いつもご愛読ありがとうございます。2017年も引き続きご愛読ください。皆様方のご多幸と、ご健勝をお祈りいたしております。 芦坊拝
いつもご愛読ありがとうございます。2017年も引き続きご愛読ください。皆様方のご多幸と、ご健勝をお祈りいたしております。 芦坊拝
2016年も暮れようとしています。私の身の回りは、特段変わったこともなく、リタイヤ生活を満喫とまではいきませんが、大過なく送ることができました。
お店関係も、折々のイベントは相変わらずの盛り上がり。また、開拓団、探検部、狩猟部、山岳部などの部活も活発。句会のほうも、次は、節目の60回を迎えるとあって、慶賀にたえません。忘年会も、参加者が、去年より少なかったのは、ちょっと残念でしたが、二次会込みで、大いに盛り上がって、何よりでした。私のアブない「芸」にご参加いただいた皆様ありがとうございました。
さて、眼を世の中や政治の世界に転じれば、腹立たしいことだらけ。書くだけで、一層怒りが募るから、いちいち書かないが・・・・・
さて、当ブログも今年最後のアップになりました。せめて最後は笑い納めということで、格好のネタ本を見つけてきました。
ちょっと古いですが、「最後のちょっといい話」(戸板康二 文春文庫 1994年)がそれです。著者(故人)は、演劇評論家が本職ですが、演劇関係だけでなく、作家や歌手など幅広く交際してきた人。これは、そんな付き合いの中から拾ってきたエピソードを集めた本で、一連のシリーズの内の一冊です。
以前紹介した「芸人その世界」(永六輔)とよく似た趣で、手短かで愉しい話題が満載です。折に触れ紹介していこうと思っています。それでは、さっそく、第一弾を。
桂文楽が新宿の末広亭のトリに出た帰り、大塚の女性の家に立ち寄り、近所でタイヤキを買って帰宅すると、おかみさんが「大塚へ何しに言ったんです」その袋にゴム印が押してあったのだ。
文楽がつぶやいた。
「風月じゃあるまいし、タイヤキの袋にスタンプを押すなんて、何とも悪いタイヤキ屋だ」
インテリお笑い芸人として名をなした古川緑波をめぐるエピソードです。こちらの方です。
戦争中、放送局のスタジオにいた緑波の稽古がうまくゆかずに癇癪をおこしたので、局でしか聞けない短波で、アメリカから電波で送ってくる謀略放送を聞かせた。
「日本の皆さん、降伏したら、うまいチョコレートをいくらでも食べさせてあげます」と日本語で言う。
緑波が、「ぜひ私にアメリカ向けの放送をさせてくれ」といい、英語で「神よ、助け給え、ルーズベルトが病人なので、無茶苦茶な号令ばかりかけている」といった。
次の日、アメリカの短波が大まじめで、こういった。「ルーズベルトは、神様のおかげで元気になり、日本の捕虜諸君に楽園を与えています」
すっかり乗った緑波が「こんどはルーズベルトの声帯模写でやろう」。局は困って、「もう、けっこうです」
先々代の中村時蔵の娘が、ダーク・ダックスの高見沢という歌手と結婚した。古い歌舞伎の役者は、英語が苦手なので、聟の属しているグループの名前がなかなかおぼえられない。誰かに尋ねられた時、いろいろ考えて、「何でも、汗をかいているような名前でしたな」
中条静夫という俳優がいる。この姓はチュウジョウと読むのだが、軍隊に入った時、上官がナカジョウと呼び、自分もそう名乗るよう命ぜられた。
「チュウジョウ(中将)」と叱りつけるわけにゆかないからだ。
美空ひばりに一度会ってみたいという三島由紀夫を中村メイ子がひばりのパーティーに連れて行った。三島は「長年あなた様にあこがれていました。ぼくは小説を書いている三島由紀夫というものです」と名乗る。ひばりは「まぁそう、よくいらしたわね、小説は御苦労のある仕事でしょうね」といった。三島が「なかなか思うようなものが書けません」という。するとひばりが「くじけちゃダメよ、あんた、へこたれちゃ」
いかがでしたか?笑い納めていただけましたか?今年もご愛読ありがとうございました。来年も硬軟取りまぜ、「タメになる」話題をお届けするつもりです。
皆様、どうかよい新年をお迎えください。なお、新年は、1月6日(金)からアップの予定です。引き続きご愛読ください。 芦坊拝
ついにお店のマスターがスマホデビュー。「電話のかけ方、受け方は分かったんだけど、メールのほうがどうもね・・・」
少しとまどいながらも、いきなり最先端スマホの世界に飛び込んで、なんだか嬉しそう。
で、私はというと、とりわけ立派な主義主張とか信念があるわけじゃないんですが、ずっと「ガラケー」を使い続けています。こちらです。
自宅では、デスクトップパソコンのほかに、タブレット端末数台を利用して、人並みか、それ以上のネットライフを送ってるんですが・・・
特に、出先とかで不便を感じたことはありません。フェースブックとかやってれば、スマホは必須のアイテムなんでしょうが、あいにく、そっちの方には、まったく関心がありません。脇目もふらず、没頭してる人を見ても、気の毒に思うだけ。
加えて、出かける時も、必要な情報はあらかじめ調べていって、事足りることが圧倒的に多いから、というのも理由のひとつかも。
