黒沢永紀オフィシャルブログ(旧・廃墟徒然草)

産業遺産と建築、廃墟、時空旅行、都市のほころびや不思議な景観、ノスタルジックな街角など、歴史的“感考”地を読み解く

消滅する街~新宿ノーザンウエスト~#10

2007-01-06 01:17:34 | ・新宿ノーザンウエスト
まもなく消滅する街、
新宿ノーザンウエストの南エリアの話です。

区画のはずれに一軒だけぽつんと残る昭和住宅



背景のビルが立ち並ぶところも全て、かつては住宅街だったところです。
高層ビルの建築に始まった西新宿の再開発の波にのまれて、
徐々に失われていった低層住宅街は、
とうとうこの一角だけが残っている状態です。

別の角度から見てみます。



こちらも背景は高層ビル群です。

少し剥がれたモルタルから顔を出す、
木造の板張りがいい味をだしています。

またまた別の角度から。



ポツーンと一軒。
ビルの谷間に埋もれるとはこういったことでしょうか。

◆ 陰影法について ◆

ところで以前アップした、
新宿ノーザンウエストの北エリアの時もそうでしたが、
なぜかこの地域は曇りの時に見たくなります。

曇りの時に撮影すると、影が殆どでません。
また紫外線の影響も受けないので、色も調節すれば忠実に再現されます。
なにより反射がないので、ペッタリした画像が出来上がります。

影がなくぺったりとして線と色だけの図像というと、
浮世絵とかを思い出します。
日本の絵画に陰影や遠近感を付ける技法が入ってきたのは、
幕末から明治の頃と聞きますが、
もともと日本人には光や影はそれほど重要ではなかったのでしょうか。
そして、このことを今でも如実に感じるものがあります。

映画です。

海外(主にヨーロッパやアメリカ)の映画と日本映画を比べて、
一番大きく違いを感じるのは、画面の立体感です。

おそらく照明効果におう所が大きいのかと思いますが、
欧米の映画の殆どシーンが、
深い陰影とともにかなり立体感あるものなのに比べて、
邦画には、画面全体に照明があてられて影がなく、
立体感を感じないシーンが多いのを感じます。

では何故日本には陰影を強調する方法が、
発展しなかったんでしょうか・・・

続きは明日。

◆ 消滅する街~新宿ノーザンウエスト~ ◆
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