黒沢永紀オフィシャルブログ(旧・廃墟徒然草)

産業遺産と建築、廃墟、時空旅行、都市のほころびや不思議な景観、ノスタルジックな街角など、歴史的“感考”地を読み解く

【特集】台湾 #06

2006-02-01 00:24:26 | 臺灣旅行記


仕事でちょっと行った台湾の話。
昨日までは、前半いた台中でしたが、
今日からは後半を過ごした台北の話です。
夜遅くに台北に到着し、
朝、ホテルの部屋の窓を開けて真っ先に目に入ってきたのが、
このビルです



壁の具合、ビニール部分の壊れた感じ、
所々割れた窓ガラス、錆の垂れた色合い、
どれをとっても廃墟ビルですが、
ちゃんと現役で使われている雑居ビルでした。
壁面の感じからいって、
日本だったら昭和30年代後半から40年代位にかけてのビルですが、
台湾の建築事情は全く知らないので、
いつ頃の建物なのかは分かりません。
それより、同じ時期だとしても、
おそらく1回もメンテナンスがされていないんではないでしょうか。
ちなみに泊まったホテルがある場所は、
日本で言ったら銀座の新橋寄りくらいな感じの場所です。

実際に街中を歩いてみると、
右も左も廃墟然とした建物がずらずらと並んでいます。
しかも大通りを1本中へ入ると、
その廃墟度数は格段にあがります。
雑居ビルと並んでアパートも多く、
その外観は同潤会アパートを彷彿とさせるものも少なくありません。
画像のようなアパートがあちこちに残存しています。



4階建ての屋上を、増築したプレハブが完全に埋め尽くしています。
ただ同潤会アパートとの大きな違いは、
鉄筋コンクリート造ではなく、煉瓦造が多いことです。
剥落した壁面から積み上げた煉瓦が露出している建物が、
かなりめだちます。

思いのほか大廃墟シティだった台北。
時間が許す限り歩き回ってみようと思いました。

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【特集】台湾
・#01 高速からの光景
・#02 原住民・邵族の村
・#03 原住民・邵族と拉魯島
・#04 日月潭
・#05 涵碧樓大飯店 The Lalu
・#07 『アキラ』の世界
・#08 ボーダーレスな台北の廃墟
・#09 大繁華街の完全廃墟
・#10 台湾の廃墟感覚
・#11 活気ある廃墟的光景
・#12 檳榔売り
・#13 最終回
 


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2 Comments

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又しても おお~ (GG-1)
2006-02-01 13:58:23
同潤会アパートというよりも、私にとっては見果てぬ夢であった九龍を連想してしまいます

個人の自由度が高い集合建築は同じベクトルを有し、魅力的であります

さあ、次回が楽しみ♪
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Unknown (廃墟徒然草)
2006-02-02 02:15:28
▼GG-1さんへ



私も九龍城は実際に見ていませんが、

いわれてみると、九龍の小型版が点在しているようにも思えますね。

限りなく増殖した九龍も、

増築に増築を重ねる台北のアパートも、

軍艦島のアパート同様、

使用者の改造が建物に有機的な魅力を与えるような気がします。

 

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