東海テレビ 「セシウムさん」問題 -岩手県産米に関する不適切なテロップを誤って流した事件の結末
http://tokai-tv.com/index.html" target="_blank">東海テレビ放送(名古屋市)がローカル情報番組「ぴーかんテレビ」で,岩手県産米のプレゼント当選者を「セシウムさん」などと誤って放送した問題は,“担当者のうっかりミス”の範疇をこえ,企業としての良識,社会性を問われる事件となった。
東海テレビ放送は4日,午前中に放送した情報番組「ぴーかんテレビ」で,視聴者プレゼントの「岩手県産ひとめぼれ」の当選者として「セシウムさん」「怪しいお米」などとの仮テロップを午前11時3分35秒から23秒間,放送してしまった。これは操作ミスだったとし,謝罪コメントを出し,スポンサーのJA岩手中央会に出向いて謝罪したが,これだけでは騒動は収まらず, 同局への抗議は1万件を超え、降板するスポンサー企業が続出。民放連は緊急対策委を開き、徹底追及の構えと,問題は拡大した。
◆「セシウムさん」作成者を解雇 東海テレビ社長、検証特番で謝罪
東海テレビ放送(http://tokai-tv.com/index.html名古屋市)は8月30日、情報番組で岩手県産米のプレゼント当選者を「セシウムさん」などと不適切なテロップで表示した問題について検証する番組「ぴーかんテレビ不適切放送 ~なぜ私たちは間違いを犯したのか~」を愛知、三重、岐阜の3県で放送した。
番組は午前9時55分から約1時間,CMなしで放送。冒頭で浅野碩也社長は,「岩手県をはじめとする全国の農業関係者や,必死に復興に取り組む被災地、視聴者のみなさまに深くおわびを申し上げる。言い訳のしようのない過ちを犯し,深く反省している」と謝罪。テロップを作成した外部スタッフが,所属会社から懲戒解雇されたことを明らかにした。
同番組が打ち切られた3県で放送されたが,東日本大震災の被災地を含めた全国で視聴できるよう放送終了後から約2週間,ホームページでも映像を配信する。
⇒⇒東海テレビのおわび公告 http://tokai-tv.com/owabi.html" target="_blank">「ぴーかんテレビ」に関する情報
検証番組はこちらからご覧いただけます。⇒⇒ http://mv3.tokai-tv.com/video/" target="_blank">http://mv3.tokai-tv.com/video/
◆「オンエアに出るとは…」 「セシウムさん」テロップ作成者が釈明
30日放送の検証番組でテロップを作った50代の外部スタッフ本人が出演し「オンエアに出るとは思わなかった」,と釈明した。
テロップを作った理由については,「前日の新聞に汚染(の報道)とかあり、その中でそういう言葉が頭に浮かんでパッと作ってしまった」「オンエアに出るとは思わず、思い付いたことを文章に入れてしまった」と語った。
プロ意識が欠けているとの指摘に対しては,「思い付き」だとし,番組関係者を困らせる意図もなかったとした。
出典:「産経新聞」 2011.8.30 11:55 http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110830/crm11083011570006-n1.htm
◆問題の本質-不謹慎テロップに,民放連会長は「社会意識の欠如に問題の根源」と指摘
民放連の広瀬道貞会長(テレビ朝日顧問)は,「社会意識の欠如に問題の根源」と指摘した。-広瀬会長は,「原発事故によって多くの方々が被害にあっておられるなか,放射能の風評被害について,放送事業者はもっとも敏感であるべき」とのコメントを出している。
加えて,「問題のテロップはあまりにも常識を欠いた表現」と指摘。「本件では(1)こうした内容のテロップを作成するという社会意識の欠如に問題の根源があるうえに(2)それをチェックできなかったこと(3)操作ミスで画面に出したものを即座に取り消せなかったことにも重要な問題がある」と述べた。
そして,民放連の会員各社に対して,倫理観の再確認や防止策への注力を求めたことを明らかにした。
>>>TV番組スタッフの知性と品性-日刊ゲンダイ 8月19日(金)
東海テレビは「リハーサル用のダミーテロップが操作ミスで送出された」と平謝り。ダミーであれ,放射能問題をジョークに落とすセンスはマトモではない。知性のカケラも感じられないし、笑いとしても低レベルだ。
ところが、弱者を笑いモノにする感覚は、テレビの制作現場ではむしろ当たり前だという。
「情報番組やバラエティーのスタッフには“テレビマンはジョークを飛ばして現場を和ませてナンボ”みたいな風潮がある。男社会の制作現場で笑いが取れるネタは限られていて、代表的なものが下ネタ。それと差別的なネタです。だから性器の俗語や出自を揶揄(やゆ)するような話題が飛び交っている。どんな中身でも、内輪で笑いを取れば評価されるいびつな社会なのです。“ここは幼稚園か?”と錯覚してしまう知的レベルの低い制作現場もあります」(ある制作会社社員)
最近のキー局は上場しているため、コンプライアンスに厳しい社員がいる現場ではタガが外れるケースは少ないという。しかし、下請けや関連業者だけでリハーサルの準備をしたり、今回みたいにダミーのテロップを作る際にモラルの低さが顕著になる。
フリーディレクターのA氏が言う。「ダミーテロップの制作は若いアルバイトにもできる単純作業。ベテランスタッフの中にはイヤイヤ請け負うのもいます。だから問題も起きる。画面に映らないことが前提なので、退屈しのぎにブラックジョークを書いて遊ぶ人もいます」
表ざたになっていないだけで、放射能を内輪ネタに悪ふざけをしていた局はほかにもあるという。米を侮辱された岩手県の達増拓也知事が「人の心の闇の奥深さを見せつけられた感じがする」と憤ったが、“セシウムさん”のテロップを作ったスタッフに心の闇はないだろう。頭に闇を抱えているだけだ。恐らくこんな騒ぎになっても、何が悪かったのか、いまだに理解できていないに違いない。
(日刊ゲンダイ2011年8月16日掲載)
▼関連記事------松田さんの通夜で放送事故、笑顔でおどけるアナに怒りの声
群馬・桐生市内の斎場では、34歳の若さで急逝したサッカー元日本代表・松田直樹さんの通夜が営まれ、松田さんの家族や友人、共に切磋琢磨を続けてきた戦友やファン、関係者ら約2000人が参列し、故人の早すぎる死を悼んだ。
だが、その模様を中継したフジテレビでは、現地に赴いた女性アナウンサーが笑顔でスタッフと談笑するシーンがカメラとマイクに拾われてしまった。
中継では、松田さんの母・正恵さんが、マリノスサポーター&松本山雅サポーターに向け、それぞれ感謝を込めて作成したというポストカードを紹介した女性アナ。その後、中村俊輔がマスコミに向けコメントする場面に映像が切り替わり、再びカメラが女性アナを映し出した瞬間、「入ってないの?うっそーん」と笑顔でスタッフと話している様子が流された。
放送事故により、意図せず現場のやり取りが映ってしまったとはいえ、緊張感なく笑顔でおどける様子を露呈した女性アナには、怒りのコメントが次々と寄せられた。
⇒⇒関連HP マニュアル講座「危機管理マニュアル」
http://kobayashi.clever.mepage.jp/manual/2011-new/07-risk-management01.htm" target="_blank">http://kobayashi.clever.mepage.jp/manual/2011-new/07-risk-management01.htm
⇒⇒ 関連ホームページ 「http://kobayashi.clever.mepage.jp/manual/2011-new/01-manual-what.html" target="_blank">規範(ポリシー)マニュアル」
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