S&R shudo's life

ロック、旅、小説、なんでもありだ!
人生はバクチだぜ!!!!

真冬の狂想曲10-4

2006-08-31 17:34:20 | 真冬の狂想曲
10-4
 松木社長はゆっくりしたいからホテルに帰ると言うので、佐々木を松木社長に預けて、俺と松、ノブは街をぶらつく事にした。
「2日も3日も同じ下着着とくのも気持ち悪いけ、着替えでも買いに行こうや。それにスーツもしんどいけ、なんかカジュアルなヤツに着替えよう。やっちゃん、この辺どっかない?」
「松が着るようなヤツやろ…?」
「そうよ!やっちゃんが着るようなヤツはダメよ!」
俺は暫く考え込んでから、駅前の靖国通り沿いに伊勢丹があった事を思い出し、そこに連れて行く事にした。松はタクシーに乗ろうと言ったが、ここからなら、歩いたほうが時間が掛からないと説得して、俺達は歌舞伎町を抜け、伊勢丹に向かった。
伊勢丹の7Fのビッグサイズの紳士服売場で、松は結局スーツを3着買い、2着を小倉の事務所に送ってもらい、1着を袋に入れてもらった。
「俺ちょっと床屋に行きたいけ、やっちゃんとノブで下着やらをどっかで買ってきてくれん?みんなの分ね。」
 髪の毛もたいしてのびてないのに、金持ちの行動は理解しがたい。しかし、少しの時間でも、自由に動けるのはありがたい。俺は松を伊勢丹の近くにある床屋まで連れて行き、ノブと二人で買い物に出かけた。松を置いた床屋の近くに「ユニクロ」があった。俺達はそこで、5人分の下着と靴下を3日分買い込んだ。ついでに、自分用に黒の長Tと赤いマフラー、ショルダーバッグを買った。もちろん金は松の金だ。何を買ったかなんて言う必要は無い。
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真冬の狂想曲10-3

2006-08-30 09:10:29 | 真冬の狂想曲
10-3
 遅い朝飯を食いながら、俺達は今後の計画を練っていた。とりあえず誰か一人は生け捕らないと話にならないので、誰をどうするか、今までの計画どおりにいくのか。
相手の動向に探りを入れる為にも、佐々木に平井に電話するように言った。とりあえず今東京にいるんで、どうしたらいいか指示を仰ぐよう聞けと言った。
佐々木は携帯電話の発信ボタンを押した。10秒程鳴らしたが平井は電話に出ない。佐々木が電話を切るとすぐ佐々木の携帯電話が鳴った。
「はい、佐々木です。平井さん、私今東京におってですね、昨日話したように金が無いけですね、どうにかして貰いたいんですけど。あれやったら、中村さんの事務所に行って金まわして貰おうかと思ってるんですが。」
「ちょっと待て、佐々木。俺も明日には東京に行けるから、1日だけ辛抱しとけよ。中村さんも、いきなりお前が行っても急には金用意出来ないかもいれないからな。」
「この前松崎達からかすった金が事務所にあるんじゃないですか?」
「バカ!あの人が一箇所に金を置いてる訳無いだろ!明日の夜、忘年会があるから、確実に俺も東京に行くから、我慢して待ってろよ。その時に金まわしてやるから。佐々木も忘年会は顔出せるだろ?いろいろ紹介してやるから。」
「分かりました。でも、本当に金無いですから、頼みますよ。」
「分かった分かった、明日着いたら電話する。」
 佐々木が口を開くより早く、会話を聞いていた俺は、会話の内容をみんなに話した。松は暫く黙り込み、煙草に火を点けた。そしてゆっくりと煙を吐き出した。
「こりゃー、忘年会が終わるまで、中村を攫わないほうがいいな。忘年会に中村が行かないと、俺達が動きよるのが相手に知られるかもしれんからな。どうせやるなら、中村の上まで生け捕らんと金は戻ってこんやろうからな。佐々木!中村やら平井の上にも誰かおるんやろうが?」
「はい、松崎さん。私は会った事はありませんが、確かにいるはずです。見せ金とかがいるときなんかは、中村がどっかに電話して、金とか書類とかの段取りをして貰っていたみたいですから。」
「ほんで、中村のヤツはいくらぐらい持ってるんか?」
「すぐに動かせる金は2000万前後だと思いますけど…。」
 松は吸い終わった煙草を乱暴に灰皿に突っ込み、独り言のように言った。
「もう一日遊ばないけんなー。」
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真冬の狂想曲10-2

