S&R shudo's life

ロック、旅、小説、なんでもありだ!
人生はバクチだぜ!!!!

真冬の狂想曲15-6

2006-09-29 22:19:47 | 真冬の狂想曲
15-6
 なんとなく想像は付くが、この風呂で平井は何をされるのだろう。俺は手を湯船に入れてみた。指先に痛みが走り、10秒も入れておけない。北極とかの海の水は、きっとこんな感じなんだろう。頼むから俺のいる所では殺さないで欲しい。パクられるのはもうこりごりだ。しかも、パクられたら今までのような小便刑ではすまないだろう。俺は傷害と拉致監禁、それに恐喝程度でしかパクられた事はない。ノブもシャブで持っていかれた程度だ。こういう状況での殺人になると、ヘタしたら素人でも10年か12年はくらうだろう。それだけは避けたい。でも、ここまで来たらなるようにしかならないだろう。俺は目を閉じて深く溜息をついた。
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真冬の狂想曲15-5

2006-09-27 17:41:04 | 真冬の狂想曲
15-5
 平井の背中は赤い点が無数に散らばり、そこから赤い線が床に敷いた新聞紙までつたっている。そこにゆっくりと松は近づいた。
「平井、俺の金はどこにあるんか?中村が持っとるんか?中村の家はどこなんか?」
 平井は何も喋らない。タオルが口に押し込まれたままになっている。松はそのタオルを平井の口から引き抜いた。
「何を言っているか解りません…。私は何もやってないし、何も知りません。」
「おい、平井、お前より先に佐々木が口割って、お前が言いよる事が嘘やったら大事するぞ。」
「本当です、嘘はついていません…。」
「そうか分かった。やっちゃん!悪いけど風呂に水溜めてきてくれん?ほんで、そこに冷凍庫があるやろ、氷が山のように入っちょんけ、それも風呂に入れちょって。」
俺はその大きめの冷凍庫の蓋を開けてみた。松の言うとおり、氷だけが山のように入っている。
「松ー、これ全部風呂に入れていいんか?結構あるけど。」
「やっちゃーん、さすがにそれは多いやろ。半分ぐらいでいいよ。」
 俺は氷の入っている袋をとりあえず4つ小脇に抱えて風呂場に向かった。風呂場に着くと、蛇口を全開に開き水を流し込んだ。そして氷の袋を破き、風呂に放り込んだ。4つじゃまだ少ないみたいだ。俺は氷を取りに台所に戻って、もう4つ氷の袋を小脇に抱えた。
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真冬の狂想曲15-4

2006-09-26 16:51:36 | 真冬の狂想曲
15-4
イとチョンは手馴れた手つきで、平井の衣服を剥ぎ取り、素っ裸に剥いた。そして、配線を結束するプラスチック製のバンドで、足と手を縛り付けた。顔面の痛みが薄れてきた平井は、現実に引き戻されてガタガタと震えだした。もう、大声も出さない。
「平井、ようも騙くらかしてくれたのー、俺の金、どうしてくれるんか?あーん?」
「だ・騙したりなんかしてないです。社長!投資が実になるのには時間がかかるんです!必ず大金に化けるので、ま・待ってください!」
「さすがやのー、この状況でまだ騙そうとするか、お前。」
そう言って松は、イとチョンに目配せをした。イかチョンは台所からアイスピックを持ってきて、平井の背中にゆっくりと差し込んだ。2,3cmぐらい先が肉に刺さっていった。すかさず、イかチョン―アイスピックを持ってない方―が平井の口にタオルを押し込んだ。
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パニック

2006-09-23 02:29:52 | はしり書き
 俺の幼馴染で大会社の社長が飛んだ。まともな所での負債だけでもン億円、まともじゃない所での負債は20億円近く。個人としては過去最高ランクのパンクになるだろう。俺もなけなしの銭、300万円を貸している。まー300ぐらいじゃ俺は潰れやしないし、死に物狂いで頑張るつもりだ。それに他に引っ掛けられた連中に比べたら、鼻くそみたいな金額だ。
 一昨昨日ぐらいから、その件でバタ狂ってる。とにかく、アイツの残された家族を仲間で守らなくちゃならない。ヤバイ連中が家に押しかけて来るんで、今日もこんな時間まで(深夜2時)、アイツの家につめてた。たぶんアイツはもうどうにもならないが、残された者は全力で守りたい。死ぬしかないか、殺されるしかないかも知れないが、とりあえず生きていてくれ!お前に不義理かました連中は俺達が許さないから、せめてそれが片付くまでは…。そして出来れば、何年後でも何十年後にでも笑って話そうぜ。

 <真冬の狂想曲>も極力更新するつもりだけど、ちょっと遅れたときは勘弁してくれな!みんな。今回の話は<真冬の狂想曲>にも関係してくる話なんで、続編ででも発表します。
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真冬の狂想曲15-3

2006-09-22 17:48:46 | 真冬の狂想曲
15-3
 ハイエースは古いマンションの入り口の前で停まった。ここがどこだかは俺には解らないが、多摩川を渡って余り走ってないので、川崎には間違いないだろう。俺達はそこで車を降りた。佐々木とノブとキムは車内に残ったままだ。平井はイとチョンに囲まれてマンションの階段を上り、俺と松はそれに続いた。後ろでハイエースの発車する音が聞こえた。平井はその音を聞いて、急に階段を上るのを嫌がった。しかし、平井にはどうする事も出来ない。
 3階の一番奥の表札のかかってないドアの鍵を開け、俺達は平井を押し込んだ。平井は突然大声を上げ、逃げようともがいた。しかし、一瞬で呻き声に変わった。玄関の先の短い廊下で鼻と口から血を垂れ流して倒れている。イかチョンに足を引きずられて部屋の奥まで連れていかれた。
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