、この場面、舞台では大きく動けるので、見せ方によって
     は迫力ある場面に仕上がるのですが、人形劇では画面が
     小さくなる為、単なるドタバタ場面にならないように、お人形
     の動かし方に、とっても気の使った場面でありました(>_<)

   ※4、“尋常に勝負”って・・・このキャシーさん、意外とお姉さん
     なのかも知れないですね・・・^^;

   ※5、人形劇の方の長老は、もっと登場と共に精たちが脅え
     るような存在だったと思うのですが、舞台の方の長老は、
     精たちに身近な、幾分フレンドリーな存在のようですね(゜゜)



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    (どら余談^^;)

    今日は練習日でした~(^_^)v
    仕上がった“J”のお人形・・・期待に違わず、と~っても
    重量感のあるものとなり、出ずっぱり・・・と言っても過言で
    ない“J”・・・練習だけで、腕がとっても疲れました~(>_<)
   









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