皆さんと一緒に考えましょう

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

「あなたの年齢で勤められるのは介護職くらいでしょうね」 年下の入居者を介護する国立大卒男性(70)の“胸の内”

2021-07-07 15:30:00 | 日記

下記は文春オンラインからの借用(コピー)です

 高齢化に伴う介護需要の増加、少子化による労働人口の減少を背景に、介護業界は慢性的な人手不足に悩まされている。
『非正規介護職員ヨボヨボ日記――当年60歳、排泄も入浴もお世話させていただきます』(三五館シンシャ)を執筆した真山剛氏は、そんな業界に56歳にして飛び込み、さまざまな経験を重ねてきたという。ここでは同書の一部を抜粋し、職業訓練校で出会った男性の印象的なエピソードについて紹介する。
◆◆◆
介護ヘルパー養成スクールで出会った70歳の深沢さん
 さまざまな職を経験し、たどり着いた仕事、それが介護ヘルパーだった。その資格取得のため、失業保険を受給しながら56歳のとき半年間、介護職員養成(介護職員初任者研修)スクール(*1)に通った。
*1 知識、技能、技術を習得するものであったが、実技にほとんどの時間が割かれた。受講者が負担する費用はテキスト代の5500円だけで研修期間は約半年。先生方も介護施設の現場を経験した人たちで、授業内容も現場の実情を踏まえた実践的なものだった。
 スクールは鹿児島市内の駅近くにあり、失業者向けの職業訓練校の一つで、民間が運営している。ここで、訪問介護や施設介護における自立支援に関するサービスについて学ぶのだ。
 ハローワークの相談員から、「このご時世、あなたの年齢で勤められるのは介護職くらいでしょうね」ときっぱり言われていた。
 資格取得のため、相談員から紹介されたスクールに申し込み、入所が認められ初日スクールに出向くと、指示された教室にかなり高齢の体格の良い男性と50代と20歳くらいの女性が座っていた。
 高齢の男性は学校関係者と思ったのだが彼も研修生だった。
 私を含めて4名。たったの4名。結局この3人と半年間、机を並べることになる。
 もう一人の男性、深沢さんは自己紹介で「現在70歳で、元は清掃員をしていました」と挨拶した。
 あとで知ったのだが、彼は国立大学を出て、地元でも有名な企業で働いていた時期もあったらしい。卒業をあと1カ月に控えたころ、就職活動の一環として履歴書を書く授業(*2)があり、そのとき彼の経歴欄を盗み見て初めて知ったことだった。
*2 失業中、書類選考がある企業へ何度か履歴書を送ったが、すべて落とされた。その後スクールの授業を受けてその理由がわかった。私はいちいち手書きするのが面倒で、複写や、パソコンで入力した履歴書を送っていた。講師に打ち明けると「そんなことではごまかしの利かない高齢者の世話なんて到底無理よ」と指摘された。
食事前のお口の体操
 深沢さんはとても親切だった。頼みもしないのに毎回、試験問題をみんなの分まで作り、ラミネート加工したものを配ってくれた。以前の仕事の関係でコーティング用の機械と材料が手元にあったのだという。
 彼のおかげでとても楽をしたが、なぜか彼はケアレスミスが多く、4人の中でいつもテストの点数が最下位で、どうにも気まずかったことを思い出す。
 ただ、彼はまったく気にするそぶりもなく、「次こそ僕が一番になるよ」と前向きだった。
 こんな人柄だから、70歳という年齢でも新たなチャレンジをするのだと感心したものだ。
 学校のカリキュラムの7割が介助の作業。つまり体の不自由な被介護者の身体を起こし、着替えを手伝い、オムツを替え、食事を与え、トイレ介助する、この一連の動作の訓練(*3)。その繰り返し。
*3 4名しか受講生がいないので、訓練の際、交代でオムツをつけたり、つけられたりした。20代の女性にオムツをつける際はさすがに神経を使った。深沢さんはお構いなしに彼女の足や腰に触れるため、彼女も複雑な表情をしていた。写真はイメージです 
「パタカラ」をご存じだろうか。私も研修を受けて初めて知った。
 食事の前、口を大きく開き、この言葉を被介護者に繰り返し言わせる。すると唾液が出て誤嚥を防ぎ、食事がとりやすくなるという口腔体操(*4)のようなものである。
