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新国立オペラ「トリスタンとイゾルデ」5時間25分の奇跡のオペラ

2024-03-14 23:42:00 | 新国立劇場オペラ
今夜は新国立オペラ「トリスタンとイゾルデ」初日でオペラパレス。
演出デイヴィッド・マクヴィカー、指揮大野和士のプロダクションは2010年の再演。
すごい、unbelievable、5時間25分の奇跡のオペラ。
演じ続けたゾルターン・ニャリにはトリスタンが、歌い続けたリエネ・キンチャにはイゾルデが、のり移っていた。どうやったらこんなことができるのか。

ヴィルヘルム・シュヴィングハマーの裏切りへの嘆きは心に突き刺さった。
エギルス・シリンスはトリスタンの死の間際まで忠誠を見せて泣かせた。
藤村実穂子さんは2019年「ウエルテル」以来だが今日も素晴らしかった。日本の誇り。

大野マエストロの都響は、わたしたちを官能の海に導いたと思えば、胸が締め付けられる絶望の場へ突き落とし、激しく2人に感情移入させた。
ワーグナーの実演を観たのはタンホイザー、マイスタージンガー、ワルキューレ、パルジファルだが、今日の公演は比べることができないほど素晴らしい。これぞワーグナーオペラ。生きている間にあと何回くらいこんなオペラを観れるんだろう。

トリスタンとイゾルデは新国立では2010年、METでも2016年以降やってない。ヨーロッパでもバイロイトかベルリンでないとそうは観れないだろう。東京で観れることが奇跡に思える。
先月は東京二期会タンホイザー、今日はこのトリスタンとイゾルデ。世界最高レベルのワーグナーオペラを上演する東京ってすごい街。そう思う。
今夜は素晴らしい夜だった。







































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