周平の『コトノハノハコ』

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小説第4弾『この道の先には』~第3章~

2014年01月21日 | 小説
2014年2月19日(水曜日)

ボクが死ぬであろう日まで、
ボクが勇気を出さずとも死ねる日まで、
あと6日。

「昨日、あなたの最期占いで1週間後に死ぬと告げられたなう。」
「やったぁ!あと6日で死ねるぞ~!」
そんな事をボクがツイッター上でつぶやいてみたところで誰もリプライなんてくれないし、気付いてもくれなかった。
そりゃそうだ。ボクのフォロワー数は0なのだから。

※リプライ…ツイッター上で自分のつぶやきに対して他者がコメントを返してくれる事。
※フォロワー…ツイッター上で自分のつぶやきがその人のタイムラインに表示されるようにフォローをしてくれている人の事。

でも驚くべき事が起きた。

ボクがフォローしてる人がリツイートしてくれたおかげで知る事ができたのだが、
「あなたの最期占いで2014年2月25日(火曜日)に某コンビニエンスストアに車が突っ込むという事故で死ぬと占われた。。。でもそんなの信じないぞ!!」とつぶやいている男性がいたのだ。

※リツイート…他人のつぶやきが良い情報や気に入った内容だった場合にその内容を他のユーザーにも拡散するために再投稿する事。

彼のIDは「@SHO_HEX」、名前は将平というらしい。
どうやら彼もボクと全く同じ占い結果が出てしまったようだ。

それは複数人に同じ結果が出るような、やっぱり適当な占いの単なるスマホアプリにすぎないという事か、もしくはボクが死ぬ時に彼も同じ現場に居合わせるという事のどちらかを意味している。

もし後者だったとしたら、きっと彼はボクの近所に住んでいて、きっといつも同じコンビニを利用して、よく雑誌の立ち読みをしているに違いない。

ボクは思い切って彼にリプライをしてみた。
「はじめまして。実はボクもあなたの最期占いで同じ結果が出ました。フォローさせていただきました。よろしくお願いします!」と。

不思議なものだ。
ボクはあと6日で死んでしまうというのに、誰かと繋がっていたいなんていう人間らしい感情が今更溢れ出していた。

(第4章へ続く)