*4 現場に入ってわかったが、この体操は入居者には人気がない。それはパタカラに意味や面白味がないからではないか。それならむしろ、「バカヤロー」「真山のハゲ」などと入居者のうっぷんを大声で怒鳴らせたほうがまだ有効のような気がする。
 4名が交替で介護される側を演じ介助をするのだが、深沢さんに「パタカラ」を発声させると必ず女性2人は噴き出してしまう。
 彼はなぜか「パタカラ」と発音できないのだ。私も笑いをこらえるのに苦労した。
 先生方にも驚いた。認知症者介護の研修で、元看護師の60代の女性が演じる認知症の姿はすさまじかった。とても演技と思えない迫真さだ。完全に目がイッているし、体全体がトコロテン並みに弛緩しているのだ。
 ほかにもみんなが口を揃えて介護のプロと称賛する、やはり60代後半の女性がいた。華奢な体つきにもかかわらず、私でも手こずる80キロの深沢さんをベッドからひょいと起こし、すばやく移動させ、いとも簡単に横にする。まるで手品でも見ているようだった。彼女曰く「いつも体幹を鍛えているのよ」とのこと。
 実際、介護職員が仕事を辞める理由の一つに腰痛(*5)がある。それを防ぐ手段として、全身の筋肉を無理なく効率的に使う方法を長年の経験で体得していたようだ。
*5 ある調査では、腰痛で離職を考えたことがある介護職員が全体の約半分にのぼったという。施設の軒先にあった七夕飾りに「腰痛になりませんように」と書かれた短冊を見た。書いたのは当時68歳の大島施設長だった。
70歳の男性が面接即採用
 今でも年に何回か4名で会うと、あのころの話「パタカラ」で盛り上がる。あとで聞いた話だが、深沢さんが最高齢の生徒だと思っていたらスクールの卒業生にはさらに年上がいて驚いた。80代だったという。完全に介護される側にいてもおかしくない年齢。
 さてこの深沢さん、じつは最初に応募した施設で採用されたそうだ。信じられない話だが面接即決採用だったという。70歳の男性が即決。信じられない業界である。
 深沢さんの施設には彼より年下の利用者も多いらしい。
 深沢さんはよく職場の体験や失敗談を話してくれた。「間違って、救急用のセキュリティのボタンを押してしまってね。管理会社のスタッフが駆けつけてくるし、ドアは施錠されて施設内は大混乱よ。重大事故(*6)扱いで、何枚も始末書を書かされたよ」
*6 重大事故1つの重大事故の背後に29の軽微な事故があり、さらにその背後に300のミスがある、これを「ハインリッヒの法則」という。転倒、薬の飲み間違い、異物を食べるなど、職員は入居者ごとに起こりそうな事故の予測をして、予防を心がける。ただ人間に失敗はつきもの。友人の介護職員は、自分の薬を間違って入居者に服用させた。大事には至らず彼は胸をなでおろしたという。
 そう言いながら笑っていた。笑い話では済まないと思うが、彼はどこまでも前向きな人物なのだ。
「亡くなる人も多いでしょ?」
 深沢さんの勤め先は、利用者80人規模の病院併設の施設だった。「そうだね、病院へ搬送されて戻ってくる人は1割程度かな。そのあとどうなったか、ほとんど知らないよ。スタッフも話題にもしないし。たまたま病院から戻ってきた人を見かけると、心の中で『この人しぶといな』とか、『生還したんだな』と思うけどね」「仕事、楽しいですか?」「楽しいとは言えないね。ミスしてよく叱られるし、でも仕事だからね」
 深沢さんは介護福祉士(*7)の資格を目指しているという。さらに勤続10年以上の介護福祉士には、給与を加算するという特定処遇改善などの国の施策も報じられているらしい。
*7 介護職の国家資格。試験を受けるには、3年以上の実務経験者か福祉系高校卒業が必要。ほかに養成施設からの受験ルートもあり。ほぼ正社員として雇用され、現場責任者として指導的な立場になることが多い。
 そのとき、彼は80歳超え。前向きにもほどがある、とまたしても感心してしまった。
 慢性的な人手不足の業界、やる気さえあれば誰でも就ける職業だと思う。体が丈夫で新たな職を探している方は年齢に関係なくチャレンジしてほしい。
毎日化粧をしてよく食べよく飲む100歳の入所者
 児玉松代さんは施設の中でも最年長、御年100。彼女の個室の壁には内閣総理大臣から贈られた額縁入りの100歳祝いの賞状がかかっていた。
 賞状が届いた日、彼女の部屋に入ると誇らしげに指さしてそれを見ろと言う。
「総理大臣からもらった賞状ですね。すごい」
