
仕事でちょっと行った台湾の話。
昨日までは、前半いた台中でしたが、
今日からは後半を過ごした台北の話です。
夜遅くに台北に到着し、
朝、ホテルの部屋の窓を開けて真っ先に目に入ってきたのが、
このビルです
▼

壁の具合、ビニール部分の壊れた感じ、
所々割れた窓ガラス、錆の垂れた色合い、
どれをとっても廃墟ビルですが、
ちゃんと現役で使われている雑居ビルでした。
壁面の感じからいって、
日本だったら昭和30年代後半から40年代位にかけてのビルですが、
台湾の建築事情は全く知らないので、
いつ頃の建物なのかは分かりません。
それより、同じ時期だとしても、
おそらく1回もメンテナンスがされていないんではないでしょうか。
ちなみに泊まったホテルがある場所は、
日本で言ったら銀座の新橋寄りくらいな感じの場所です。
実際に街中を歩いてみると、
右も左も廃墟然とした建物がずらずらと並んでいます。
しかも大通りを1本中へ入ると、
その廃墟度数は格段にあがります。
雑居ビルと並んでアパートも多く、
その外観は同潤会アパートを彷彿とさせるものも少なくありません。
画像のようなアパートがあちこちに残存しています。
▼

4階建ての屋上を、増築したプレハブが完全に埋め尽くしています。
ただ同潤会アパートとの大きな違いは、
鉄筋コンクリート造ではなく、煉瓦造が多いことです。
剥落した壁面から積み上げた煉瓦が露出している建物が、
かなりめだちます。
思いのほか大廃墟シティだった台北。
時間が許す限り歩き回ってみようと思いました。
>次の記事 >この特集を最初から読む
【特集】台湾
・#01 高速からの光景
・#02 原住民・邵族の村
・#03 原住民・邵族と拉魯島
・#04 日月潭
・#05 涵碧樓大飯店 The Lalu
・#07 『アキラ』の世界
・#08 ボーダーレスな台北の廃墟
・#09 大繁華街の完全廃墟
・#10 台湾の廃墟感覚
・#11 活気ある廃墟的光景
・#12 檳榔売り
・#13 最終回
個人の自由度が高い集合建築は同じベクトルを有し、魅力的であります
さあ、次回が楽しみ♪
私も九龍城は実際に見ていませんが、
いわれてみると、九龍の小型版が点在しているようにも思えますね。
限りなく増殖した九龍も、
増築に増築を重ねる台北のアパートも、
軍艦島のアパート同様、
使用者の改造が建物に有機的な魅力を与えるような気がします。