高齢期の備え

高齢期の備えを考えます

高齢者の独り暮らし その5

2015年05月20日 | 老後と住まい
高齢者が、一人暮らしになったので子供の家や高齢者向けの施設などに住み替えるということは簡単ではないと思います。それまでは、自分の家の主であり、家のルールを決めて、子供や訪問者はそのルールに従わせることになります。しかし、子供の家に住み替えれば、子供の作ったルールに従わなければなりません。施設に入れば、「○○様」と呼ばれてお客様、つまり訪問者と同じ立場になります。主から従へ。この立場の違いを受け入れることが難しいのは容易に想像ができます。
 時として立場の入れ替えが受け入れられず、新たしい主に対して自分も主を主張することもあり得るのでしょうが、そうすれば衝突することは避けられません。子供の家では掃除は2日に一回しているのに自分の家では毎日掃除しているということで自分のルールを主張すれば子供家族との衝突は避けられません。高齢者向け施設では施設の作ったルールに従うことになりますから、たとえば「今日はゆっくり寝ていたいので朝食は遅い時間に」と思っていても、朝食の時間が決まっていれば自分の希望が叶わないことになります。
 高齢者は新しい環境への適応が若いときと比べて難しいといわれていますので、こうした環境の変化についていけず老け込む速度が速まることが危惧されます。
(投稿者のURL http://www.rougotosumai.com/ )