周平の『コトノハノハコ』

作詞家・周平の作詞作品や歌詞提供作品の告知、オリジナル曲、小説、制作日誌などを公開しております☆

小説第4弾『この道の先には』~第2章~

2014年01月14日 | 小説
2014年2月18日(火曜日)

巷でひそかに流行っているスマホのアプリがあった。
その名は「あなたの最期占い」。

※アプリ…アプリケーションの略。スマホやパソコンにインストールして利用する「応用ソフト」の事。

自分の名前、生年月日、血液型などのプロフィールを一通り入力した後で、100個の質問にYesかNOで答えると、自分の命日と、どのような最期を迎えるかが分かるという、占いの中でも最も胡散臭い類に入るようなくだらない占いだ。

だが、「それが案外そうでもないらしい」という話がツイッター上でひろがっていた。

※ツイッター…140文字以内で好きな事をつぶやいたりできるコミュニケーションツール。パソコンや携帯電話などがあれば誰でも無料で登録・利用できる。

ほとんどの人が「何十年後の何月何日かに何らかの病名で亡くなる」というように今すぐは結果が本当かどうか分からないような占い結果を出される中、
「わずか3日後に交通事故で死ぬ」とか「12日後に心臓麻痺で突然死する」と占われた人が本当にその通り亡くなってしまったというのだ。

もちろん誰もが「単なる偶然だ!」「運命は自分で変えられる!」「本当に当たるわけがない!」というように全く信じようとはしなかった。
ちょっと悪ふざけの過ぎる単なるスマホアプリぐらいに捉えていた。

だが、おそらく唯一だと思うが、その占いが当たって欲しいと願う人間がいた。

それがボクだ。

なぜならばボクは「2014年2月25日(火曜日)に某コンビニエンスストアに車が突っ込むという事故で死ぬ」と占われたからだ。

つまり今日からわずか1週間後だ。

おそらくいつものようにコンビニで週刊少年誌の立ち読みをしているという、ボクにとって唯一の至福を味わっている最中に外から車が突っ込んできて、ボクは死んでしまうのだろう。

でもそれなら本望である。

本望であると思っていた。

そう。彼と出会わなければ。

(第3章へ続く)