 私が感嘆の声を上げると、「でもね、年々お祝い金が減っているらしいよ」と大仏様のように指で丸をつくりニッと笑った。
 なんといっても日本の100歳以上のお年寄り(*8)は8万人超えである。役所から節目の年にお祝い金が出るそうだが、財政難から金額は年々減少傾向にあるという。
*8 8万人のうち約9割が女性。日本人の平均寿命は女性が87.5歳、男性が81.4歳(2019年現在)。65歳以上の高齢者は人口の約3割で、今後まだまだ上昇するという。2025年には20歳から64歳までの人1.8人で65歳以上の人1人を支え面倒をみる計算になる。お祝い金どころではなくなりそうだ。
 耳が遠く、ややピントはずれの部分はあったが、松代さんの頭はまだ十分しっかりしていた。
 彼女は朝起きると、必ず化粧をした。
 私の差し出す温かいおしぼりで顔を拭いた後、まず櫛で髪の毛を整えてから化粧水を顔につけ、小さな掌でパンパンと頬を叩く。それから白おしろい粉をつけ、最後に薄紅色の口紅をさす(*9)。その様子を見ている私に「毎日、死化粧ね」と冗談まで言う。
*9 100歳になってもきれいに薄化粧する人もいれば、引いてしまうほど厚化粧の人もいる。ある女性は手元がおぼつかず、口紅が唇から大幅にはみ出し、福笑いのようになった。思わず笑ったら、その日一日、彼女から無視された。
 小食だったが、おかずは残さず平らげた。肉類、とくに鶏肉が好物で、総入れ歯のわりに、どんなものでもよく噛んで食べていた。そしてとにかくよく水分をとった。
 吸いのみに入れた水やお茶を、目を閉じ、「もういいですよ」とこちらが止めるまでひたすら飲み続ける。たくさん水分をとるので、尿の量も小柄な体からは想像できないくらいに大量だった。そして彼女はほとんど便秘をすることがなかった。高齢者としては、とても珍しいケースである。それは十分に水分をとるからだと思われた。
じつは施設の入居者、とくに女性の大半が便秘である。それで就寝前に便秘薬を飲ませることになる。
 夜勤明け、日勤の職員が来ると、「〇〇さんと〇〇さんの便出た?」「量は?」「硬さは?」そんな会話が、挨拶代わりに交わされる。高齢者は腹圧が弱く、運動不足のため便秘になりがちなのだ。
 それでも長い期間排便がない場合には、肛門に潤滑剤をつけ、指で便をほぐしながら掻き出す作業を行なう。これを「摘便」という。ただし、この作業は医療行為にあたるので現在のところ、介護職の私にはできないことになっている。
いつも私を気遣ってくれた松代さん
 松代さんは、小柄な体をベッドに横たえたまま、「あなた、給料ちゃんともらっている?」と尋ねる。「はい、ちゃんともらっていますよ」「5000円くらい?(*10)」「はい、それ以上もらっていますよ。安心してください」と答えると、彼女は目を細めて、「どうにか生きていけそうね」と微笑んだ。どうやら彼女はいつも、ほかの職員から叱られてばかりいる風采の上がらない私を不憫に思っているようだった。
*10 日給か、月給か、はたまた100歳の彼女がいつかの時代の給与と勘違いしていたのか知る由もない。仮に昭和25年とすると、月の平均給与は1万円程度らしい。やはり彼女は私を薄給の可哀想なおじさんと認識していたのかもしれない。写真はイメージです 
 彼女の部屋の棚には当時、芥川賞をとった若手作家の小説があって、たまに読んでいたようだが遅々として進まない。本の間に挟んだしおりでそれがわかった。すぐに眠たくなるようだ。胸のあたりに本を広げた状態で眠っていることもよくあった。「この小説、面白いですか?」
 あるとき、尋ねたことがある。すると彼女は、「全然面白くないね。だからなかなか先に進まないのよ」との感想だった。「だったら、別の本に変えたら(*11)どうですか?」などと1世紀以上生きた人に言ってはならない気がした。そんじょそこらの年寄りとはわけが違う。
*11 高齢者向けの活字の大きい本が出版されていて、試しに施設に持っていったところ、子どもの本のようだと拒否された。
 自力では歩行も困難な彼女だったが、逆に私の体を気遣ってくれた。
「たまには栄養のあるものを食べないとダメだよ。ちゃんと食べている?」
 やはり私が貧乏人だと彼女は見抜いていたのだ。
 生涯2度目の東京オリンピックを楽しみにしていた松代さんはこの翌年、搬送された病院で亡くなった。
真山 剛


