約4300億円の負債を抱え、東京地裁で破産手続き中の「安愚楽(あぐら)牧場」(栃木県那須塩原市)の和牛オーナー制度を巡り、大阪府内の出資者13人が、同社側が経営の悪化を隠し、出資金847万円をだまし取ったなどとして、三ケ尻久美子社長と前役員2人を詐欺容疑などで大阪府警に詐欺などの容疑で大阪府警に告発状を郵送した。
告発状では、元本保証をうたって出資を募ったとする出資法違反(預かり金の禁止)の疑いもあるとし、同社も告発対象に含めている。弁護団は、和牛オーナー制度そのものにも違法性があったなどとして、全容解明を求めたいとしている。
被害対策大阪弁護団長の斎藤英樹弁護士によると、同社の破綻を巡る告訴・告発は初めて。
告発状によると、告発人のうち6人は同社が民事再生法の適用を申請する前月の昨年7月、新たな繁殖牛の飼育に関し契約を結び、計847万円を出資した。この契約について「新たに飼育したり、買い取ったりできない状態であることを隠し、自転車操業を続けるために出資金をだまし取った」と主張している。他の7人も5000万円以上を投資しており,「必ず出資金が戻ると虚偽の説明をされた」などと詐欺の被害を訴えている。13人の出資金の残額は、約7億円に上るという。
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安愚楽牧場:管財人を選出し破産手続き開始
「和牛オーナー」制度で出資会員を集めていた「安愚楽(あぐら)牧場」(栃木県那須塩原市)の経営破綻で,東京地裁は2011年12月9日,破産手続き開始を決定し,渡辺顕弁護士を破産管財人に選任している。
◆安愚楽牧場,09年に実質債務超過
安愚楽牧場が2009年2月,投資家への会計処理の仕方や情報開示が不適切だとして,当時,和牛預託取引(オーナー制度)の監督官庁だった農林水産省から改善指導を受け,事後点検のための定期報告も求められていた。
安愚楽牧場が契約満期時に買い戻しに応じる条件で投資家に販売した和牛オーナー契約の残高は09年3月期末ですでに2889億円にのぼっていた。同社が投資家向けに公表した財務諸表によると,当時の資産は688億円,純資産は27億円で,2千億円を超す債務超過状態であった。
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