SAKURA ふるきよきうつくしきもの 

包む 結ぶ 遊ぶ いにしえに学ぶ

香畳

2022-06-26 13:09:00 | 

夏越しの祓 も週末に迫りました。
今年は年初から家人に健康上のハプニングが重なりましたがどうやら寅年の半年も過ごせましょう。
今月もなんとかアップできて幸せです。

 これは足利義政公が香合わせを催した折のお道具として 『東山殿香合』の書物の他、五月雨之記、五月雨日記 など写した書物があります。 

 絵を描いて下さった友人の協力をえて長年の夢が叶いようやく手作りできました。と言ってもまだ未完成ですが、ちょうど 
『さつきまつ花橘の香をかげば昔の人の袖の香ぞする』
のお歌の頃なので盧橘の図の香畳を一つアップ致します。
10センチほどの小さなお品ですがこの中に香合わせに必要なお道具が入ります。
先人の優雅な知恵に学びをいただきます。

葦手の手法がありますのでそれが完成するのはいつでしょうか。



PS
このTea Cup のブログも八月から停止だそうです。
これを契機にSAKURAも終わらせようか迷いますが、上手く移行ができれば細々続けたいな、と思っているのですが、未定です。

2005年からの私の記録としてこの先も続くといいのですが、よる年並みで思う事がままなりません。

追記
長い間ご支援下さいり又コメントをお寄せ下さった皆様ありがとうございました。心より御礼申し上げます。

gooブログに移行しましたがタイトルがSAKURAになりません。
又今操作を間違えてしまいややこしい事になり、移行先のURLがわからなくなりお知らせが出来ません。最終日までに何とかしたいと思います。(7/24)

 


香筥

2022-05-31 00:09:00 | 
麦秋至候となりました。
 ここ数年の梅雨入りは五月末のようでした。今年は少し遅く六月上旬のようです。
 
 『 折から五月雨のころ 』と始まる『五月雨之記』の五月雨は梅雨の頃です。
先日インスタに上げましたがこのトップの写真は二枚目で表に出ていませんでしたのでSAKURAではトップにしてみました。
最近の宝物になりました。
長いお付き合いの岡垣漆器店さんのストーリーズで偶然拝見して可愛さに魅了され、お尋ねすると既になく、新たに作って頂きました。 オリジナルはグリーンでしたが五月雨のイメージで瑠璃色に、本題も表紙の色も春の野辺の様子もお好みとなりました。
縦4センチほどの小さな香筥ですが四面に春の野辺の花々が細密に描かれています。

 『五月雨之記』は何度もSAKURAで取り上げた『東山殿香合』とほぼ同じ内容の香道の秘書です。
今、以前も作った香畳を作っていて間に合えば載せたかったのですが未だ完成していません。どんな風になるのか?
 素敵な紙が見つかっても裏張りすると雲母が下の紙についてしまったり、付かない紙を探すと色の乗りが悪かったり、トラブルばかりです。
 今月もアット言う間に過ぎてアップ出来ないかと思いましたがなんとか滑り込めました。
インスタと同じ物をあげるのは本意ではないのですがお目溢し下さいませ。



花水木の花包

2022-04-25 00:27:00 | 
「霜止んで苗出る候」となりました。
 SAKURAの再開から二年たちました。
 以前は七十二候毎の更新で月初は花包を載せていましたので今月は珍しく庭の花水木を包んでみました。

 これはいつもの花包の本ではなく 西田虎一著の 花包です。
お花を入れると形が崩れてインスタではいつも上手く撮れません。今回は花包だけでお許しを。


十組の総包

2022-03-30 12:16:00 | 
弥生も晦日となりました。
桜は満開となりましたが🇷🇺と🇺🇦の戦争はもう一月も続き、痛まし事です。今この世にこんな事が起こるなんて、理不尽で凄まじく、あってはならない悲しい事です。
 復興十年の福島では16日、最強震度6の地震があり、どんなに祝賀気分が萎えた事でしょう。さぞお辛いこと思います。
 日本も世界も大事が起こり、我が家も春をうらうらと謳歌する気分にもなれず、今になりました。

 あまり季の物ではありませんが以前いくつかあげた 十組の総包 を並べてみました。
これは私が総包を折って、香書指定の繪を書いて頂きました。 この十組は香包の形も違うのであらかじめ折っておき、すぐに使用出来るように揃えておきます。
 ここには十組ですが 本来三十組あります。(この中から十組選びました)
三十組の総包の絵柄、香木の包方、皆違いそれぞれ決まっています。 
 この包方は一組 25包から5包などと組香によって違いますが本香と試香の形も違いますので300に近いお包の数になるのではないでしょうか?
これを下の定家文庫に十組づつ三段の冨久呂に納めています。(冨久呂は2011/1/15 他にあります)

包方は三十組お習いしましたが総包は十しか作りませんでした。
 こうした伝授が消えていかない事を願います。


香畳 携帯火道具

2022-02-20 13:00:00 | 
今年は寒気が居座って各地で大雪が降り北国の方々は雪かきに追われ難儀なさった事と思います。
今週も大雪や荒天が続くようで春が待たれます。
 
 我が家も夫の入退院、再入院と思いがけない事がおきました。 
私も打撲してパンダ顔になったりしてアップは見合わせるつもりでしたがどうやら書ける気持ちになりました。

 このお道具は 香畳 と言い、2006年に『東山殿香合』のお道具として載せましたが今回携帯香道具と一緒に撮りました。

 香合せは物合わせの一つで香の優劣を競います。
左方右方に分かれて持参の香を焚き判者が勝ち負けを決めますが、香りだけでなく銘の付け方が重要で、和歌に卓越した文化人ならではの室町時代の香遊びです。

『東山殿香合』は足利義政公が催した有名な香合せで、その雅な様子が書物から分かり、作り方も載っているので以前裂で作りました。
『東山殿香合』には図柄があり絵と和歌の一部で判じ文のような『葦手』になっています。
「彩色のこと」として紙の色まで書かれています。

 三番の香合わせですが一番毎に左方、右方交互に出香して競うので6枚、その裏表の12図が残されています。 これを再現したいのですが絵も文字も書かねばならず、出来ぬまま16年以上経ってしまいました。 

 優劣は付けませんが 焚き継香 と言って、香りや香名のイメージから持参の香を焚き継ぐ連歌のようなお香もあります。
インスタの 香差し は種々の香包を携帯する時のホルダーですが、香畳は香合の時、席中で用います。

下は普通サイズの七つ道具と携帯香道具を並べてみました。携帯道具の小ささが分かると思います。
香畳の折方の図も載せておきます。
クリックで大きくなると思います。