厚生労働省の労働政策審議会は2017年9月16日、労働基準法改正法案を含む働き方改革関連法案(働き方一括法案)を「おおむね妥当」と答申しまたが、高度プロ制度(残業代ゼロ制度)と裁量労働制の対象拡大については「長時間労働を助長する」旨の労働側反対意見を併記しました。
働き方改革関連法案なら「何となくいいんじゃないか」とういう気分にもなりますが、正確には「高度プロ制度(残業代ゼロ制度)創設および裁量労働制対象拡大等の労働基準法改正法案を含む働き方一括法案」だということを忘れないようにすべきでしょう。
追記:臨時国会冒頭解散により労働基準法改正法案を含む働き方改革関連法案(働き方一括法案)は国会で審議されませんでした。
追記:2018年10月23日に記載
答申に併記された労働者代表委員反対意見とは、議事録によると
要綱第一の五の企画業務型裁量労働制の対象業務の拡大及び要綱第一の六の特定高度専門業務・成果型労働制(高度プロフェッショナル制度)の創設については、当分科会で指摘してきた懸念点について、労働者の健康確保の重要性に関する公労使三者の共通認識の下、対象業務の範囲の明確化、健康確保措置の強化といった修正がなされたが、長時間労働を助長するおそれがなお払拭されておらず、実施すべきではないとの考え方に変わりはない、との意見があった。
また長い引用になりますが、答申をとりまとめた分科会の議事録(抜粋)は次のとおり
<略>
・荒木分科会長 ありがとうございました。ほかにはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、当分科会としては、これまで議論を重ねる過程で出されました委員の御意見を付記するという形で、これまでの審議の到達点を労働政策審議会長宛ての報告としてまとめるということにしてはいかがかと思いますが、よろしいでしょうか。異議なしということでよろしいでしょうか。
(異議なし)
・荒木分科会長 それではそのようにさせていただきます。労働政策審議会令第6条第9項の規定において、「分科会の議決をもって労働政策審議会の議決とすることができる」と定められているところです。また、去る9月14日付けで安全衛生分科会、職業安定分科会、雇用環境・均等分科会から、それぞれ、報告が出されておりますので、それらも踏まえて事務局に答申の案文を用意してもらっております。事務局から、案文を配布の上、説明をお願いしたいと存じます。
(資料配布)
・中嶋調査官 それでは、読み上げをもちまして説明とさせていただきます。
(案)
労審発第 号
平成29年9月15日
厚生労働大臣
加藤勝信 殿
労働政策審議会
会長 樋口美雄
平成29年9月8日付け厚生労働省発基0908第6号をもって労働政策審議会に諮問のあった「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案要綱」については、本審議会は、下記のとおり答申する。
記
別紙1 「記」、別紙2 「記」、別紙3 「記」及び別紙4 「記」のとおり。
(案)
別紙1
平29年9月15日
労働政策審議会
会長 樋口美雄 殿
労働条件分科会
分科会長 荒木尚志
「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案要綱」について
平成29年9月8日付け厚生労働省発基0908第6号をもって労働政策審議会に諮問のあった標記については、本分科会は、下記のとおり報告する。
記
1 厚生労働省案は、当分科会所管関係については、おおむね妥当と認める。
2 労働者代表委員から、法案要綱全体については、過労死・過労自殺ゼロの実現はもとより長時間労働の是正に向けた罰則付き時間外労働の上限規制の導入という労働基準法70年の歴史の中での大改革をはじめ、中小企業が適用猶予された月60時間超に対する時間外労働の割増賃金率の引上げ、年次有給休暇について年間5日の時季指定義務を使用者に課すこと等、評価すべき内容が多く盛り込まれている一方、要綱第一の五の企画業務型裁量労働制の対象業務の拡大及び要綱第一の六の特定高度専門業務・成果型労働制(高度プロフェッショナル制度)の創設については、当分科会で指摘してきた懸念点について、労働者の健康確保の重要性に関する公労使三者の共通認識の下、対象業務の範囲の明確化、健康確保措置の強化といった修正がなされたが、長時間労働を助長するおそれがなお払拭されておらず、実施すべきではないとの考え方に変わりはない、との意見があった。
別紙2から別紙4については関係分科会からの報告を添付しております。以上です。
・荒木分科会長 ありがとうございました。答申の案文については、ただいま読み上げてもらったとおりとしてはどうかと考えますが、いかがでしょうか。よろしいですか。
(異議なし)
・荒木分科会長 ありがとうございます。それでは、ただいまの内容をもって厚生労働大臣宛ての答申を行いたいと思います。
この分科会におきましては様々な御議論を頂きましたが、取り分け労働側委員からは内容に関わる重要な指摘がなされ、使用者側委員、公益委員からは、それぞれの立場からその指摘に理解を示す意見も示されたところです。このような議論を経まして、ただいまの答申のとおり取りまとめを行うことができました。これまで真摯に御議論いただきました委員の皆様の御協力に対して、この場を借りまして改めて御礼を申し上げます。どうもありがとうございました。
