黒沢永紀オフィシャルブログ(旧・廃墟徒然草)

産業遺産と建築、廃墟、時空旅行、都市のほころびや不思議な景観、ノスタルジックな街角など、歴史的“感考”地を読み解く

風間健介新作展

2008-06-10 04:01:55 | コラム:アート・デザイン・音楽・映像
新宿の三井ギャラリー東京で開催されている風間健介新作展へ行きました。
写真集『夕張』で数々の写真賞を受賞し、長年の北海道での活動に終止符を打った後、
東京へ出て来てからのおそらく最初の大きな新作展だと思います。
(以前吉祥寺で井の頭公園の新作展をちょこっとやっていましたが)



北海道での炭鉱写真で知られる風間氏ですが、
以前から「僕は炭鉱写真家ではない」と聞いていた様に、
今回展示されていた作品は全く炭鉱の「た」の字も無いものばかり。

多重露出で造り上げた桜、
スローシャッターで撮影された水槽の金魚、
「東京うらがえし」というシリーズの裏焼きしたカラー写真など、
風間氏の意欲が感じられる作品群でした。



東京うらがえしは基本的な撮影方法を使いながらも、
その場所を知っている人間には
ちょっと頭の中をかき回される気持ちいい作品。







東京うらがえしはモノクロ作品も展示されていましたが、
こちらはかつての風間氏のモノクロ写真に通じるテイストで、
安心して見ていられる作品です。







「AGE」と表題が付けられた作品は、「エイジ」ではなく油揚げの「揚げ」。
油揚げを大判のフィルムサイズに整えてダイレクトに焼き込んだ、
今回のラインナップでは一番完成度が高い意欲作。

なべて意欲が先行しがちな印象を受ける仕上がりなものの、
今後面白い展開が期待出来る作品群でした。

会期は水曜日 [6/11] まで。



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