霜月となりました。
今月の華包は藤袴ですが包は草物一般の包方です。
お香をする者にとって藤袴と言う名前には特別な思いがあります。
ふじばかま ならぶ匂ひも なかりけり花は千種の 色まされども と言うお歌が証歌になった藤袴と言う名香があるのです。
この藤袴は一木四銘と言って、江戸時代に舶来した名木を分けあって夫々の大名家で名を付け、御所にも献上された名香です。ついでですから四銘を書いておきましょう。
細川家所持⇒白菊 伊達家所持⇒柴舟 前田家所持⇒初音 御所⇒藤袴
これらは皆同木でそれぞれにお歌があり、各家でとても大切にされています。
この一木四銘の香木には逸話があり、鴎外が「興津弥五右衛門の遺書」と言う小説にしています。そのお話は長くなりそうなので明日に致しましょう。
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