NHKの2月の「仕事学のすすめ」に林原グループの林原健社長が出演予定であったが,林原(岡山市,林原健社長)が,25日,私的整理手法の一つである事業再生ADR(裁判外紛争解決)手続きを申請したことから,放送は見合わせとなった。
林原の借入金総額は1000億円を超えるとみられる。中国銀行など取引金融機関に支払期限の延長などの金融支援を求めるもようである。
林原は食品の甘味料に使う「トレハロース」の量産で知られ,インターフェロンなど医薬品の製造にも力を入れている。単体の2010年10月期の売上高は280億円,純利益は1億円だった。
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▼「身の丈」を超える-無理な開発投資が業績悪化を招く
林原は食品原料や医薬品の製品化を,基礎研究の段階から手掛けているため,長期にわたり開発投資が先行する事業構造になっている。このため金融機関からの借り入れで資金調達を進めてきたが,景況悪化で保有する土地や有価証券の資産価値が劣化し,資産規模に対して債務が膨らむ状況に陥っていた。
中国銀では,体力以上の無理な開発投資を継続したことが経営悪化の主因とみいる。
事業再生ADRでは,申請企業がまとめた再生計画案を,債権を持つすべての金融機関が同意することで私的整理が成立する。林原の借入金総額は約1400億円。中国地方の金融機関では中国銀行のほか山陰合同銀行,広島銀行,鳥取銀行が貸し付けており,合算で約500億円にのぼる。
▼関連ブログ
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・「トレハロース」の林原支援-長瀬産業がスポンサー契約
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・「仕事学のすすめ」 林原 5 ー 今はむなしい・社長の言
・「仕事学のすすめ」今はむなしい4 社長の言
・NHK 林原番組お蔵入り3-司会・勝間和代氏のコメント
・NHK 「仕事学のすすめ」2月放送予定の林原・2-無理な開発投資で破綻
・NHK 「仕事学のすすめ」2月放送予定の林原・1-経営行き詰まる
「画像引用-長野市商工会議所だより」
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