明治日本の産業革命遺産 世界文化遺産へ登録するよう勧告
報道によると,政府は4日,幕末から明治期の日本の急速な近代化を示す「明治日本の産業革命遺産 九州・山口と関連地域」(福岡,佐賀,長崎,熊本,鹿児島,山口,岩手,静岡の8県)について,国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関が,名称を「明治日本の産業革命遺産 製鉄・鉄鋼、造船、石炭産業」に変更した上で世界文化遺産に登録するよう勧告したと発表した。勧告では,鹿児島市の旧集成館や,長崎県の端島炭鉱(軍艦島)など,23の資産すべてが認められている。
ドイツ・ボンで7月3~6日に開かれる世界遺産委員会で登録の可否を審査し,正式決定する。登録されると,昨年の「富岡製糸場と絹産業遺産群」(群馬 県)に続き,日本の世界文化遺産は計15件となる。「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」(長崎、熊本県)は来年、登録審査を受ける。
>>>島津斉彬とその功績- 「明治日本の産業革命遺産」に推薦の集成館事業
幕末の名君として知られ篤姫の養父に当たる,第28代薩摩藩藩主・島津斉彬(しまづ なりあきら 1809年9月28日~58年。若いころから曾祖父・ 島津重豪〔しげひで〕の薫陶をうけ,蘭〔らん〕学や西洋科学に深い造詣をもつ,先見性豊かな人物であった。藩主としての期間はわずか7年に過ぎなかたが,その政治的,科学的識見は後世に大きな影響を及ぼした。
斉彬は,新日本建設の理想をいだき,西洋文化の輸入に努めた。日本最初の近代工場ともいえる集成館事業では,洋式の軍艦や大船を建造し,紡績,硝子,陶器,その他各種の近代的産業に着目,富国強兵策に取り組んだ。
また,身分を問わず有能な若手人材に志を説き,小松帯刀,西郷隆盛,大久保利通といった人材を登用して維新回天の基礎を築いた。
1859年に死去の斉彬は,照国神社に祀られている。
維新の志士 島津斉彬拵えの模造刀(美術刀剣) 鞘が木製、亜鉛合金刀身【 美術刀剣 模造刀 ... |
>>> 集成館事業
斉彬が取り組んだた集成館事業は,「明治日本の産業革命遺産 「九州・山口と関連地域」の一つとして,国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界文化遺産に推薦されている。
◆集成館事業(しゅうせいかんじぎょう)
幕末の1851(嘉永4)年に第28代薩摩藩主に就いた島津斉彬(しまづなりあきら)は,欧米列強による植民地化を防ぐべく富国強兵を実践し,大砲鋳造 や造船を核とした様々な産業を興しました。これが集成館事業であり,その事業の核が,1865(慶応元)年竣工の集成館機械工場(現尚古集成館)である。こ こに大砲鋳造のための反射炉や,ガラス工場,鍛冶工場などが建造され,最盛期には1,200人もの人が働いていた。
なお,集成館事業は大砲製造や洋式帆船の建造,武器弾薬といった軍備分野だけでなく,食品製造,ガス灯の実験など,社会インフラの整備など幅広い分野に及んだ。
斉彬の死後,その遺志を引き継いだ,藩主島津忠義(しまづただよし)によって,1867(慶応3)年に集成館の西隣に日本初の洋式機械紡績工場である鹿児島紡績所が建設された。併せて,イギリス人技術者の宿舎として,鹿児島紡績所技師館が建設された。
集成館機械工場は,現在国の重要文化財に指定され,その内部は島津家に伝わる資料を展示する博物館「尚古集成館」(しょうこしゅうせいかん)として公開されている。いま集成館の跡地一帯は,国の史跡に指定されており,敷地内にある尚古集成館には斉彬を撮影した銀板写真(国重要文化財)を含む,集成館事業 に関する資料などが展示されている。
斉彬や忠義が取り組んだ集成館事業は,「明治日本の産業革命遺産 「九州・山口と関連地域」の一つとして,国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界文化遺産に推薦されている。
◆尚古集成館(しょうこしゅうせいかん 旧集成館機械工場)
鹿児島市吉野町9698-1
・TEL 099-247-1511
・入館料 大人 1,000円,子供 500円(仙巌園と共通券)
・開館時間 8時30分~17時30分(3/16~10/31) 8時30分~17時20分(11/1~3/15)
・休館日 年中無休
・アクセス 鹿児島から宮崎に走る国道10号沿い左側
・JR鹿児島中央駅から車20分 鹿児島空港から 車40分
バス:鹿児島シティービュー 仙巌園前(磯庭園前)下車徒歩1分
◆鹿児島紡績所技師館
鹿児島市吉野町9685-15
・入館料:一般200円,小中学生100円
・開館時間:8時30分~17時30分
・休館日:年中無休
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※photeの出所: 明治日本の産業革命遺産 九州・山口と関連地域
http://www.kyuyama.jp/index.html
http://www.kyuyama.jp/kyushuyamaguchi/ky_kagoshima_03.html
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