働き方改革関連法ノート

労働政策審議会(厚生労働大臣諮問機関)や厚生労働省労働基準局などが開催する検討会の資料・議事録に関する雑記帳

これからのテレワークでの働き方に関する検討会

2020年08月12日 | テレワーク
厚生労働省テレワーク検討会(これからのテレワークでの働き方に関する検討会)新設
厚生労働省(雇用環境・均等局)は、新たに有識者からなる「これからのテレワークでの働き方に関する検討会」(テレワーク検討会)を設置し、2020年8月17日(月)に、第1回検討会を開催予定。また、第1回検討会資料については、8月14日(金)までに厚生労働省ホームページに掲載。

これからのテレワークでの働き方に関する検討会(厚生労働省)

第1回「これからのテレワークでの働き方に関する検討会」開催案内
1 日時 2020年(令和2年)8月17日(月)10時00分~12時00分
2 場所  中央合同庁舎第5号館・厚生労働省省議室
3 議題  (1)座長の選出について
      (2)今後の進め方、検討課題等について
      (3)意見交換
      (4)その他

第1回 これからのテレワークでの働き方に関する検討会 開催案内(厚生労働省)

第1回 これからのテレワークでの働き方に関する検討会 議事録(PDF)

「これからのテレワークでの働き方に関する検討会」開催要綱
1.目的
今回の新型コロナウイルス感染症対策として、これまでにない規模でテレワークが実施されることとなった。今回の経験からは、働き方の観点から、テレワークの際の労働時間管理の在り方や社内コミュニケーションの不足への対応など、様々な検討課題も見えてきているところである。
このため、労働者が安心して働くことのできる形で良質なテレワークを進めていくことができるよう、適切な労務管理を含め、必要な環境整備に向けた検討を進めるため、「これからのテレワークでの働き方に関する検討会」を開催する。

2.検討項目
(1)テレワークを行う上での課題について
(2)当該課題に対する対応方針の検討について

3.構成員
(1)検討会の構成員は、別紙のとおりとする。
(2)検討会の座長は、構成員の互選により選出する。
(3)座長は、必要に応じて関係者の出席を求めることができる。

4.検討会の運営
(1)検討会は、厚生労働省雇用環境・均等局長が有識者の参集を求めて開催する。
(2)検討会の議事は、原則として公開とする。ただし、特段の事情がある場合には、座長の判断により、非公開とすることができる。
(3)検討会の庶務は、労働基準局及び政策統括官付政策統括室の協力を得て、 雇用環境・均等局において処理する。
(4)この要綱に定めるもののほか、検討会の運営に関し必要な事項は、検討会において定める。

これからのテレワークでの働き方に関する検討会 開催要綱(PDF)

別紙(検討会構成員名簿)
風神佐知子 慶應義塾大学商学部准教授
川田琢之 筑波大学ビジネスサイエンス系教授
小西康之 明治大学法学部教授
小豆川裕子 日本テレワーク学会副会長
竹田陽子 東京都立大学経済経営学部教授
萩原牧子 リクルートワークス研究所調査設計・解析センター長
濱口桂一郎 労働政策研究・研修機構労働政策研究所長
守島基博 学習院大学経済学部経営学科教授・一橋大学名誉教授(厚生労働省ホームページより)

厚生労働省「これからのテレワークでの働き方に関する検討会」構成員の風神佐知子・慶應義塾大学商学部准教授の専門は労働経済学、川田琢之・筑波大学ビジネスサイエンス系教授の社会法学(労働法、公務員法)、小西康之・明治大学法学部教授の専門は社会法学・労働法学、小豆川裕子・日本テレワーク学会副会長・常葉大学経営学部准教授の専門は経営、ICTと個人・組織・社会の相関、知識資産経営、テレワーク、竹田陽子・東京都立大学経済経営学部教授の専門は経営戦略・イノベーション戦略、萩原牧子・リクルートワークス研究所調査設計・解析センター長の専門は労働社会学・公共経済学、濱口桂一郎・労働政策研究・研修機構労働政策研究所長の専門は労働法政策、守島基博・学習院大学経済学部経営学科教授・一橋大学名誉教授の専門は人的資源管理論・労使関係論。

また、小豆川裕子・常葉大学経営学部准教授は日本テレワーク学会の副会長として検討会に参加するが、日本テレワーク学会の今年度の学会研究発表大会(第22回)~ウィズコロナ・ポストコロナにおける働き方としてのテレワーク~は2020年9月26日(土)にWEB会議((Zoom)を用いたオンライン方式で開催される予定。

第22回 日本テレワーク学会研究発表大会開催のお知らせ(日本テレワーク学会)

追記(2020年8月14日)
本日(8月14日)、厚生労働省は「これからのテレワークでの働き方に関する検討会」(第1回)資料を公開。そのうち資料4は「検討課題(案)」。

検討課題(案)
・テレワークの際の労働時間管理の在り方
・テレワークの際の作業環境や健康状況の管理・把握、メンタルヘルス
・テレワークの対象者を選定する際の課題
・その他、テレワークの実施に際しての労務管理上の課題


第1回 これからのテレワークでの働き方に関する検討会 資料(厚生労働省)

追記(2020年8月17日)
共同通信が本日(2020年8月17日)開催された厚生労働省の有識者会議「これからのテレワークでの働き方に関する検討会」初会合について報じたが、報道によると、「これからのテレワークでの働き方に関する検討会」は「年内にも報告をまとめる」とのこと。