岸惠子さんの名言は自分流に生きる勇気がもらえる!

2021-07-07 13:30:00 | 日記

下記はハルメクWebからの借用(コピー)です

日本を代表する名女優、岸惠子さん。ジャーナリスト、作家としての顔も持つ岸さんは、88歳の今も、精力的に表現・発信し続けています。岸さんの軸にあるのは「自分らしく」を貫く生き方。岸さんの折々の言葉には、50歳からの生き方のヒントがあります。

「私の人生負け続き。だからこそ」
「私は2020年8月に88歳になりました。本当に長いこと生きてしまって、今さら“生きる”ということを語るのも照れくさいのですが、私はいつも一生懸命生きてきたつもりです。ごまかしのない自分の生き方をしてきたと思うし、それはコロナがあろうとなかろうと同じことです。
何年も何年も負けを重ねて、苦労を重ねていくうちに、私は負けてもめげない力、そして負けた中から何かを学び取る力をつかみとっていたんです。つまり、負けても負けたままではいない、“負けて勝ちをとる”技をどこかで拾っていたんですね。それで気が付いたら、したたかに強い女になっていました」
これは、2020年8月に雑誌「ハルメク」でインタビューをしたときの岸惠子さんの言葉です。スポットライトを浴びて輝かしく歩んできた岸惠子さんの「負け」という意外なひと言に驚きます。
 フランスで結婚・出産・離婚…岸惠子さんの人生
写真=『岸惠子自伝――卵を割らなければ,オムレツは食べられない』(岩波書店刊)より
岸惠子さんは1932年8月横浜に生まれ、19歳で女優デビューしました。21歳のときに主演した映画「君の名は」が大ヒット。一世を風靡した「真知子巻き」をご存じの方も多いのではないでしょうか。
スター女優となった岸さんは24歳のとき、フランス人監督で医師でもある11歳年上のイヴ・シァンピさんと結婚します。日本人の外国への個人旅行がまだ禁止されていた当時、岸さんは一人、プロペラ機で50時間かけてフランスに渡りました。のちに41歳で離婚しますが、それ以降も40年以上にわたり、異国の地パリで一人娘と共に暮らしました。
写真=『岸惠子自伝――卵を割らなければ,オムレツは食べられない』(岩波書店刊)より
フランスで過ごした日々のことを、岸さんは次のように語っています。
「日本とはまったく歴史も文化も精神も違う、とにかく成熟した大人の国だったわけです。私は、カルチャーショックなんて簡単な言葉では言い尽くせないほどの非常に強いショックを受けました。
そして、長いこと鎖国をしていた東海の島国で育った女は、ヨーロッパで国境をせめぎ合って生きてきた、したたかに強い人たちの中では、やはり負けてしまうんですね。負けの中には、無防備だったための「失敗」もあります。
パリで結婚、出産、離婚を経験する中で、こんなことがあった、あんなことがあったというのは、とてもしゃべり切れませんけど、とにかく私は負け続きでした」(雑誌「ハルメク」2020年11月号より)
フランスで暮らした40年余りの間にさまざまな国を訪ね、キャスターとしてジャーナリストとして作家として、世界に発信する仕事をしたことも、岸さんにこう言わしめているように思います。
そしてまた、、自然体でまっすぐな心が言葉に表れていて、はっとさせられます。
私たちは50歳を過ぎて人生後半を意識するとき、さまざまな不安を抱き始めます。岸惠子さんの言葉には、時に共感でき、時に励まされるものが数多くあります。それは不安を認めながら前に進むための「人生を自分流で生きる心得」です。雑誌「ハルメク(旧いきいき)」のインタビューで登場した岸さんの数々の言葉を通して、人生のヒントを探っていきましょう。「苦労話として思い出すより、蓄積されて今日の自分になったと思う方がいい」
最初は、困難や苦労をどう乗り越えるかに対する、岸惠子さんの言葉です。
「夫と別れてから約30年もの間、一人で生きてきましたが、いろいろなことがありながらも少しずつそれらが自分の中に蓄積されていき、今日の自分になったのだと思う方が、苦労話として思い出すよりもずっと精神的にいいのではないかと思っています。だから、過去のことをぐちぐち言わない」(2005年4月号「いきいき<現ハルメク>」より)
1999年、日本に帰国して一人暮らしとなった岸惠子さんが、フランスで離婚後にシングルマザーとして暮らした頃を振り返って語った言葉です。さらに、こうも重ねます。
