天才 田中角栄氏を見つめ直す ⑨逃げない
田中角栄氏の総理大臣辞任のきっかけは、雑誌「文藝春秋」1974年11月号の「田中角栄とその金脈と人脈」、「寂しき越山会女王」の特集に端を発しました。この記事が出た直後の10月12日、田中氏は外国人記者クラブの要請に応じ、記者会見に臨んでいます。
記者たちは、「文春の記事を正しいと認めるか」「財産を公開しないのか」「税の申告は正しかったとするなら、その裏ガネはどのようにつくられるのか」と迫っています。-田中氏は必死に弁明しましたが、所詮納得をうることはできませんでした。
田中氏は、この記者会見により窮地に追い込まれるであろうことは、予想されたたにも関わらず、政治家の責任として応じたのでありましょう。政治家としてのプライド,さらには真摯な姿勢の現れとも受け取れます。
それに較べ,言を左右に逃げ回るいまの政治家がいかにスケールがちいさいことか。田中角栄の魅力が巨きく映ります。
>>>いまの政治家の行状はというと・・・・・逃げの一手
◆Y衆院議員 18歳女性と飲酒、波紋広がる 2022.6.12
今年6月,Y衆院議員(衆院比例東海)が18歳の女子大生に飲酒させた上、ホテルでともに過ごし、現金4万円を支払ったなどと、週刊誌が報じました。
Y氏は雲隠れし,直後の衆院本会議も欠席,公には弁明していません。静岡県連のS会長(衆院静岡7区)はこの事態に「極めて遺憾」と述べ、「離党したとしても、本人にしっかりと説明責任を果たしてもらうことが必要になる」としています。
◆細田衆院議長 旧統一教会めぐる詳しい説明せず
細田議長は、旧統一教会との関係を認めるコメントを発表したものの、野党側から不十分などと指摘され、さらに詳しい説明を行う意向を示してはいましたが,会見には応じていません。
◆山際大志郎経済再生担当相 旧統一教会との接点,次々と判明
山際大志郎経済再生担当相(衆院神奈川18区)は,第2次岸田改造内閣の留任後、外部からの指摘で旧統一教会との接点が次々と判明する事態となっています。
◆ 岸田首相、旧統一教会問題 「説明責任果たす」姿勢遠く…
岸田文雄首相は今月3日の所信表明演説で「説明責任を果たす」「厳しい意見を聞く」としながらも,首相から踏み込んだ説明や追加調査を指示するといった発言はなく「点検や公表の方法は党で検討を続けている」とし,各自が「政治家として自らの責任で説明を尽くす必要がある」と,説明責任は丸投げです。