俺がテーブルについたときにはもう、松は本題に入っていた。ノブの後ろからゆっくりだが威圧的な声が聞こえる。
「坂本さん、どうしてくれるん?どう納得させて貰えるんやろうか?こっちは引っ掛かった銭以外にも、あんたら探すのに経費もかなり掛かってるんだけど。酔うた様な話なら、あんたここから帰られんよ」
坂本も、裏の世界の住人らしく動じた素振りは見せずに、少し間を置いて口を開いた。
「松崎さん、分かっています。こちらもここまで出向いたんですから、それなりの答えは用意してきています。出来ればそれで納得して欲しいのですが」
「何をどう納得させて貰えるんやろうか?坂本さん」
松は相手があまりビビッてないのに少しイラついてるようだ。声が少し大きくなっていた。
「もちろんお金は全額お返しします。とりあえず今日ここに5000万持って来てますんで納めてください。残りはすぐにでも用意しますんで」
背中越しにも松がイラついてるのが簡単に感じ取れるようになってきた。俺とノブはそれを感じながらもどうする事も出来ないので、ただ聞き耳を立ててコーヒーラウンジの入口を見ていた。
「坂本さんよ、金は返して貰うんは当然やけど、今日5つで残りはいつ持ってきて貰えるんやろうか?それに引っ掛けられた銭以外の気持ちはどうするの?仮にあんたがどこに頼んで仲に入って貰っても、筋道はこっちにあるんやけ行く道は行かして貰うよ。恥かくんはそっちやけ」
「分かってます。残りのお金のほうは3日以内に何とかします。後はどのようにしたらよろしいですかね?松崎さんのご希望になるべく沿うようにしたいとは思っていますが…」
坂本の腹は決まっているようだ。その声には、出来る事は出来るが、出来ない事は出来ないんだと言う強い意志が感じ取れた。ここであまり攻めると逃げ道を塞いでしまうかも知れない。追い込むときには必ず一つは逃げ道を用意してやる必要がある。そうしないと相手が破れて話がどう転ぶか分からなくなるからだ。居直られでもしたら面倒だし、死なれても面倒くさい。松もその辺は良く判ってるはずだ。俺は実際イケイケのチンピラだったが、松のヤツは金に物を言わせてヤクザでも上の方の連中と付き合いが深かった。
「坂本さん、どうしてくれるん?どう納得させて貰えるんやろうか?こっちは引っ掛かった銭以外にも、あんたら探すのに経費もかなり掛かってるんだけど。酔うた様な話なら、あんたここから帰られんよ」
坂本も、裏の世界の住人らしく動じた素振りは見せずに、少し間を置いて口を開いた。
「松崎さん、分かっています。こちらもここまで出向いたんですから、それなりの答えは用意してきています。出来ればそれで納得して欲しいのですが」
「何をどう納得させて貰えるんやろうか?坂本さん」
松は相手があまりビビッてないのに少しイラついてるようだ。声が少し大きくなっていた。
「もちろんお金は全額お返しします。とりあえず今日ここに5000万持って来てますんで納めてください。残りはすぐにでも用意しますんで」
背中越しにも松がイラついてるのが簡単に感じ取れるようになってきた。俺とノブはそれを感じながらもどうする事も出来ないので、ただ聞き耳を立ててコーヒーラウンジの入口を見ていた。
「坂本さんよ、金は返して貰うんは当然やけど、今日5つで残りはいつ持ってきて貰えるんやろうか?それに引っ掛けられた銭以外の気持ちはどうするの?仮にあんたがどこに頼んで仲に入って貰っても、筋道はこっちにあるんやけ行く道は行かして貰うよ。恥かくんはそっちやけ」
「分かってます。残りのお金のほうは3日以内に何とかします。後はどのようにしたらよろしいですかね?松崎さんのご希望になるべく沿うようにしたいとは思っていますが…」
坂本の腹は決まっているようだ。その声には、出来る事は出来るが、出来ない事は出来ないんだと言う強い意志が感じ取れた。ここであまり攻めると逃げ道を塞いでしまうかも知れない。追い込むときには必ず一つは逃げ道を用意してやる必要がある。そうしないと相手が破れて話がどう転ぶか分からなくなるからだ。居直られでもしたら面倒だし、死なれても面倒くさい。松もその辺は良く判ってるはずだ。俺は実際イケイケのチンピラだったが、松のヤツは金に物を言わせてヤクザでも上の方の連中と付き合いが深かった。