<略>
2017年9月15日 第141回労働政策審議会労働条件分科会 議事録
働き方改革関連法案なら「何となくいいんじゃないか」とういう気分にもなりますが、正確には「高度プロ制度(残業代ゼロ制度)創設および裁量労働制対象拡大等の労働基準法改正法案を含む働き方一括法案」だということを忘れないようにすべきでしょう。
追記:臨時国会冒頭解散により労働基準法改正法案を含む働き方改革関連法案(働き方一括法案)は国会で審議されませんでした。
追記:2018年10月23日に記載
答申に併記された労働者代表委員反対意見とは、議事録によると
要綱第一の五の企画業務型裁量労働制の対象業務の拡大及び要綱第一の六の特定高度専門業務・成果型労働制(高度プロフェッショナル制度)の創設については、当分科会で指摘してきた懸念点について、労働者の健康確保の重要性に関する公労使三者の共通認識の下、対象業務の範囲の明確化、健康確保措置の強化といった修正がなされたが、長時間労働を助長するおそれがなお払拭されておらず、実施すべきではないとの考え方に変わりはない、との意見があった。
また長い引用になりますが、答申をとりまとめた分科会の議事録(抜粋)は次のとおり
<略>
・荒木分科会長 ありがとうございました。ほかにはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、当分科会としては、これまで議論を重ねる過程で出されました委員の御意見を付記するという形で、これまでの審議の到達点を労働政策審議会長宛ての報告としてまとめるということにしてはいかがかと思いますが、よろしいでしょうか。異議なしということでよろしいでしょうか。
(異議なし)
・荒木分科会長 それではそのようにさせていただきます。労働政策審議会令第6条第9項の規定において、「分科会の議決をもって労働政策審議会の議決とすることができる」と定められているところです。また、去る9月14日付けで安全衛生分科会、職業安定分科会、雇用環境・均等分科会から、それぞれ、報告が出されておりますので、それらも踏まえて事務局に答申の案文を用意してもらっております。事務局から、案文を配布の上、説明をお願いしたいと存じます。
(資料配布)
・中嶋調査官 それでは、読み上げをもちまして説明とさせていただきます。
(案)
労審発第 号
平成29年9月15日
厚生労働大臣
加藤勝信 殿
労働政策審議会
会長 樋口美雄
平成29年9月8日付け厚生労働省発基0908第6号をもって労働政策審議会に諮問のあった「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案要綱」については、本審議会は、下記のとおり答申する。
記
別紙1 「記」、別紙2 「記」、別紙3 「記」及び別紙4 「記」のとおり。
(案)
別紙1
平29年9月15日
労働政策審議会
会長 樋口美雄 殿
労働条件分科会
分科会長 荒木尚志
「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案要綱」について
平成29年9月8日付け厚生労働省発基0908第6号をもって労働政策審議会に諮問のあった標記については、本分科会は、下記のとおり報告する。
記
1 厚生労働省案は、当分科会所管関係については、おおむね妥当と認める。
2 労働者代表委員から、法案要綱全体については、過労死・過労自殺ゼロの実現はもとより長時間労働の是正に向けた罰則付き時間外労働の上限規制の導入という労働基準法70年の歴史の中での大改革をはじめ、中小企業が適用猶予された月60時間超に対する時間外労働の割増賃金率の引上げ、年次有給休暇について年間5日の時季指定義務を使用者に課すこと等、評価すべき内容が多く盛り込まれている一方、要綱第一の五の企画業務型裁量労働制の対象業務の拡大及び要綱第一の六の特定高度専門業務・成果型労働制(高度プロフェッショナル制度)の創設については、当分科会で指摘してきた懸念点について、労働者の健康確保の重要性に関する公労使三者の共通認識の下、対象業務の範囲の明確化、健康確保措置の強化といった修正がなされたが、長時間労働を助長するおそれがなお払拭されておらず、実施すべきではないとの考え方に変わりはない、との意見があった。
別紙2から別紙4については関係分科会からの報告を添付しております。以上です。
・荒木分科会長 ありがとうございました。答申の案文については、ただいま読み上げてもらったとおりとしてはどうかと考えますが、いかがでしょうか。よろしいですか。
(異議なし)
・荒木分科会長 ありがとうございます。それでは、ただいまの内容をもって厚生労働大臣宛ての答申を行いたいと思います。
この分科会におきましては様々な御議論を頂きましたが、取り分け労働側委員からは内容に関わる重要な指摘がなされ、使用者側委員、公益委員からは、それぞれの立場からその指摘に理解を示す意見も示されたところです。このような議論を経まして、ただいまの答申のとおり取りまとめを行うことができました。これまで真摯に御議論いただきました委員の皆様の御協力に対して、この場を借りまして改めて御礼を申し上げます。どうもありがとうございました。
<略>
2017年9月15日 第141回労働政策審議会労働条件分科会 議事録