S&R shudo's life

ロック、旅、小説、なんでもありだ!
人生はバクチだぜ!!!!

真冬の狂想曲21-5

2007-02-15 01:41:36 | 真冬の狂想曲
「どうした?誰やったん?」
 松は事の成り行きを話し出した。俺は平井を嬲る手を止めてその話を聞いた。
「やっちゃん、向こうはもう泣きが入っちょんわ。もうこの辺で勘弁して欲しいってよ。今電話してきた坂本ってヤツが頭みたいなんやけど、そいつらの商売を譲るけ、それで勘弁してくれってよ。どうもこっちの裏もバッチリ調べとるみたいやのー。完全に泣きが入っちょんけ。そらそうやろ、向こうがヤクザに泣きついてもこっちの方が筋が通っとるけ、向こうは恥かくだけやけのー。それに九州のヤクザは確実に殺すからな~」
「ほんで、向こうの手打ちの条件は何なん?」
 松はニヤッと笑い、テーブルの上に出しておいた煙草を手に取り、それに火を点けた。
「条件も糞もないやろ。ようは坂本ってヤツの保身だけやろ。条件つけるのはこっちやけ。まー明日のお楽しみよ」
 松は安堵感と優越感で顔が緩んでいる。平井は涙と血にまみれて気絶している。俺は未だにイライラしていた。
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真冬の狂想曲21-4

2007-02-08 17:59:55 | 真冬の狂想曲
 平井を散々いたぶって2時間ほど過ぎたとき、テーブルの上で松の携帯電話が振動しだした。松は携帯電話のディスプレイに映った電話番号を訝しそうに見て首を傾げた。知らない番号のようだ。その電話を取るかどうか悩んでいるみたいだったが、意を決したように通話ボタンを押した。
「…松崎ですけど、どちらさん?」
 そう言ったあと、しばらく相手の話を黙って聞いている。
「それはいいけど、電話で話して終わりもなんやけ、ちょっとあんた坂本さんやったけ?1回こっちに出て来んね。こういう話はやっぱ顔つきあわせて話しせんとやろ」
 また黙って相手の話を聞いている。
「おう、分かった。そんじゃー明日リーガロイヤルで4時やな」
 10分近くの通話を終えて松は電話をテーブルに置いた。事態は急展開をみせているようだ。
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