「苦しいことにめげて倒れそうになっていると、もっと大きな苦しみが怒涛のように押し寄せてくるもので、そうすると昨日までの苦しみが『なんだ、あれぐらいのこと』と思えるようになります。人生の困難とは、きっとそんなふうに乗り越えるものなのだと思います」
今の自分を肯定しながら、悪い時も後で振り返れば大したことはないから……と、背中をたたかれるような言葉です。
 「人生の終盤に虹が立つような華やぎがあってもいいんじゃない?」
撮影=中西裕人
続いては、「シニア世代」と世間が決めつける概念やイメージとの向き合い方。
岸惠子さんは2013年に、小説『わりなき恋』を発表しました。60代の女性主人公が50代の男性と恋に落ちる大人の恋の物語は話題となり、28万部のベストセラーに。『わりなき恋』で描きたかったことについて、こう語りました。
『高齢者の問題となると一気に孤独死や人間の残骸かと思われるような映像ばかりが出てくる。そういう現実はあるにしても、それではあまりにも暗すぎる。人生の終盤に虹が立つような華やぎがあってもいいんじゃない? 男も女も年齢とともに体も精神も変わっていくものです。そうした中で、若さから遠ざかった人たちにもそれなりの情熱があるはずだ。それを書いてみようと、思いました』(2013年7月号「いきいき<現ハルメク>」より)
岸さんは、続けて「50だからといって何かを諦めるなんてもったいないことです」、「平凡な日常の中にも、ふっと非日常なことが起こることがある。それをパッとつかんでしまえばいい。もしかしてそれが災いをもたらすかもしれないけれど、それもありでしょう」とも語ります。
「もう〇歳だから」などを理由にして、つい諦めていたことはないだろうか……。日々の小さなことが、これからも人生の新しい扉を開く可能性がある、そう思うと一日一日がいとおしく思えてきます。
>>岸惠子さんの激励!「50代、60代これからが華という時代」インタビューの続きを読む「私は若く見えているんじゃなくて、気持ちが若く老いて見えないだけ」
撮影=中西裕人
岸惠子さんは、よく「若く見える」と声を掛けられるそうですが、それを好意的には受け取れないと話します。見た目を「若い」と言われて喜ばない理由とは何なのでしょうか?
「私にだってしわは売りたいほどあるし、年を経て失ったもの、衰えたものもちゃんと認識しています。ただ、めげないように、へこたれないように生きてきたんです。今までの私の人生、というか現在進行形でも、艱難辛苦(かんなんしんく)は並大抵のものではなく、でも必ず、どこかから湧き出てくる力があって自分で処理してきました。(中略)だから、私は若く見えているんじゃなくて、気持ちが若く、老いて見えないだけなんです。
それを『いつも若く見えますね! 秘訣は何ですか?』なんて言われると、“そんな簡単なものじゃないよ”と、ついたんかを切りたくなります」(2020年5月号「ハルメク」より)
見た目の若さに執着するのではなく、ひたむきに生きることが、輝くエネルギーの根源なのだというメッセージが胸に響きます。「湧き出てくる力」は岸さんに限ったことではなくて、私たちも持っているはず、と思えてきます。
>>岸惠子さん「若く見えると言われても簡単に喜ばない」インタビューの続きを読む「友達は女が一人、男が一人居れば十分ということです」
撮影=中西裕人
岸惠子さんの一日は、書斎で過ごす執筆時間がほとんどなのだそうです。朝食も自分で用意し、夕食もたいてい一人で食べています。いろいろなことを考えたり、何かを読んだりしながら自由に一人で食べるのが好きだから、と話します。「一人」を上手に楽しんでいる様子が伝わってきます。
「友達は、女に一人、男に一人、そして離れて暮らす家族がいればいい。そう思っていれば気が楽ですよ。
人間は、生まれてくるときも、死ぬ時も一人でしょう。だから“結局は一人”という自分と向き合って暮らしていく方が私はいいと思うし、それが心地いいんです。
孤独をネガティブにとらえてしまったらおしまいです。人に頼らず、自分の生活をきちっと営んでいけること、それが孤独ということです」(2019年4月号「ハルメク」より)
人生後半は、ある意味「孤独」とどう付き合っていくかが課題になるもの。岸さんは、孤独の先にある「自由」を、自分らしくすがすがしく生きていきたい、と話します。捉え方一つで、孤独は、自由で自分らしい、あたたかな時間になり得ます。


