黒沢永紀オフィシャルブログ(旧・廃墟徒然草)

産業遺産と建築、廃墟、時空旅行、都市のほころびや不思議な景観、ノスタルジックな街角など、歴史的“感考”地を読み解く

廃橋、六厩川橋3

2014-09-16 03:13:44 | 廃道
昨年リリースした国内初の廃道DVD『廃道クエスト』、
そして、今年の春にリリースした第二弾『廃道ビヨンド』、
そして廃道三部作完結編となる『廃道レガシイ』を9/2にリリースしました。
今回も前作や前々作同様、作品に収録した物件の探索リポートをアップしています。



廃道DVDシリーズの最後の撮影、そして作品でも最後を飾る、
岐阜県白川郷にある廃橋「六厩川(むまいがわ)橋」。

御母衣湖の廃道

前回の記事では、
平沼さんは秋町隧道を越え、オープロ班は湖をカヤックで、
別々に六厩川橋へアプローチすることにした所までアップしました。
地図を見てもお分かりの様に、カヤックで橋まで辿り着くには
ほぼ来たルートを引き返し、それから六厩川を遡上しなくてはなりません。





御母衣湖の廃道

湖上は強風が吹き、とても撮影をしてる余裕もありませんが、
川に入ると多少は穏やかになり、当たりを見回す余裕も出てきました。
しかし、至る所に崖崩れの跡があり、
秋町隧道の上を山越えしなくて良かったとつくづく思いました。





六厩川橋

そして必死に漕ぐこと1時間半、
遂に六厩川橋がその姿を現しました。





六厩川橋

陽光に照らされて燦然と輝く廃橋<六厩川橋>の勇姿

このあと、カヤックを停泊出来る場所を探しますが、
殆どの湖岸は崖状で、なかなか見つかりません。
やっと湖岸近くに大きな岩が顔を出しているポイントを見つけ、
湖岸と岩の間にカヤックを挟んで、なんとか上陸が出来ました。





六厩川橋

途中落石を引き起こしながら、湖岸から急斜面を登り、
やっと辿り着いた六厩川橋です。
橋自体は、それほど驚くこともない吊り橋ですが、
やはりここまで来る行程を思い起こすと、
到達の感動はひとしおです。





六厩川橋

銘板もきれいな形で残っています。





六厩川橋

ひとしきり撮影し、辺りを見回すと、
先行して到着していた平沼さんからのメッセージが置かれていました。
秋町隧道を越え陸路から行く方が時間は遥かに短く、
かなり前に橋に到着した平沼さんは、
かつての探索の時に回りきれなかった区間の探索に出かけていました。





六厩川橋

橋の物撮りをしながら小一時間が経った頃、
林の向こうから平沼さんの声が聞こえてきました。





六厩川橋

顔を併せるや否や地面に倒れ込む平沼さん。
これで平沼さんは、
六厩川橋を中心とした御母衣湖畔に残る三本の廃道総てを制覇したそうです。





六厩川橋

最後に橋の上で、今回の探索そして廃道DVDシリーズのまとめを収録。





六厩川橋

その後平沼さんは再び陸路で引き返し、
オープロ班はカヤックで来たルートを、それぞれ戻ります。






六厩川橋

六厩川橋を離れて暫くは、湖畔の廃道を湖面からもみることが出来ます。
ちょうど廃道を通って戻る平沼さんを発見。





六厩川橋

画像上部の岩肌の切れ目辺りを拡大すると、
果敢に崖崩れを横断する平沼さん。
もし秋町隧道を全員で越えることができていたら、
あの崖崩れを越えなくてはならなかったのかと思うと、
今思えば、水没隧道を越えることができなくって、
ほんとによかったと思います。

その後オープロ班は最初のカヤックスタート地点に戻り、
私はカヤックを降りて、大西さんが平沼さんを迎えに行きました。





御母衣湖

行きには20分位で到達出来た対岸の入江に迎えに行った筈なのに、
1時間を過ぎても戻ってきません。
どうしたのかとやきもきしていると、やっと湖面にカヤックの姿が見えました。
昼にも増して風が強くなり、湖岸で風止みを待っていたそうです。





御母衣湖

だいぶ陽が陰ってきたので、カヤックをいそいで解体。





御母衣湖

そして撤収です。





御母衣湖

最後に全員でお疲れのショット。
これが廃道シリーズ最後となる集合写真。



シリーズの最後を飾る六厩川橋は、
かつて車が通行出来た時は、
それほど到達するのに困難ことはなかった筈の橋。
しかし、ひとたび道が使えなくなると、
これだけ苦労しないと到達出来なくなってしまうのを知り、
あらためて道の素晴らしさを実感させられました。

次回は約二年にわたって行なって来た、
廃道撮影リポートのまとめです。



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