報道によると,「和牛オーナー制度」を運営する安愚楽(あぐら)牧場(本社・栃木県那須塩原市)は,民事再生法の適用を東京地裁に申請しているが, 最終的には会社を存続させずに清算する方針である。 今月9日に東京地裁に提出された申請書によると、同社は、会社を清算する方針にもかかわらず、破産手続きではなく再生を目指す手続きを選んだのは「管理 する和牛14万6千頭の存命を優先する必要があるから」と説明。牛の飼育を約380の牧場で当面続けるには、えさを取引先から購入したり、従業員を雇い続 けたりする必要があることを挙げ、「様々な混乱を回避するため」としている。
同社が申し立てた負債額は4330億円で,約7万3千人のオーナーには出資額の10分の1 以下しか返せない見込みとしている。なお,全国安愚楽牧場被害対策弁護団は,5000億円以上の被害規模が確実な情勢とみている。
申請書で同社は,オーナーら債権者への弁済については,同社や子会社が運営する牧場や食品加工事業,ホテル事業といった資産を売却した代金を充てる、と説明している。
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安愚楽牧場は全国の直営牧場約40か所のうち,九州・沖縄で21か所を運営。県別では,宮崎が15か所で最も多く,大分と鹿児島に各2か所,熊本と沖縄に各1か所ある。ほかに契約牧場も約130か所あるという。
飼育頭数(3月末)は全国の直営牧場で約7万3400頭、契約牧場で約7万1800頭であるが,この約半数が九州で飼育されているとみられ,地場畜産業への影響も懸念される。
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4300億円を超える負債が判明した和牛オーナー制度を運営する「安愚楽(あぐら)牧場」。全国安愚楽牧場被害対策弁護団(団長・紀藤正樹弁護士)は、違法な勧誘が行われていた可能性があるとして消費者庁に行政処分などを求め,「5000億円以上の被害規模が確実な情勢で,豊田商事事件を上回る戦後最大の消費者被害となる」と危機感を強める。
同社は経営が悪化した7月中旬,これまでより高利回りで新たなオーナーを勧誘しており,被害拡大につながったとみられる。
同弁護団が入手した7月19日付の「肥育牛売買コース」案内は,1頭48万円で契約すると、6か月後に牛が60万円(2010年度の平均価格)で売却で きた場合,飼育の委託費8万円を差し引いた52万円が受け取れると勧誘していた。半年で8%を超える利回りで,売却価格が60万円を下回れば,委託費は同社が負担するとしている。 (出典:2011年8月16日 読売新聞)
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帝国データバンク福岡支店によると、安愚楽牧場は全国の直営牧場約40か所のうち、九州・沖縄で21か所を展開。県別では、宮崎が15か所で最も多く、大分と鹿児島に各2か所、熊本と沖縄に各1か所ある。ほかに契約牧場も約130か所あるという。
飼育頭数(3月末)は全国の直営牧場で約7万3400頭、契約牧場で約7万1800頭に上るが、この約半数が九州で飼育されているとみられ、地場畜産業への影響も懸念される。
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安愚楽牧場の経営化悪化 -本当に福島第一原発事故の影響が経営悪化の主因か? 8/10
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