イズミ(広島市)が公表の http://www.izumi.co.jp/c の2018年3月から3年間の中期経営計画によると,出店は広島,福岡,熊本の3県を重点地域とし,小規模の「ゆめマート」や「ゆめモール」が中心とする。
◆スーパーマーケット事業の確立で九州制覇戦略
出典:「激流」2019年9月号 30~31ページ (国際商業出版発行)
イズミが取り組む経営課題の一つにスーパーマーケット(SM)事業の確立がある。イズミのSMは、本体が展開する「ゆめマート」が37店。この他買収した子会社4社(ユアーズ、デイリーマート、ゆめマート北九州、ゆめマート熊本)の店舗が約90店あるが、本体のゆめマートも,まだ顧客の客様の評価を十分得られていない状況にある。
その最大の要因は、MDも販促も総合スーパー,ショッピングセンター業態の「ゆめタウン」の縮小版になっていたことにある。そこでゆめタウンは「千客万来」,ゆめマートは 「一客再来」 の業態と明確に定義し、今年3月からゆめタウンとは完全に分けて運営する体制に移行。また地域のニーズによりきめ細かく対応するため、従来の中四国、九州の2事業部を12事業部に細分化。さらに事業部長の下にスーパーバイザーを置き、現場の声に迅速に対応できる体制も整えた。
イズミが目指すのは、ゆめタウンの間をゆめマートで埋めていき、西日本全体で圧倒的な地域集中出店(ドミナント)を形成することにある。2018年度スタートの中期3力年計画で、それが可能なSMの組織、仕組みをしっかり作り上げ、子会社にも移植していくという。
SMのレベルを引き上げるため、昨年4月に業務提携したセブン&アイHD傘下のヨークベニマルに研修に行かせることもしている。店舗で挨拶の仕方から学んでいるという。セブン&アイとは商品面でも取り組みが始まっており、すでにイトーヨーカ堂と共同でランドセルを開発。今期はそれを食品にも広げる予定である。
イズミは中計最終年度の20年度に「営業収益9000億円、営業利益率6%」(18年度見込み7436億円,4.7%)を達成する目標を掲げている。そのため3年で40店を出店する計画だが、昨年度は5店、今期も福山とゆめマート4店の予定で、目標達成にM&Aは不可欠。フジと提携したイオンの動きを観察しつつ,今期イズミの攻勢が強まるのは必至であろう。
月刊激流2019年08月号[食品スーパー20社の経営戦略/主要チェーン101社の経営考課表〕 | |
特集 景気減速下で消費増税を迎える 食品スーパー20社の経営戦略 ●アークス (北海道・札幌市) ・統合をにらみ生鮮食品の地域性を 一段と強化 ●マックスバリュ北海道 (北海道・札幌市) ・統合をにらみ生鮮食品の地域性を一段と強化 ●コープさっぽろ (北海道・札幌市) ・店舗事業は現状維持、届けるサービスは 収益化を推進 ●ヤマザワ (山.. |
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国際商業出版発行 980円 |
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大型商業施設「ゆめタウン」を展開しているイズミ(広島市) http://www.izumi.co.jp/c は2018年3月から3年間の中期経営計画を公表している。
イズミの中期経営計画によると,出店は広島、福岡、熊本の3県を重点地域とし、小規模の「ゆめマート」や「ゆめモール」が中心という。同業者の合併・買収(M&A)も積極的に推進し、今年4月に開設した東京事務所などでテナント開発も強化していく。ITへの投資なども含め成長戦略に年平均200億円を投資する。
売上高の目標は21年2月期に9千億円(17年2月期比28%増)。23年2月期には売上高1兆円を目指すとする。
⇒⇒ イズミ ⇒ 中期経営計画策定のお知らせ ⇒ http://www.izumi.co.jp/corp/ir/pdf/2017/1010news_02.pdf
I.中期経営計画の概要
(1)対象期間:平成30年3月から平成33年2月までの3ヵ年計画
(2)経営ビジョン:「日本一の高質リージョナル総合スーパーを目指す」
○お客様満足度No.1を目指す
○ドミナントに特化し、地域から愛される企業を目指す
○高能率・高収益・高賃金企業を目指す
(3)中期経営計画 重点戦略
①成長戦略
・新規出店の加速:ドミナントの強化、SM・NSC店舗の出店増加
・M&Aの積極推進:有力小売業との提携、課題を抱える企業の支援、及び再生
・新規事業の推進:フランチャイズ事業、Eコマース事業への取り組み
②競争力の強化
・店舗の付加価値向上:常に新しいニーズに対応した店舗開発とリニューアルを実行
・“いいものを安く”の実現品質鮮度の向上、新たな産地開発の取り組み
・マーケティングの強化ゆめカードの拡充、ソーシャルメディアの活用
・テナントの強化:地域ニーズの反映と全国からの新しいテナントの開拓
・コスト削減:グループ全体としてのスケールメリットの追求
③人材育成
・能力開発:全階層への能力開発強化、教育投資額の拡大
・働き方改革:ワークライフバランスの改善と従業員満足度の向上
・女性管理職の育成:子育て支援、女性の意欲・能力の向上
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◆企業概要-イズミ
「ゆめタウン」を展開しているイズミは,広島を本拠地に中国・四国,九州に進出している小売企業である。設立は1961年で, 現在はスーパーマーケット「イズミ」「ゆめマート」とショッピングセンター「ゆめタウン」を主力店舗としている。食料品,衣料品,住居関連品はもとより, 子ども関連商品やスポーツ衣料、医薬品などの品揃えの強化を図っている。
本 社 所 在 地: 広島市東区二葉の里3丁目3番1号
資 本 金:196億1,385万円
設 立:1961年10月27日
従 業 員 数:正社員2,475名
パートタイマー:4,568名(1日8時間換算) 〔2013.2.28現在〕
店 舗 数: 102店舗(エクセル単独店舗14店舗含む)
店 舗 地 域: 広島県,岡山県,山口県,島根県,福岡県,佐賀県,大分県,長崎県,熊本県,兵庫県,香川県,徳島県,他