ジェリー藤尾さん(81歳)逝く 元妻と和解した最晩年 / 石坂浩二さん「また同世代が旅立ってしまい寂しい限り」/
追悼 ジェリー藤尾 遠くへ行きたい ピアノ 中村八大
歌手で俳優のジェリー藤尾さん(本名・藤尾薫紀=しげき)が8月14日,急性肺炎で死去した。81歳だった。
1940年,中国・上海で日本人の父と英国人の母の間に生まれ,46年日本に引き揚げ。本人によると,新宿では知らない者がいないほどの不良少年で,“中央線の鬼”との異名をつけられ愚連隊の用心棒を務めた時期もあった。「新宿に行って勝ちまくった」と武勇伝を語ることもあったという。
1961年にレコードデビューし,NHKの紅白歌合戦に初出場。62年,同局の人気番組「夢であいましょう」で発表した「遠くへ行きたい」が大ヒットした。
俳優としても,黒澤明監督の「用心棒」に出演するなど映画やテレビで活躍。2019年にはテレビ朝日系のドラマ「やすらぎの刻(とき)~道」に出演した。
「やすらぎの刻~道」で15年ぶりドラマ出演
64年に結婚した妻・渡辺トモコ(現・友子)さんとは,86年に離婚。元妻の渡辺さんは藤尾さんの死に際してコメントを発表。今年3月に藤尾さんと再会して「ママ、愛してるよ」と言われ,週に2回は会い,一緒に昔の歌番組や時代劇を見たことを明かしている。「とにかく憎み合ってではなく,仲直りしてお別れできたことが2人にとって一番の幸せでした」とコメントを結んでいる。
共演の石坂浩二さん 「また同世代が旅立ってしまい寂しい限り」ジェリー藤尾さん悼む
2019年放送のテレビ朝日系ドラマ「」で共演した石坂浩二(80)さんは,「若い時に何度かご一緒させていただき、久々にテレビ朝日『やすらぎの刻~道』の撮影でお会いしました。昔とかわらずまだまだお元気そうで、歌声も素晴らしかったので、突然の知らせにびっくりしています。また同世代が旅立ってしまい寂しい限りです。心よりご冥福をお祈り申し上げます」と偲ぶ言葉。