2006-08-29 15:18:06 | 真冬の狂想曲
10-2
 15分程歩いて大久保の「ドンキホーテ新宿店」の前に辿り着いた。あたりを見渡して背の高い男を捜す。通りの向こう側にあるコンビニの中で松は雑誌を立ち読みしていた。俺達は、道路を横断してコンビニに入って、松と合流した。
「腹減ったのー、飯でも食いに行こうや。どこでもいい?」
松は俺達の返事を待たずに歩き出した。
周りを見渡してみても、ここは韓国か!と思うほど、ハングルと漢字だらけの街だ。案の定、松は開いたばかりの韓国料理の店に入っていった。昨日の夜に入った店よりも、広くて、小綺麗な店だった。しかし辛い物の苦手な俺は、朝から憂鬱な気分になった。
昨日から胃の調子が良くない俺は、松がいろいろ食わせようと注文しているのを制止して、テールスープだけ注文した。他の連中は、松任せの注文でかなりの量の朝飯になっていた。
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真冬の狂想曲10-1

2006-08-28 14:44:26 | 真冬の狂想曲
10-1
 ミヒャンをエレベーターに乗せ見送った後、ポケットの中で「MY WAY」が鳴り出した。俺は着信ボタンを押してシド・ヴィシャスを黙らせた。
「やっちゃん、起きた?今からみんな連れてきてくれん?」
「もう、起きちょんよ!バカすんなっちゃ! 松、何号室?」
「いやー、昨日ホテルには帰っちょらんのよー。今ねー…、ここどこやろ?昨日の一軒目の前の道を、真直ぐ来た突き当りの道の所やわ、昨日タクシー降りた所とは反対の方…。」
「何となく分かったけど、あんまりウロチョロせんで待っちょってよ。大久保におるんやろ?」
「たぶん、そう…。」
 俺は携帯電話を乱暴にポケットに突っ込んで、一度部屋に戻ってシャワーを浴びた。松をあまり待たせる訳にもいかないが、ベタついた身体が気持ち悪かった。冷たいシャワーで汚れを落とし、疲れの残る頭をシャッキリとさせた。急いで髪を乾かし、昨日と同じ服を着た。着替えは何一つ持ってきてない。
 ノブ、松木社長、佐々木の順で部屋のドアを叩き、松が外で待っている事を告げ、すぐ出かける準備をするよう促した。ノブ以外はすでに用意が出来ていた。ノブは慌てて身支度して、エレベーターの前で待つ俺達の所へやってきた。ノブも昨日と同じ服だ。俺達はホテルを出て、他愛の無い話をしながら新大久保駅方面に歩いていった。佐々木も必死に俺達の会話に入り、機嫌を取ろうとしているが、俺はそれを許さない。俺は同じ傘の下にいない人間に対しては徹底して悪意を向けるし庇護しない。
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真冬の狂想曲9-5

2006-08-25 16:19:13 | 真冬の狂想曲
9-5
股間に熱いものを感じて目を覚ますと、あの女が裸で俺の陰茎をくわえ込んでいた。腕にはめたままだったGショックに目をやる。朝9時をまわっていた。女は俺が目を覚ましたのを確認すると、俺の着ているものを脱がし始めた。下半身はすでに剥き出しになっている。俺は女の股間に指を這わせた。すでに濡れていた。女が俺の服を脱がし終わると、俺は前戯もなく乱暴に女の股間に陰茎を突っ込んだ。女の喘ぎ声を聞いて、日本人も韓国人もあの時の声は変わらねぇな、なんて思っていた。
 俺はあっというまに果てた。女はコンドームを外し、精液まみれの俺の陰茎をしゃぶり始めた。俺はすぐに回復した。今度はたっぷり時間をかけて愛撫してやり、女の反応を愉しんだ。今度は女が上になり、腰をグラインドさせた。女がイッたのを確認してから、バックに体位を移し、俺も果てた。女は優しく俺の陰茎を掴み、コンドームを外して、今度はティッシュで丁寧に拭いてくれた。
 しばらくベッドで余韻に浸った後、女が店の名刺をバッグから取り出し、名刺の裏に携帯電話の番号を書いて俺の手に握らせた。
「ワタシ、名前、ミヒャン。また、オッパ来るトキ、ニホンゴ上手くシャベル。これ、ワタシ電話、OK?」
「おー、これお前の電話番号って事ね。解った。もしまた東京に来る事があったらの。」
 ミヒャンは俺の言った事は理解できていないようだったが、首を縦に振った。俺はミヒャンを引き寄せ、軽くキスをしてから、服を着るように促した。
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