田舎の老後生活

老後の田舎生活ではなく、もともと田舎者の気楽な老後生活です。

ディア・エヴァン・ハンセンDEAR EVAN HANSEN

2022-05-03 21:35:21 | 日記

「DUNE/デューン 砂の惑星DUNE: PART ONE/DUNE」「マトリックス レザレクションズTHE MATRIX RESURRECTIONS」「クラッシュ・オブ・ゴッド 神と神 封神榜:決戰萬仙陣/THE FIRST MYTH CLASH OF GODS」「護られなかった者たちへ」を見終わり、「ディア・エヴァン・ハンセンDEAR EVAN HANSEN」を見ている最中だが、ちょいと飽きたので、感想を書いておこう。

 

「DUNE/デューン 砂の惑星」はものすごく期待していたが、100点中60点か? 1984年公開のデヴィッド・リンチ版「デューン/砂の惑星』のような、おどろおどろしい雰囲気がほとんど感じられない。
画面の作りやストーリーの分かりやすさは進化した感じだが、なにより、怪奇的な、カルト宗教的な情感がぜーんぜんない!
この映画を見た限り、小説も読んでみたいという気が起きない。分かりやすかった、画的には進化が見られたということで60点くらいだと思う。
「ウルトラマン」など円谷プロの特撮で育った者としては、稚拙な作りがあっても想像力で補う。やはり情感を大切にしてもらいたい。

「マトリックス レザレクションズTHE MATRIX RESURRECTIONS」は「えっ? 物語は終わったんじゃないの? でも、『時間』がある限り、ストーリーはループするものだよね」と、見る前に自分に言い聞かせる必要があった。

「マトリックス」はパソコンや武術や恋愛や働き方に満足しない男の子たちが抱くもの満載の映画で、私は「マトリックス(1999)」「マトリックス リローデッド(2003)」「マトリックス レボリューションズ(2003)」の3部作DVDを、レンタルでは満足せず買ってしまっている。

 

さて、このたびの、あまり期待しない「レザレクション(復活)」だったが、前作までのマトリックス・オタクたちを反映する場面が続いた。「マトリックス」を見たオタクたちの話かと思うくらいの反映ぶりだった。だが、やっぱりすごかった。見ているうちに少しずつ、かつて、はまり込んだ世界に再び潜り込んでいった。見てよかった、時間を無駄にしなかった!けれども、新たな、壮大な物語の始まりとは思えなかった。演じる人間はどんどん老いていく。世代を交代しない限り、この物語は終わりにしてほしい。

 

「クラッシュ・オブ・ゴッド 神と神 封神榜:決戰萬仙陣/THE FIRST MYTH CLASH OF GODS」は「封神演義」をネタにした映画だというので見てみたが、さっぱり、訳分からなかった。原作となった集英社ジャンプの漫画とか、原作を読まないとだめらしい。

国の活気が伝わってくる。でも、もっとしっとりとした作り方ってできないの? 香港映画の「チャイニーズ・ゴースト・ストーリー」が懐かしい。それにしても、中国人って荒唐無稽の物語が好きなんだなあ。昔も今も。

 

「護られなかった者たちへ」2011年3月11日の東日本大震災を背景にしている。阿部寛と佐藤健が共演。佐藤健というと「るろうに剣心」を見ようかと迷ったが、さしあたって見なくていいと思われた。

震災で街や地区が消えた。そこで商売ができなくなった。でも、行くところがないので暮らしている。でもお客は来ない。それなら生活保護をもらおうか? でも、生活保護をもらうには、まず世話をしてくれる人がいないか、自分の関係者をみな調べられる。

自分のことを知られたくない場合は、生活保護申請を諦めなければならない。たとえば、我が子を養子に出した場合、その養子にも打診されるらしい。「おまえの実母が食えないでいるが、世話をする気はないか?」と。そして、実子に迷惑をかけたくない老女は餓死を選んだ。

 

これに腹を立てた、老女に世話になった孤児や震災孤児が行政を憎み、福祉課の担当者たちを次々と餓死させていく。

 

この映画を見て、数十年前に起きた事件を思い出した。北海道と西日本のどっか。北海道の場合は、赤ちゃんを抱えた女性が生活保護をはねられ、職場からは首にされ、電気も水道も断たれ、餓死していった母子のことだ。

西日本のどっかでは、通行人が、通るたびに臭い家があるという通報で調べたら、やはり女性が餓死していた。

 

生活保護を担当する人たちがバッシングを受けたことがそれら事件の前にあった。

旦那がベンツだかアメ車を乗り回している家庭が生活保護を受けているのはどういうことだ、と朝日新聞で書きたてられた。それで、部署では認定を厳しくした。

ところが、その家庭は、旦那はヤクザで外車を乗り回しているが、家にはお金を全然入れていなかったのだ。

行政を批判するのは簡単だ。学校の教師を批判するのも簡単だ。おかげで、いまや学校の先生のなり手が減って現場は困っているらしい。福祉の現場も、こんな映画が作られてしまう。

 

コロナワクチンが、先進国のはずの日本でどうして作られなかったか、我々は反省しなければならないと思う。また、乳幼児を育てるのに、お母さん一人が孤軍奮闘させられている。それはなぜか? お母さんは一人で産後に格闘しているのは世界で日本だけらしい。なぜ、周りは手伝わないか? 私たちは批判ばかりしないで、よーく考えるべきだと思う。

 

福祉行政に「護られなかった人々」。日本の映画の心情表現はとびきり複雑に構成されていると思う。その分、観客動員が望めない作品になってしまうが、見たらすぐに忘れられてしまうよりも、いつまでも心に残って自分の人生とともに歩めるのなら、そんな映画は観客が多くなくてもいいかもしれない。

 

 

「ディア・エヴァン・ハンセンDEAR EVAN HANSEN」やっと見終わった。2時間もあった。ブロードウエイでヒットしていたミュージカルを映画化したもの。単に同じストーリーを映画に置き換えたのではなく、映画上のミュージカルみたいなものを目指したのだろう。

 

登場人物たちが歌うのを見るのは楽しい。主人公を演じた俳優はブロードウエイでも毎日舞台に上がっていた人だそうだ。

 

マッチョなアメリカ映画を見ていると、こんなアメリカ人もいるんだ、と驚くが、そう思うのは、こちらがアメリカに行ったことなどないからだ。アメリカの高校生にも、病んでいる人たちはそれなりにいるだろう。主人公の高校生は左腕を骨折しているが、映画を見ていくとなぜ怪我したかだんだん真相が分かってくる。やっぱり病んでいるからだ。医者から処方された薬を飲んでいる。骨折の薬でなく、精神科の。お母さんは看護師で、勤めに忙しい。お父さんは出て行っている。

 

ロッカーのところで、近くの生徒に難癖つけられドつかれる。こちらの男子は威勢のいいお兄ちゃんかと思ったら、やっぱり病んでいる。すぐに自殺する。その前に、主人公から取り上げた手紙を持ち去っていた。

 

この手紙が騒動を巻き起こす。それに関して大きな運動を起こそうとする生徒会長風の女子が現れる。しかし、彼女もまた病んでいた。

 

歌がすごい。思春期の病にくよくよする前に、登場人物たちの歌声に圧倒された!


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