『withコロナ時代対応 「ケーススタディ」東信州に見る-東御・上田・坂城-元気な地域づくり』と題したレポートをブログとウエブサイトに,連載で掲載します。
現実的な実務に役立つ事例を紹介します。意のある所をおくみとり取りいただき,ご一読,ご批評頂ければ幸いです。
┏┓
┗■ 新コロナウイルスなんのその,「東御市,上田市,坂城町の3市町の地域パワー」
新コロナウイルス対応は,長期戦が避けられない状況にあります。また,コロナウイルス感染症がもたらす地域影響は一時的なものではなく,深く,永続的なものとなる可能性があります。現に人々の生活行動の変化,インバウンド需要の激減から,全国各地でサービス産業,流通業,観光産業は深刻なダメージを受けています。
こうした状況にあって東御市,上田市,坂城町の3市町エリアは,新コロナウイルス適応のエリアパワーを持ちます。その主な要因として次の10点が挙げられます。
1 競合を凌駕し,地域経済に貢献のナンバー1,オンリー1企業の複数社立地
2 地元企業の新規事業,企業の参入・進出,幹線道路や鉄道の開通
3 農業活性化の可能性を秘めるエリア
4 インバウンド需要に偏らない・頼らない観光産業
5 日本の良き伝統を今に残す歴史・風土
6 高等教育機関,研究機関の立地:信州大学繊維学部,公立長野大学
7 アクセスの良さ:北陸新幹線,しなの鉄道,上信越自動車道(インターチェンジ)
8 時代対応に失敗の貴重な体験:“世界の丸子”になるはずだった旧丸子町の衰退は,貴重な失敗事例
9 「東御・湯の丸高原スポーツ交流施設」は,withコロナ時代対応のブルーオーシャン
10 X(時代対応戦略)
▼
3回目の今回は,「2 新規事業開発,企業の参入・進出,大規模イベントの開催」を取り上げます。
2 地元企業の新規事業,企業の参入・進出,幹線道路や鉄道の開通
エリア内に立地する企業の新規事業への取り組みや,新たな企業の進出,経済面とともに住民のやる気を促すなど,地域に活力を生む源泉となります。
2-1 地元企業の新規事業
○しなの鉄道の新車両導入
東北信地方に延びるしなの鉄道(上田市)の路線に今夏,新型車両「SRl系」が登場しました。同社は,1997年の開業以来,旧
国鉄時代の1970後半~80年代前半に製造された車両「151系」を走らせてきたが,老朽化していました。新型車両による快速運行
で,集客力がある軽井沢地域から沿線地域への観光客の誘客が期待されます。
2-2 地域への企業進出・参入
○シャトー・メルシャン 椀子ワイナリー開場
ワイン大手のシャトー・メルシャンは2019年9月,上田市長瀬に「シャトー・メルシ
ャン 椀子ワイナリー」を開場。,東京ドーム
約6個分の広さがある広大なブドウ畑です。メルローやシャルドネ,シラーやソーヴィ
ニヨン・ブランなど,約8種類のブドウを垣根式で栽培しています。
2-3 幹線道路や鉄道の開通
○上田電鉄別所線 来年3月28日の全線運転再開
上田電鉄は、昨年10月の台風19号で千曲川に架る千曲川橋梁の橋けたと橋台の一部が崩落したため上田―城下間で運休している別所
線について,来年3月28日の全線運転再開を目指すとホームページで発表しました。別所線はJR上田駅と別所温泉駅を結び,観光
客や通学通勤者の足として年間約130万人が利用しています。