小室さんの「自惚れ屋」のお面が英米で販売好調? NY州弁護士だけでなく、香港で活躍の可能性

2021-07-07 11:00:00 | 日記

下記はAERAdotからの借用(コピー)です

 秋篠宮家の長女、眞子さま(29)との結婚が暗礁に乗り上げている小室圭さん(29)。米国では、「小室さんのマスク(お面)」が販売されるなど、批判報道は、彼の知名度をあげたようだ。いまは知名度に見合う活躍、とは言いがたいが、NY州弁護士に合格すれば、NYに限らず香港やシンガポールなどビジネスマンとしての拠点は広がりそうだ。

*  *  *
 kei Komuro Big Head Larger than life mask. US 24.97

 ebayや米国Amazonなど、ショッピングサイトで販売されていた「小室さんマスク(お面)」のセールスコピーだ。タイトルにある「Big Head」というのは、マスクのシリーズ名。実際、サイズは段ボール製で横幅44センチ、縦幅60センチと巨大で、そして、「Big Head」という単語には、「自惚れ屋」「頭でっかちで不安定」「気取った」という意味もある……。
「Big Head」シリーズは、マスク(お面)の大きさと言葉遊びの意味でつけたのだろう。

「マスク」と言っても、日本の感覚でしっくりくる表現は、「お面」だ。この巨大な「小室さんお面」は、顔に掲げるほか、壁に飾ることもできる仕立てで、お値段は本体24.97ドル+送料含めて計32.94ドル。日本円で、3600円ほどである。確認できる範囲では、1年以上前から売られていた。

 販売元は、米国デラウェア州のニューキャッスルと英国のレットフォードに拠点を置く「Celebrity Cutouts」という業者。ただし商品を送ってもらえるのは、英米の住所のみで日本では入手できない。

 海外事情に詳しいジャーナリストの多賀幹子さんによれば、パーティーやハロウィンで使われる仮面の一種。海外の土産物屋にゆくと、ハリウッドセレブや大統領や首相らの仮面がずらりとならんでいることがあるという。

「それにしても、小室さんの仮面まで商品になっているとは驚きました。米国はまだ分かりますが、英国でも購入できたことが驚きです」(多賀さん)

 英国では、エリザベス女王やチャールズ皇太子、キャサリン妃やウィリアム王子など王室メンバーのマスクも、土産物店の棚に並ぶ。

「kei komuroでパーティーの余興になるわけですから知名度は、王室メンバー並みですね」(多賀さん)

 王室好きの英国人の目には、小室さんは「ロイヤルを利用する野心家」と映るようで、評判はかんばしくないという。

 国内外で知名度は抜群のようだが、気になるのは小室さんの将来の可能性。生活力を心配する声が多くある一方で、米国で論文が法律の専門誌に掲載されるなど実績を積んでいる。7月末のNY州弁護士の試験にはおそらく合格するとみられている。

 その後は、米国で就職するとの報道も多い。だが、NY州弁護士のリッキー徳永さんは、活躍の場は米国以外にもある、と話す。

「あまり知られていませんが、米国以外の国でもNY州弁護士が活躍することは十分可能です。私自身、マンハッタンの法律事務所などを経て、昨年からシンガポールに拠点を置いて活動してますからね」

 リッキーさんも小室さんと同じく、日本生まれの日本育ちで、日本の大学を卒業したのち渡米。米国のロースクールに通い、NY州弁護士資格を取得している。

 日本の場合、NY州弁護士を持っていても日本の弁護士資格がなければ、日本の法律が関わる仕事を単独で行うことは出来ない。「外国法事務弁護士」という制約されたなかでの仕事になる。つまり、小室さんが帰国しても日本の資格としては、外国法に詳しいパラリーガルの域を出ない。

 だが、海外では、日本よりも線引きが緩やかでNY州弁護士の資格を生かしやすい、とリッキーさんは話す。

「あそこまで厳密に、あれもこれもダメ、となるのは日本ぐらいです。ダイレクトな法律実務は出来ませんが、企業に務めたり外国弁護士のかたちならば、活躍の場はあります。海外の大手企業であればあるほど、金融の中心地であるNY州の法律が絡むビジネスを手がける確率は高い。たとえば、香港はアジアを代表する金融センターで、ビジネスチャンスは多い」

 米国でクラウドファンディングなど金融に絡む論文を執筆していた小室さん。「ビジネスの流行りをつかむセンスとチャンスを逃さない姿勢」は、日本の報道でも評価された。ほかにもロンドンやシンガポールなど活躍の場はありそうだ。

 ちなみに先の小室さんの「Big Head(自惚れ屋)」のお面を販売していた業者に、媒体名を明かしたうえで、販売した理由や売れ行きについてメールで問い合わせた。すると、こんな返事が返ってきた。

「問い合わせありがとう。この商品は、削除します  Celebrity Cutouts」

 すぐに小室さんの商品ページは、「販売終了」の表示に切り替わった。まもなく商品のページそのものが削除された。

 何やら、眞子さまと小室さんの結婚問題を暗示するような、謎の結末であった。 
(AERAdot.編集部 永井貴子)


