S&R shudo's life

ロック、旅、小説、なんでもありだ!
人生はバクチだぜ!!!!

真冬の狂想曲1-2

2006-06-30 14:51:32 | 真冬の狂想曲
1-2.

「…詐欺師がおってのー、俺の世話になっとる人が引っ掛かっちょんのよ。やけ、その詐欺師らが東京の蒲田って所に事務所だしとるけ、そこまで生け捕りに行くんよ。」
「なんで俺まで行かないけんの?」
「いいやんか、やっちゃん。俺は面が割れちょんし、やっちゃん昔東京おったけ道やら詳しいやろー。ノブと明彦も来るけいいやろ?ねーやっちゃん」
これだ!いつもこうやってヤバイ事に俺を巻き込むんだ。でもガキの頃からなぜかこいつの頼みは断れない。しかしガキの頃とは違い今は俺にも家庭があるし会社もある。この話は何かキナ臭い感じがプンプンするので断ったほうがいい。
「ちょっと東京は遠いわー。」
間髪入れずに松は殺し文句を吐いた。
「うまく銭回収出来たら、やっちゃんにも小遣いやるけ。10や20の銭やないよ、100、200の話やけ。」
俺は動揺を隠しながら、言葉を続けた。
「いったい、なんぼ引っ掛けられちょん?」
「7000万ぐらいよ。」
10秒前に俺の腹は決まっていた。
「じゃー、どうすればいい?」
「後でノブに電話させるけ、すぐ出れるようにしちょって。」
「解った。用意しとくわ。」
携帯電話を切ろうとすると、松が慌ててこう言ってきた。
「どう動くか解らんけ、荷物やら持ってきたらいけんよ。手ぶらで来なよ!」

 あと少しでクリアー出来そうだったのに…。俺は誰もいないのに声を出して文句を言いながらPS2の電源を落とした。

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真冬の狂想曲

2006-06-29 17:31:40 | 真冬の狂想曲
1-1
 TVの画面では、主人公のヤクザが夜の歌舞伎町の中を喧嘩しながら徘徊している。
次のイベントまでもう少しだ。

 突然シド・ヴィシャスの歌う「MY WAY」が俺を現実の世界に引き戻す。
携帯電話の通話ボタンを押して、シドの歌声を黙らせた。
「やっちゃん、暇やろ」
いきなりの第一声はこれだ。松はいつもぶしつけに話をきりだす。
「暇やないよー、今ゲームしよって、もう少しでクリアなんやけ!」
「話は良いっちゃ!…。ちょっと今から東京行こうや」
俺は突然この人は何を言ってるんだと思い、少し間を空けてから理由を聞いた。
すると松はイライラしながらほんのさわりだけ東京までも行く理由を俺に話し出した。
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