雁水へ帰る候となりました 。
4月に入っても寒い日が続きます。桜花は枝に安らって思いの他長い間楽しませてくれています。
今月は帙のいろいろを載せたいと思います。帙は大切な本を保護するものですがその本の顔にもなるように布なども選んで凝ったものが作られるようです。
写真のご本は松岡調先生の『作品とその世界 未完のうちに潜むもの 』で、先生の蒐集された布地やお茶のお道具、軸装の写真が満載された貴重な本です。工藝サロン梓さんの肝入りで上梓され、編集もお茶の生徒さんらが主にあたりあたたかな仕上がりになりました。写真は皆さんの希望でご一緒に帙作りを楽しんだ折りのものです。
滴々は「一しずくつづ浸透するように」とのお心を一枚一枚手書きされ本に添えたものなので窓に収めて飾れるように考えてみました。こうしたところが手作りの楽しさではないでしょうか?
これは丸帙で本の三方を包む形のものです。
帙を閉じたところは左のような感じです。布が長くありましたので裏の見返しにも使ってみました。
ご本に錆朱の帯がかっかているのは本のお包を考える機会を頂いてお名前が見えるよう掛け紙風に工夫してみたものです。こんな栄を頂けて身にあまるものでした。大事にしたいご本です。