筋肉量アップにつながる、たんぱく質のとり方 5つのヒント

2021-07-07 08:30:00 | 日記

下記は日経グッディからの借用(コピー)です  記事はテキストに変換していますから画像は出ません

ヒント1:必須アミノ酸を含む良質なたんぱく質を5~7gプラス
体重1kg当たり0.1gたんぱく質をプラスするだけで、2~3カ月で筋肉量が390gほど増えるという(写真はイメージ=123RF)
 宮地さんと明治の研究で分かった最も注目すべき事実は、「体重1kg当たり0.1gたんぱく質を、いまの摂取量にプラスするだけで、2~3カ月で筋肉量が390gほど増加する」ということ。体重50kgの人なら5g、60kgの人は6g、70kgの人は7g、今よりたんぱく質をプラスすれば、ある一定量までは運動なしでも筋肉量を増やせるわけだ。
 ただ、5~7gのたんぱく質といわれても、どんな食品をどのくらいの量食べたときにその量がとれるのか、すぐにイメージできない人も多いだろう。
 「例えば、パンとコーヒーで朝食を済ませている人は、コーヒーの代わりに牛乳をコップ1杯(200mL)飲めば、6.8gたんぱく質が補えます。カフェラテで150mL牛乳を入れればたんぱく質は5gです。白飯を卵かけご飯にしたり鮭フレークを足したりしてもよいでしょう。サラダチキンや納豆なども、簡単にたんぱく質をプラスできる食品です」と宮地さん。例えば、セブン‐イレブンの「サラダチキンバープレーン」(60g)には13.4g、ローソンの「国産サラダチキンプレーン」(115g)には22.8g、納豆40gには6.6gのたんぱく質が含まれる。
 たんぱく質には、肉、魚、乳製品などの動物性と豆、大豆製品などの植物性があるが、筋肉を効率よく増やすにはどちらがいいのか。
 「筋肉を増やすうえでは、動物性、植物性どちらのたんぱく質でも差はありませんが、体内で合成できない必須アミノ酸がバランスよく含まれている食品をとることが重要です。そして、肉、魚、卵、乳製品、豆、大豆製品は基本的に必須アミノ酸が含まれている良質なたんぱく源なので、どの食品をプラスしてもよいです」(宮地さん)
ヒント2:朝食のたんぱく質が筋肉の合成を促す
 必須アミノ酸の中で、たんぱく質や糖の代謝を調節する機能が注目されているのがロイシンだ。「ロイシンは筋肉の材料になる必須アミノ酸ですが、たんぱく質の取り込みにスイッチを入れる働きをします。ロイシンの血中濃度が増えると筋肉の合成スピードが上がり、減ると合成スピードが遅くなるのです。眠っている間にロイシンの血中濃度が下がりますから、筋肉の合成を高めるためには、朝食にたんぱく質が豊富な食品をしっかりとることが重要です」と宮地さんは強調する。
 必須アミノ酸は蓄えておくことができない。もしも朝食を抜けば、1日の半分以上をロイシンの血中濃度が低い、つまり、筋肉の合成にスイッチが入らない状態で過ごすことになる。朝食をとらなかったり、スムージーだけだったり、パンかおにぎり1個で済ませたりし、夕食に、肉や魚、豆などたんぱく質が豊富な食品をとって帳尻を合わせようとする食事パターンの人は多いのではないだろうか。
 1日のたんぱく質の総摂取量が同じであっても、朝昼夕3食均等に食べたほうが、夕食のみに偏って多くとるよりも、筋肉の合成率が高いとの研究結果も報告されている。プラス5~7gのたんぱく質を追加するなら朝がいいわけだ。
【図1】朝昼夕3食均等に食べたほうが、夕食のみに偏って多くとるよりも、筋肉の合成率が高い
Mamerow MM, et al. J Nutr. 2014;144(6):876-880.を基に改変
ヒント3:サプリではなく食品から摂取を
 宮地さんらの研究で分かったのは、体重1kg当たり1.3gまでは、運動をしなくてもたんぱく質をとればとるほど筋肉量は右肩上がりに増えることだ。今より筋肉を増やすためにも、まずは、1日のたんぱく質摂取量の合計が体重1kg当たり1.3gになるように食生活を見直したい(※)。そして、定期的に運動をしている人は、さらにたんぱく質摂取が必要になる。
※なお、腎機能が低下している人は医師からたんぱく質摂取を制限するように指導を受けているケースもある。該当する人は医師と管理栄養士に相談しながら摂取量を決めていくことが望ましい。
 ただし、「プラスするたんぱく質は、たんぱく質を抽出したプロテインサプリメントではなく、肉、魚、乳製品、豆、大豆製品など動植物由来の食品からとるのがお勧めです。動植物由来の食品にはたんぱく質だけでなく、炭水化物、脂質、ビタミン、ミネラルなど、人間が生きていくうえで欠かせない他の栄養素も含まれるからです」と宮地さん。
 たんぱく質は筋肉を作るだけではなく、臓器、毛髪、皮膚、爪、細胞、血液、ホルモンなどの材料となっている。たんぱく質を効率よく体に取り込み、健康を保つためには、実は動植物由来の食品に含まれているたんぱく質以外の栄養素の働きも重要で、「それらはプロテインサプリメントだけをとっていたのでは補えない」(宮地さん)のだ。
ヒント4:「たんぱく質強化食品」を活用する手も
 ただ、忙しい現代人にとって、毎日、朝食にたんぱく質をたった5~7gでも加え続けるのは容易ではない。朝からたくさんの量を食べられないという人もいるだろう。「一度にたくさん食べられない人は、たんぱく質含有量を一般的な製品より増やした強化食品を活用する方法もあります。最近は、ヨーグルトやチョコレート、大豆菓子などのたんぱく質強化食品の種類が増えています。特に、たんぱく質強化ヨーグルトは、複数のメーカーがさまざまな種類のものを販売しているので、利用しやすいのではないでしょうか」と宮地さん。
 仕事中や残業の際に間食をするときもたんぱく質強化食品、ナッツ類、サラダチキンなど、意識してたんぱく食材を食べれば、たんぱく質摂取量を増やせる。最近では、コンビニやスーパーで、ゆで卵と鶏胸肉のサラダなど、たんぱく質が簡単にとれるように工夫した商品の品ぞろえが増えており、そうした商品を利用してもいい。
ヒント5:運動を加えれば、より効果的に“質の高い強い”筋肉が育つ
「筋肉を増やすために運動をしなくてもいい」という意味ではないので、ご注意を!(写真はイメージ=123RF)
 宮地さんらの研究で分かったのは、運動をしなくても、体重1kg当たり0.1gたんぱく質を増やすだけで一定レベルまでは筋肉量が増えるということ。しかし、「質の高い強い筋肉を増やして、身体機能を維持し、代謝を高めるためには、やはり従来から言われているように、筋トレなどの運動をセットにすることは変わらず重要です。私たちの今回の研究結果が、“筋肉を増やすために運動をしなくてもいい”という意味に誤解されないよう望んでいます」と宮地さんはくぎを刺す。
 今回の研究から言えることをまとめると次のようになる。

