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壊れたニッポンを治す為の処方箋#3:12月30日の日経に記載されていた世界の大学の授業料の比較から見える問題点と記事の幼稚さ

2025年02月08日 12時05分18秒 | 社会全般
12月30日に世界の大学の授業料や収入の内訳を記載したページがあった。この紙面ではグラフなどの視覚的情報が沢山掲載されているのだが、授業料と奨学金の視点と、収入の内訳の2点での論評を行いたい。授業料は国によって様々だが、収入の見劣りが大きい。

先ずは授業料に関してだが、国家によって考え方がかなり違う様で、授業料が実質無料のドイツやフランスと、公立と私立の差が少ないイギリス、そして公立と私立とで差がある日本やアメリカなど、国家の考え方の違いが大きく、比較のしようがない。ただ一つ言える事は、授業料が高い海外では、奨学金などの支援が手厚く、特に返還不要の奨学金が充実している所が日本との違いであろう。

アメリカの場合、殆どの大学にはキャンパス内に学生寮が併設されており、生活費を抑える事が出来る。日本の学生寮の様に上下関係などの人間関係での問題も少なく、当然食事も提供されているので、親としても安心して預けられる。

一方日本の大学では授業料はアメリカよりは安いが、アパート暮らしをしている学生は多く、交通費も含めた生活費の負担は都会になるほど高い。昨今の日本と海外との物価の差を考えると、日本の方が安いかも知れないが、2000年以前であれば、アメリアの田舎の大学の方が、生活コストは遥かに安かった。

一番の問題は、大学の収入の差・違いである。この記事では、オックスフォード大とハーバード大学との比較情報しかないので、そこからの論評に限定してしまうのだが、先ずは収入金額と収入の内訳に大きな違いがある。

金額面では、東大は1736憶円に対して、オックスフォード大学は3308憶円、そしてハーバード大学は6062憶円と、大きな差がある。そして差より大きな違いは、その収入の内訳であろう。当然、公立大学の東大は交付金が40%以上を占め、約700億円程度であるが、一方のハーバード大学は交付金ゼロである。一方授業料の割合は、東大が凡そ10%を占めているのに対して、オックスフォード大学は15%程で、ハーバード大学は22%程度である。公立と私立を比較する事自体に問題があるが、比較において授業料が安い東大での授業料の割合が高い事が懸念事項であろう。

この中で一番大きな違いは、オックスフォード大学やハーバード大学では出版業や資産運用などの収入が30%以上占めているのに対して、東大はゼロである事である。東大は自らの力で、収入を得る事が出来ていないと云う、決定的な課題が浮彫になっている。

ただこの記事自体に沢山の問題がある。一つはハーバード大学での寄付金収入の金額を記載しているが、東大やオックスフォード大学ではその金額を記載していない。そして一番の問題点は、学生一人当たりの割合や金額の記載がない事である。総額で記載しても、各大学は学生数が全然違う。その状況下で総額で比較しても、新聞社が出す情報としては、かなり幼稚であると言える。

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