庶民宰相と呼ばれて国民の絶大な支持を集め、晩年はロッキード事件の被告との批判を浴びた田中角栄氏。没から30年近い時間が過ぎたのに、角栄人気は根強いものがあります。
田中氏の足跡をたどり、そこから「持続可能な社会づくり」に通じるヒントを探ります。
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元首相・宮澤喜一氏は、「田中さんは天才的な発想ができる人だった。役人出身の私たちとは発想が違っていた。どの登山口から登ろうが、富士山の頂上に行ってしまうようなところがあった」と評しています。
元社会党委員長・村山富市氏は、「戦後日本をリードした保守政治家の代表で、社会党にとっては大きな政敵だったが、日中国交回復に尽力するなど共感できることもあった。一方で、金権腐敗を拡大した人物であり、戦後日本の光と影″を象徴している人物だった」と語っています。
このふたりの見方は、田中氏の“光と影”を見事に言い当てていると、昭和史研究家の保坂正康氏は論じています。
出典:『田中角栄の昭和』保坂正康 p3~p4 朝日新聞出版:刊
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田中氏を表現する言葉は数あまたあります。
馬喰(ばくろう)の倅、角どん、天才、昭和の藤吉郎、今太閤、角さん、オヤジ、田中先生、大センセイ、コンピューター付きブルドーザー、大ぼらふき、陽気な大悪党、梟雄(きょうゆう)、乱世の雄、裏日本のロビンフッド、永田町のカサノバ、小菅の塀の上を歩く男、金権政治の権化、目白の闇将軍、果断な宰相、孤独な独裁者……。
どれもが、田中氏の一面をとらえた言葉であり、田中氏のスケールの大きさの象徴でありましょう。
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