とはいえ、実は、他人(ひと)様のスマホに助けてもらったことがあって、便利さはよく分かっているつもり。
先日、渋谷のミニ映画館に出かけた時のことです。上映館と上映時間は、事前に調べて、出かけたのですが、場所は、比較的よく行く映画館のほうだと、勝手に決め込んでいたのです。そこに着いて、上映作品を見て、勘違いに気がつきました。
渋谷にもう一つある映画館へ行くべきだったのです。もちろん名前は分かっていたのですが、こちらのほうは、とんと行ってないので、場所が思い出せません。NHK放送センターの近くというおぼろげな記憶を頼りに、とにかく来てはみたものの、さてどうする。
ちょうど向こうから、若い女性の二人連れが歩いてくる。一人が、スマホを手にしているのが見えたので、思い切って声をかけることにした(ナンパする時みたいに、ちょっとドキドキしましたが・・・)。
「すいません、実は、◯◯ミニシアターを探してるんですが、そのスマホで調べていただけませんか。この近くにあるはずなんですが・・・・」
いい歳をしたジイさんが、二人連れの女性をナンパするはずもない、と安心したのでしょうね、格別驚いた風もなく、サクサクッと調べて、画面を見せてくれた。
「今、ここですから、そこの通りの2本目の道を左に入って、すぐですね」
「いや~、助かりました。ありがとう」
「いえ、いえ」
とっさの知恵と、厚かましさに我ながら、あきれたり、笑ったりでしたが、きっとスマホも持ってない可哀想なジイさん(事実そうなんですが)と思われて、親切にしてもらえたのでしょうね。
「今どき、ジイさんも、スマホくらい持てよ」あとで、そんな会話をしていたのかもしれませんが、気持ちのいい女性たちでしたよ。どうやら、スマホには、親切心をくすぐる「機能」も備わってるみたいです。
で、スマホを使う気になったか、というと相変わらず、ガラケー愛好。いざとなれば、他人(ひと)のを利用する術を身に付けてしまいましたので・・・・
実は、その後、もう一度、場所探しで、他人(ひと)様のスマホのお世話になった。懲りてない!
サンマは目黒に限る。
スマホは他人(ひと)のに限る。
いかがでしたか?それでは次回をお楽しみに。
過激なタイトルで、久しぶりに、「生き物」関係のアカデミックな話題をお届けしようと思います。
実は、これは、ブルーバックスシリーズの本のタイトルで、著者は、広島大学大学院生物圏科学研究科准教授の長沼毅氏です。生物とは何か、生命とは何か、というテーマに、進化、遺伝子などいろんなアプローチで挑んだ意欲作です。なかでも、我々の想像を超える超能力というか、耐性を備えた生き物の話が、群を抜いて面白く、私の好奇心、不思議心をくすぐります。
その世界で有名な生き物といえば、「クマムシ」でしょう。こんな虫です。
体長は、1mm前後のありふれた生き物ですが、過酷な環境にさらされると、カラダの水分をほぼゼロに近い状態まで脱水し、「樽」と呼ばれる状態になります。こうなると、上は151度の高温から、下は、絶対零度近くまで耐えることができます。X線での致死量は、57万レントゲン。人間の致死量は、500レントゲンですから、とんでもない強さです。宇宙空間での実験では、真空に強いことも実証されています。
総合力では、クマムシが、チャンピオン級ですが、微生物まで含めて、部門別に見ると、更にとんでもない生き物がいることが分かってきているというのです。
まずは、<圧力部門>です。チャンピオンは、お馴染みの「大腸菌」。少しずつ高圧に慣らすように培養を続けた結果、なんと2万気圧でも生きていることが確認されました。地球で生きていくには、どう考えてもムダな能力がいとも簡単に身に付いてしまうのが不思議。
次は<塩分>です。基本的に生物は、塩分に弱いのです。塩の浸透圧で、水分が抜かれ、体内のイオンバランスが崩れるからですが、「高度高塩菌」と呼ばれる菌のグループがある。なかでも、「ハロモナス」という菌は、塩分濃度30%の飽和食塩水(ちなみに海水の濃度は、3.5%)から、真水まで適応できるというからこれも驚異。
ついで<放射線部門>です。現在、この部門のチャンピオンは、「ディノコッカス・ラジオデュランス」というバクテリアです。1956年にアメリカで、食肉保存の研究のため、致死量レベルのガンマ線の照射を行ったのですが、生き残ったバクテリアとして「発見」されたものです。
このバクテリアが耐えられる上限値は、シーベルト単位で、「毎時」6000万マイクロシーベルト。ちなみに、人間の限度は、「年間で」、5万マイクロシーベルト。
最近、その秘密が明らかになったのですが、この菌はなんと4セットのゲノム(遺伝情報の総体)を持っているというのです。放射線でDNAの塩基が損傷しても、残るゲノムの情報と突合して、正しくゲノムを修復できる、ということらしい。う~ん、その能力いらんやろ?とツッコミを入れたくなります。
最後は、<長命部門>です。なんと、2億5000万年前の岩塩から生きて発見された「ハロバチルス」と呼ばれる微生物がダントツの世界一。恐竜が地球に出現する以前から生き続けているワケで、ここまでくれば、なにがなんだか分からない。ホンマかいな?
