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壊れたニッポンを治す為の処方箋#3:10月23日の日経「新卒採用綱渡り 来春の計画達成率 理工系最低」で表出された問題点

2024年12月07日 16時13分42秒 | 社会全般
10月23日の日経に、「新卒採用綱渡り 来春の計画達成率 理工系最低」云う記事があった。理工系の学生の採用に苦労しているとの事だが、残念ながらこの記事はその理由の深掘りが全く書かれていない。そこでその理由を想像してみたい。

大学の学生数については、文系の学部・学科(多分学生数も)が増えているが、理工系の学部・学科(学生数)が微減していると聞く。しかし理工系の達成率が低い主な原因は、学生数の減少よりは、理工系の求人数が増えているからだろう。因みに、来年辺りから大学での理工系の学生数を増やしていく方針だったと記憶している。

理工系の学生向け求人が増えているとの前提で話を進めるが、何故企業は理工系の求人を増やしているのだろうか?先ずはこの点を考える必要がある。多分それは、企業が求めている人材は、文系より理工系の方に居ると云う事だろう。

先ず明確なのは、理工系の教育の方が、実社会で直ぐに役立つ教育を行っていると、企業は考えているのだろう。そして一般的に云われている事だが、理工系出身者の方が、論理的な思考が出来ると云われている。社会では時には情緒的な思考が必要だが、論理的な思考が必要である事が多い。豊洲市場への移転の際に「安全ではあるが、安心ではない。」と云った何処かの愚かな知事の様な意味不明の情緒的な思考が優先されると、社会は壊れてしまう。

教育現場での問題は、自分の4月20日に掲載したBlogにも書いているが、日本では理工系の学位取得者は”全体の35%に留まり、英国の45%、ドイツや韓国の42%より低い”と云う事が問題である。そもそもの理工系の卒業生の割合が低い事が問題であり、改善が必要である。その問題点に漸く気が付いたのが、今年の4月20日に紹介した記事である。
”https://blog.goo.ne.jp/s_and_m_consul/e/1cdf58bc8d96cc82559174a5529c3b22”

そして文科省が指導している大学教育の問題点は、既得権益を守る為に、長年定員を抑制してきた事である。定員を抑制してきたため、下位層の大学でも学生を集める事が出来る。そして文科省を引退した人が、そこに就職する...。一種の利権構造を維持してきた仕組みだと言えよう。

それから企業側の問題点は、理工系を求めている割には、理工系の初任給が、文科系と殆ど変わらない点にある。本来であれば、理工系の学生の方を求めるのであれば、文科系より高い初任給を払うベキである。そうすれば、より多くの高校生が理工系を目指す様になり、自ずと理工系の定員を増やす必要が出てくる。因みにアメリカでは文系と理工系とは、初任給が倍以上違う現実を、企業や国民は知るべきであろう。

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