黒沢永紀オフィシャルブログ(旧・廃墟徒然草)

産業遺産と建築、廃墟、時空旅行、都市のほころびや不思議な景観、ノスタルジックな街角など、歴史的“感考”地を読み解く

水戸逍遥 #07

2007-10-21 00:30:28 | ・名もなき廃墟
出張でちょっと行った水戸。
何回かにわたって市内のほころびや近代建築をアップして来ましたが、
今日は駅近くの住宅街の中にある、平屋住宅街の一角です。



水戸市内にはこれまでアップして来たように、
仕舞屋や綺麗めの空家、あるいは一部ほころんだ建物はあるものの、
ちゃんと終わっている建物はそれほどありませんでした。
そんな中、役目を終えて久しい戸建て住宅の集合地帯がありました。






木造と言ってもトタン張り等がされているので、
完全な木造と比べるとそれほど古い印象はありませんが、
それでも一角の中に身をおくと、
あきらかに他のエリアとの空気感の違いを感じます。






かつては相当な数の平屋が並んでいたのではないかと思いますが、
殆ど取り壊されたのか、いまでは5、6棟のみで、
それ以外の土地は新しい戸建てが建つか駐車場かのどちらかです。
このブルーのトタンが壁一面に貼られた2棟も、
かつては手前の駐車場の所まで繋がっていた長屋を、
途中で寸断しトタンで塞いだものだと思います。






家の正面は幅のある茶色の板状トタンが貼られていますが、
家の側面は定番の並板トタンです。
取り外された電気メーターや蛇口のない所に無造作に置かれた石のシンクが、
主がいなくなって久しい事を物語っています。






上画像のピンクのトタン張りの家の玄関が少し空いていたので、
ちょっと失礼して中を拝見させて頂きました。
玄関は段差のある土間の作りで、室内には既に家財道具はなく、
差し込む初秋の日差しに照らされた落葉だけが、
音もなく散らばっているだけでした。

◆ 水戸逍遥 ◆
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