ざっと、こんなところですかな。
たまには、アカデミックな話題、いかがでしたか?それでは次回をお楽しみに。
小中学校の頃、答えが分かって手を挙げる子はいくらでもいました。こんな感じで。
でも、分からないところがあるからといって、質問する子は、まずいませんでした(質問に名を借りて、先生を困らせる生意気なガキならいましたが・・・)。
その延長だと思うんですが、講演会なんかでも日本人のオトナって、質問しませんねぇ。
「つまらない質問をして」、「そんなことも知らないんだ」とか「的外れなこと訊いて」とか思われるのがいやなんでしょうね。世間体を気にする、恥をかくことを何より恐れるのが、子供の頃から刷り込まれてるような気がします。もちろん、質問する気にもならないつまらない講演会も、ないわけじゃないですが・・・
常々参加している某倶楽部の例会で、長年、ラジオの人気番組のパーソナリティーを務めている方をゲストスピーカーとして呼ぶことになりました。
講演会の進め方について、本人から「決まりきった話をしても仕方がないので、私の話は、アタマの15分くらいにして、残り45分ほどは、会場の皆さんからの質問に答える、というかたちにしたい」との提案があり、その線で進めることに。
事務局長も、たぶん頭を抱えたんでしょうね。「質問しない」日本人の習性を考えたら、45分はとても持たない、大変だと。
で、事務局メンバーに急遽打ち合わせの連絡が入りました。事前に、どんな質問(まあ、サクラ質問というやつですね)を用意するか、割り振りなども含めて相談しよう、というわけです。
子供じゃないんだから、わざわざ集まる必要性が分からない。各メンバー1~2問くらい考えておいてくださいね、で済む話じゃないかと思うんだけど。でもまあ、特に予定もなかったので、面白半分で顔を出してみました。
ー蓮舫議員(当時。今や党首)の「つまらない男」発言をどう思うか訊いてみたい
ー芸能界の裏情報みたいなことはどうかしらー
この程度のくだらない、下世話な質問しか思い浮かばないメンバーのレベルに、呆れます。「ラジオの世界で長年やって来られて、つまらない番組が多いテレビ業界の現状をどう見ているか、訊いてみたい」とエントリーだけして、いつもの店で、飲み直した。
さて、当日の様子を報告しなければならない。
で、結果から言うと、事前の準備に熱をあげるほどのことはなかった。
15分だけとはいいながら、そこは、しゃべりのプロ。しゃべりだしたら、やっぱり止まらない。50分の独り舞台を、大いに笑わせてもらい、楽しませてもらった。
戦前の生まれで、ラジオが唯一の娯楽の時代。アナウンサーの真似ごとの延長で、自然とこの世界を目指したことなど、まずは、きっかけ話から。
ラジオの世界で長くやって来たので、顔が知られてなくて、ごく普通の生活が送れるがなにより、との話には、なるほどと納得。
「だけど、タクシーはいけませんねぇ。声で分かっちゃうんですよ。タクシーの運転手さんには、よく聴いていただいてますからねえ。そうしたら、ヘタなお釣りは受け取れませんよね。泣く泣く「お釣りは取っといてください」になっちゃうんですよ」と、しっかり笑いも取って、さすがの話術を披露してくれました。
あれやこれやで、あっという間に50分が経って、残り10分が質問タイム。「予想通り」手が挙がらないのを見極めて、私からの「予定」質問と、事務局長からの「おつきあい」質問の2つが出て、時間もピッタリ。終わってみれば、予定調和の世界。
万全の準備をしてこの結果。世の中、こんなもんですね。
いかがでしたか?それでは次回をお楽しみに。