現代人の多くはたんぱく質が足りておらず、そんな人は、運動をしなくても、たんぱく質の摂取量を増やすだけでも筋肉の量は増える。

しかし、体重1g当たり1.3g以上のたんぱく質をとるなら、筋トレなどを組み合わせないと筋肉量の増加はなだらかになる。

たんぱく質摂取と筋トレを組み合わせると、効率的に筋肉量が増え、筋肉の質も改善する。
 今日からは、朝食にたんぱく食品をプラス5~7g加えつつ、階段の上り下り、スクワットなど、簡単にできる筋トレも習慣にしたい。いい筋肉を増やして、好きなことを長く楽しめる人生を目指したいものだ。
◇     ◇     ◇
「高齢者はたんぱく質の合成能力が落ちるから、筋肉量が減りやすい」はホント?
 「高齢になると筋肉が減りやすいのは、合成する力が弱くなったり分解が速まったりするから」という解説をよく耳にする。これは本当だろうか。
 「加齢でたんぱく質の合成能力が落ちるからではなく、食が細くなったり、食の嗜好が変わったりしてたんぱく質摂取量が減りやすいためです。加齢に伴い、運動や身体活動量が減ってしまうことも影響しています。私たちの研究で分かったのは、しっかりたんぱく質をとって体を動かせば、高齢者でも若い人と同じように、たんぱく質摂取量に応じて筋肉量が増加するということです。筋肉が減ることで転倒して大腿骨を骨折し、介護が必要になるといった悪循環を起こさないためには、特に高齢者は、たんぱく質を今より5~7gでもいいから、上乗せすることが大事です」と宮地さん。
(図版:増田真一/構成:黒住紗織(日経BP総研 ヘルシー・マザリング・プロジェクト))
宮地元彦(みやち もとひこ)さん
医薬基盤・健康・栄養研究所国立健康・栄養研究所身体活動部長/栄養・代謝研究部長、早稲田大学スポーツ科学学術院教授