現存する唯一の同潤会の集合住宅、
上野下アパートをシリーズでお送りしています。
→Mapion
上野アパートが、同潤会の解散後、
自主団体によって管理されてきた話は、
前回の記事でも触れましたが、
建物の内部を見ると、それがよくわかります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2c/24/6fa21347e0a1331d442d7b8e38b7b2b8.jpg)
2号館の入口にある受付の窓口。
ほんの少し20年代風のデザインが施された木枠の窓が、
今でも奇麗に残っています。
そして中央に写る「受付」のプレートの文字は、
なんと右書き文字です。
(画像をクリックすると拡大します。)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/58/4c/3bd1469172f47d83a3fd5f89bba62bdc.jpg)
上野下アパートは戦火を逃れたので、
今でも多くの戦前から住んでおられる方や、
そのご家族によって使われているようですが、
三ノ輪とは正反対に、
内部もとても奇麗な状態に管理されています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/46/11/a9d7a2c120aebfc06f443d3a292b3267.jpg)
玄関の扉も、ほぼ当時のまま奇麗に使われています。
手前の手摺も、丸みを帯びた四角と曲線で構成された、
ささやかな20年代を感じるデザイン。
80年の間には老朽化したこともあったと思いますが、
これもまた行き届いた管理の賜物でしょうか。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7e/33/1b1aeb88c1a8e2a634d41e8280c504f0.jpg)
共同トイレも、汚いという印象は全くなく、
手入れが行き届きながら使い込まれた味が、
滲み出ています。
おそらく木部が多い事が、
この味をだしているんじゃないでしょうか。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4f/2f/0271916e9689295a9eeb3dadf3176fc7.jpg)
屋上のペントハウスには、
ちょっと不思議な空間があります。
これは三ノ輪アパートにもありましたが、
ペントハウスの半分くらいのスペースに、
石造りの土台があり、その中央に水タンクが乗っています。
石造りの周囲は円形のシンクのような造りになっていて、
ここで水仕事ができるような造りですが、
歯磨粉などが置かれているのを見ると、
洗面所として使われているようです。
風呂無しに共同トイレの生活は、
住むにはとても不便だと思います。
いまでこそ、貴重な遺産として見れますが、
時代によっては、ただ古めかしい、
不便なビルだとしか思えなかった時期もあったと思います。
でもそれをおして、ここまで改造をせずに使い続けたのは、
ひとえに住民の方々のアパートへの愛じゃないでしょうか。
しっかりと使い込まれたこのアパートは、
多くの物が、無用に更新されていく今の日本に、
沢山のことを教えてくれるんではないかと思います。
上野下アパートをシリーズでお送りしています。
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上野アパートが、同潤会の解散後、
自主団体によって管理されてきた話は、
前回の記事でも触れましたが、
建物の内部を見ると、それがよくわかります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2c/24/6fa21347e0a1331d442d7b8e38b7b2b8.jpg)
2号館の入口にある受付の窓口。
ほんの少し20年代風のデザインが施された木枠の窓が、
今でも奇麗に残っています。
そして中央に写る「受付」のプレートの文字は、
なんと右書き文字です。
(画像をクリックすると拡大します。)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/58/4c/3bd1469172f47d83a3fd5f89bba62bdc.jpg)
上野下アパートは戦火を逃れたので、
今でも多くの戦前から住んでおられる方や、
そのご家族によって使われているようですが、
三ノ輪とは正反対に、
内部もとても奇麗な状態に管理されています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/46/11/a9d7a2c120aebfc06f443d3a292b3267.jpg)
玄関の扉も、ほぼ当時のまま奇麗に使われています。
手前の手摺も、丸みを帯びた四角と曲線で構成された、
ささやかな20年代を感じるデザイン。
80年の間には老朽化したこともあったと思いますが、
これもまた行き届いた管理の賜物でしょうか。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7e/33/1b1aeb88c1a8e2a634d41e8280c504f0.jpg)
共同トイレも、汚いという印象は全くなく、
手入れが行き届きながら使い込まれた味が、
滲み出ています。
おそらく木部が多い事が、
この味をだしているんじゃないでしょうか。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4f/2f/0271916e9689295a9eeb3dadf3176fc7.jpg)
屋上のペントハウスには、
ちょっと不思議な空間があります。
これは三ノ輪アパートにもありましたが、
ペントハウスの半分くらいのスペースに、
石造りの土台があり、その中央に水タンクが乗っています。
石造りの周囲は円形のシンクのような造りになっていて、
ここで水仕事ができるような造りですが、
歯磨粉などが置かれているのを見ると、
洗面所として使われているようです。
風呂無しに共同トイレの生活は、
住むにはとても不便だと思います。
いまでこそ、貴重な遺産として見れますが、
時代によっては、ただ古めかしい、
不便なビルだとしか思えなかった時期もあったと思います。
でもそれをおして、ここまで改造をせずに使い続けたのは、
ひとえに住民の方々のアパートへの愛じゃないでしょうか。
しっかりと使い込まれたこのアパートは、
多くの物が、無用に更新されていく今の日本に、
沢山のことを教えてくれるんではないかと思います。
最後の同潤会が無くなってしまうのは、とても寂しいですね(T.T)
拙ブログでアップしている記事には、無許可で撮影した物件も多いので、
特にアドバイスなど出来る立場でもありませんが、
無許可が気にかかるのあれば、
例えば上野下アパートのように、現役の物件の場合、
何度も通い、住民の方々に何故撮影したいのかを分かって頂くまで説明すれば、
ご理解頂けるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。