「厚生労働省は((8月)17日、職場外で働くテレワークの労務管理を取り上げる有識者検討会の初会合を開いた。長時間労働の防止や従業員の健康状態の把握といった課題と、それらの対策を議論。月1回の頻度で開き、年内にも報告をまとめる。

政府は働き方改革や新型コロナウイルス対策を踏まえ、パソコンやタブレット端末を活用して働くテレワーク導入を後押しするが、中小企業などでは浸透していない。従業員間のコミュニケーション不足や、仕事と私生活の境目があいまいになるなどの課題があり、対策を求められている。

厚労省は現状を把握するため、数万社を対象に実態調査を今後実施する。」(「厚労省テレワーク検討会が初会合 労務管理を議論」、共同通信社、2020年8月17日配信)


厚労省テレワーク検討会が初会合 労務管理を議論(共同通信)

追記(2020年8月18日)
時事ドットコムが昨日(2020年8月17日)開催された厚生労働省の有識者会議「これからのテレワークでの働き方に関する検討会」初会合について報じたが、報道によると、「検討会は、座長の守島基博学習院大教授ら経営や労務管理に詳しい有識者がメンバーを務め、総務省など関係3省の幹部も参加している。検討会は月1回程度会合を開き、今冬をめどに意見をまとめる」とのこと。

「厚生労働省は(8月)17日、新型コロナウイルス感染症対策で広がったテレワークの在り方を議論する有識者検討会の初会合を開催した。勤務時間の管理や意思疎通の難しさなどの課題が表面化しており、働き方改革につながる促進策を協議する。政策指針の見直しなどで導入環境を整えたい考えだ。

厚労省がテレワークに特化した検討会を設置したのは感染拡大後、初めて。検討会は、座長の守島基博学習院大教授ら経営や労務管理に詳しい有識者がメンバーを務め、総務省など関係3省の幹部も参加している。検討会は月1回程度会合を開き、今冬をめどに意見をまとめる。

初会合で各メンバーは『中小企業はIT対応の度合いに差があり、仕組みを整えなければ(通常勤務に)戻ってしまう』『勤怠管理制度が整っていない』『同居家族に負担が出ている』と指摘。コロナ危機後を見据え、労使がテレワークを推進するには、適切な導入環境の整備が必要だとの方針を確認した。」(時事ドットコムニュース、「テレワーク環境整備へ 勤務管理など課題協議―厚労省検討会」、2020年8月17日配信)


テレワーク環境整備へ 勤務管理など課題協議―厚労省検討会(時事ドットコムニュース)

追記(2020年8月18日)
日本経済新聞(電子版)が昨日(2020年8月17日)開催された厚生労働省の有識者会議「これからのテレワークでの働き方に関する検討会」初会合について報じたが、報道によると、「有識者会議を通じ、企業の労務管理などに関するガイドラインの改定を検討する。現在は『休日・深夜労働は原則禁止することが有効』と記し、中小企業などが柔軟な働き方の導入に足踏みする要因になっている。厚労省は適切な労務管理を前提に休日・深夜労働も明確に認めるルールの整備をめざす」とのこと。

「厚生労働省は(8月)17日、テレワークの促進策を検討する有識者会議を立ち上げた。まず2万社程度を対象にアンケート調査を進め、労務管理などの課題を把握する。今後、月1回のペースで会合を開き、年内に報告書をまとめる。

新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐためテレワークを導入する企業は急増している。東京商工会議所の5月29日~6月5日の調査では会員の67.3%が実施していた。労働時間の管理や従業員同士のコミュニケーションの難しさなどの課題も浮き彫りになった。

厚労省は有識者を交えた会議で改めてテレワークの普及・定着の方策を練る。アンケート調査では導入企業からは対象職種や労働時間制度、時間外労働の管理方法などを聞き取る。導入していない企業には理由を問う。従業員にもテレワークの課題や所定時間外の労働実態などを答えてもらう。

有識者会議を通じ、企業の労務管理などに関するガイドラインの改定を検討する。現在は「休日・深夜労働は原則禁止することが有効」と記し、中小企業などが柔軟な働き方の導入に足踏みする要因になっている。厚労省は適切な労務管理を前提に休日・深夜労働も明確に認めるルールの整備をめざす。」(日本経済新聞電子版、「テレワーク促進、厚労省が有識者会議 2万社を調査」、2020年8月17日配信)

テレワーク促進、厚労省が有識者会議 2万社を調査(日本経済新聞電子版)

追記(2020年11月14日)
厚生労働省「これからのテレワークでの働き方に関する検討会」は明後日(11月16日)に第4回が開催されるが、11月13日の産業保健新聞記事「#テレワーク 時代の体制整備に向けて」は10月16日に開催された第2回検討会報告と11月4日開催の第3回検討会予告。

追記(2020年12月25日)
厚生労働省は「これからのテレワークでの働き方に関する検討会報告書」を公表(2020年12月25日)。

報告書では、これからのテレワークでの働き方について
・テレワークの対象者を選定する際の課題
・テレワークの実施に際しての労務管理上の課題(人事評価、費用負担、人材育成)
・テレワークの場合における労働時間管理の在り方
・テレワークの際の作業環境や健康状況の管理・把握、メンタルヘルス
の対応方針等についての有識者の意見をまとめたほか、テレワークを推進するにあたって必要な今後の対応についての有識者の提言が盛り込まれている。

また、厚生労働省では、この報告書を踏まえ、今後、「情報通信技術を利用した事業場外勤務の適切な導入及び実施のためのガイドライン」の改定が行われる予定。

「これからのテレワークでの働き方に関する検討会」報告書(PDF)

「これからのテレワークでの働き方に関する検討会」報告書概要(PDF)


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