>>> 九州電力 川内原発運転継続に理解求める
川内原子力発電所がある鹿児島県薩摩川内市では,年に4回,原発の安全対策について、住民や自治体の代表と九州電力の担当者が意見を交わす協議会を開いている。17日,薩摩川内市で開かれた熊本地震の発生のあと初めての協議会で,九州電力は一連の熊本地震の揺れは原発の運転を停止する基準を大きく下回っているとして,運転の継続に住民の理解を求めた。
この中で九州電力の担当者は一連の地震で川内原発で観測された揺れの加速度は最大8.6ガルで原発を自動停止する基準として原子力規制委員会の審査で認め られた160ガルを大きく下回っているうえ,川内原発は硬い岩盤の上に建てられていることを説明しながら運転の継続に理解を求めた。
この中で九州電力の担当者は一連の地震で川内原発で観測された揺れの加速度は最大8.6ガルで原発を自動停止する基準として原子力規制委員会の審査で認め られた160ガルを大きく下回っているうえ,川内原発は硬い岩盤の上に建てられていることを説明しながら運転の継続に理解を求めた。
>>>「ご都合主義」「工期優先」 九電方針に反原発団体が批判
九電は、東京電力福島第1原発事故で免震重要棟が事故対応の前線基地となったことを踏まえて免震棟を建設する方針だったが、計画を変更。玄海町役場を訪れた今村博信玄海原発所長は「耐震構造なら免震より2年ほど早く完成する。免震でも耐震でも、しっかりしたものをつくれば問題ない」と説明した。
これに対し、同町の住民団体「玄海原発対策住民会議」の藤浦晧会長(79)は「最初は免震の方が安全性が高いとアピールしていたはずだ。早い再稼働に向 けた九電のご都合主義だ」と指摘。玄海原発の運転差し止めなどを求める「原発なくそう!九州玄海訴訟」の長谷川照原告団長(77)も「最初に言ったことを ころっと変えるのは住民をばかにしている」と憤った。
「玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会」は近く、九電への抗議を予定する。石丸初美代表(64)は「熊本地震もあって地震への脅威を強く感じる今、安全より工期の早さを優先させる姿勢は納得できない」と語った
出典: 西日本新聞経済電子版 2016年05月18日 03時00分
玄海原発で重大事故が起きた場合の対策拠点を巡り、九州電力が17日、免震構造ではなく耐震構造で建設する方針を示したことについて、県内の反原発団体からは批判の声が相次いだ。九電は、東京電力福島第1原発事故で免震重要棟が事故対応の前線基地となったことを踏まえて免震棟を建設する方針だったが、計画を変更。玄海町役場を訪れた今村博信玄海原発所長は「耐震構造なら免震より2年ほど早く完成する。免震でも耐震でも、しっかりしたものをつくれば問題ない」と説明した。
これに対し、同町の住民団体「玄海原発対策住民会議」の藤浦晧会長(79)は「最初は免震の方が安全性が高いとアピールしていたはずだ。早い再稼働に向 けた九電のご都合主義だ」と指摘。玄海原発の運転差し止めなどを求める「原発なくそう!九州玄海訴訟」の長谷川照原告団長(77)も「最初に言ったことを ころっと変えるのは住民をばかにしている」と憤った。
「玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会」は近く、九電への抗議を予定する。石丸初美代表(64)は「熊本地震もあって地震への脅威を強く感じる今、安全より工期の早さを優先させる姿勢は納得できない」と語った
>>>鹿児島知事 「川内原発周辺で熊本地震のような地震は起きない」-「川内原発避難計画見直す必要ない」
熊本地震を受け,全国で唯一稼働する九州電力川内原発(鹿児島県薩摩川内市)の安全性に不安の声が上がっていることについて,鹿児島県の伊藤祐一郎知事は,今月13日の定例記者会見で「川内原発周辺で熊本地震のような地震は起きない。文献上,地震が頻発する断層がなく,緊急性は感じなくていい」と述べ,運転停止 や事故に備えた避難計画見直しは不要との見解を示した。
伊藤知事は,運転継続を認める理由に「原子力規制委員会が『停止する必要はない』と明確に言っている」ことも挙げ,「何かあれば自動停止するので,福島第1原発みたいな事故が発生する可能性はほとんどない」とした。
熊本地震では,自宅倒壊で車中泊を余儀なくされる人が相次いだ。川内原発で重大事故が起きた場合の避難計画では,5キロ以遠の住民はまず屋内退避することになっていることから,原発事故と大地震との複合災害発生の場合,避難計画の実効性が疑問視されている。