皆さんと一緒に考えましょう

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

 がん患者の最後の希望「光免疫療法」の保険診療が開始 腫瘍が縮小? すでに受けられる病院は

2021-07-25 15:30:00 | 日記
記の記事はデイリー新潮オンラインからの借用(コピー)です

主治医から見放されたがん患者にとって、希望の光となるか。昨年、保険適用され、治療がスタートした「光免疫療法」。施術を受けた患者の腫瘍は縮小した? 既に治療が開始された病院とは? 画期的療法の取材を続けるライター・芹澤健介氏が、現状をレポートした。
 ***
 昨年9月、世界に先駆けて日本で承認された「光免疫療法」。現在は世界各国で臨床試験が進むのと並行して、国内の複数の施設で治療も始まっている。
 開発したのは、米国立衛生研究所(NIH)で主任研究員を務める小林久隆氏(59)。いまや世界中から注目を集める医学者だ。
「一研究者として小林先生を心から尊敬しています」
 と言うのは、京都大学iPS細胞研究所所長の山中伸弥教授(58)である。
「最初に光免疫療法のアメリカでの治験結果を見せてもらったとき、僕は本当にびっくり仰天したんです。『がんにこれほど効く治療法ができたのか』って。今後、いろんながんに効くということが実証されていったら、ノーベル賞受賞も十分ありえると思います」
 光免疫療法は、その名の通り、「光」でがんを攻撃すると同時に、患者自身の「免疫」で防御力を高める最新の治療法だ。
 がんを攻撃する際に使われるのは、テレビのリモコンなどにも利用される日常的な「近赤外線」。出力はそれほど高くないので、実際に治療で使う光に直接手をかざしても熱くはない。
 特殊なのは同時に使われる「アキャルックス」という薬剤のほうである。少し専門的な説明になるが、「IR700」という光感受性物質と、「がん細胞の表面に多くあらわれるタンパク質と結合する物質」との複合体で、特定のがん細胞とだけ結合し、近赤外線を当てると急激な化学反応を起こす。バイオベンチャーの楽天メディカルが製造販売を行う新薬だ。この薬も近赤外線も人体への影響は限定的だが、作用の仕組みは非常にダイナミックである。
多くの命を救うのか?(他の写真を見る)
 まずは患者に点滴でこの薬剤を投与。薬剤ががん細胞に行き渡った時点で患部に近赤外線を当てる。その瞬間、薬剤の分子構造が変化し、がん細胞表面に約1万個もの傷がつく。そして、イオン濃度の差で周囲の水が細胞内へ一気に入り込むと、がん細胞が水風船のように膨れて破裂するのだ。ちょうど一つ一つのがん細胞にナノサイズの超小型爆薬を仕掛けて、スイッチオンで根こそぎ破壊していくようなイメージである。この時点で周囲の正常細胞はいっさい傷つけていない。
 だが、これだけでは終わらない。マウス実験では、がん細胞が破壊された次の瞬間、がんが撒き散らした“新鮮で良質”な抗原情報を周辺の免疫細胞が次々とキャッチすることが確認されている。残ったがんを駆逐するべく免疫システムが起動するのだ。また、驚くべきことに、同様にマウス実験にはなるが、同じがん種の再発を防ぐワクチン効果もあるという。
 つまり、光免疫療法は、がんに対する「矛」と「盾」を兼ね備えた画期的な治療法なのだ。
 開発者の小林氏が言う。
「光免疫療法の最大のメリットは、既存の治療法に比べて副作用が格段に少ない点です。周囲の正常細胞にはほとんど影響をおよぼさず、がん細胞だけを選択的に攻撃して取り除くことができる。そのため、原理的には副作用がほとんどないというわけです」
 現在は、一部の頭頸部がんのみが保険診療の対象となっているが、小林氏は「近い将来には8割から9割の固形がん(白血病などの血液のがん以外の、臓器や組織で腫瘍を作るがん)に適用されるはず」と見込む。もしその通りになれば、光免疫療法はがん医療の未来とがん患者の運命を大きく変える稀代のゲームチェンジャーとなる。
自殺率の高いがん
記念すべき承認時の記者会見(他の写真を見る)
 承認されたばかりの新療法。現在、対象になっているのは“切除不能な局所進行または局所再発の頭頸部がん”だけだ。つまり、かなり病状の進んだ〈ステージIII〉か〈ステージIV〉の頭頸部がんである。
 頭頸部がんというのは、咽頭がん、喉頭がん、口腔がん、舌がんなど、顔や首にできるがんの総称だ(脳腫瘍や眼球のがんは除く)。がん全体の中では約5%に過ぎないが、首から下にできるがんとは大きく違う点があるという。
 自らも舌がんを克服し、「頭頸部がん患者友の会」の代表理事を務める佐野敏夫さん(75)は、頭頸部がん治療の問題点を指摘する。
「頭頸部がんは、治った後も問題が多いんです。大きな手術をすれば顔が歪んだり、変形してしまうこともある。手術痕についても、首から下のがんなら服で覆えますが、頭頸部の場合は隠しづらい。その結果、引きこもりや鬱になる人もいる。他のがんと比べて自殺率も高いんです」
 後遺症にも悩まされる。
「私は手術で舌を切除して、5分の1程度しか残ってないので、味もよくわからない。発音も不明瞭になりました。ノドのがんになれば、声を失う可能性もある」
 佐野さんは4回におよぶ口腔手術で唾液腺も切除している。そのため、唾液が出ず、食べ物をうまく飲み込めない。10年以上流動食の生活だという。
「また放射線治療の影響だと思いますが、10年経って骨髄炎を発症しました。そのために12本も歯を抜いて、顎に肩甲骨を移植する大手術を受けました。もし、当時、光免疫療法を受けていたら、術後の経過も現在とは違うものになっていたかもしれません」
ピンポン玉が梅干し大に
 繰り返すが、現在、光免疫療法の施術対象となっている「一部の頭頚部がん」は、「他の臓器や組織に遠隔転移をしていない局所進行および再発の頭頸部がん」に限られている。他に治療法がなく、大血管への癒着がないなどの付帯条件もあり、まだまだ対象者が少ないのが実情である。治療が開始されてから半年を経るが、6月中旬の時点で、患者は全国でわずか10人ほどにとどまっている。
 治療を行う施設は国内で19箇所以上が登録されているが(掲載の表)、先行して治療が行われたのは、「国立がん研究センター東病院(千葉)」「東京医科大学病院」「愛知県がんセンター病院」「神戸大学医学部附属病院」の4施設。
 そのうち、国立がん研究センター東病院で治療を受けた2人は、口腔がんが再発した50代男性と中咽頭がんが再発した50代女性。2人とも施術の後にがんの縮小が確認され、現在は経過をみているという。
医療従事者向けの光免疫療法の講習会(他の写真を見る)
 東京医科大学病院では、喉頭がんの70代男性を施術した。担当した塚原清彰耳鼻咽喉科・頭頸部外科主任教授(47)に話を聞いた。
 塚原氏はこれまで3千例を超える頭頸部腫瘍手術を行ってきたベテラン外科医だ。かなり早い段階から臨床現場に手術支援ロボット「ダヴィンチ」を導入するなど先進的な考えを持った医師でもあり、常にがん患者のためによりよい治療法を探してきた。
「光免疫療法の話は学会でも昨年ぐらいから頻繁に聞くようになってきて、うちの病院でもぜひ導入しようという話になりました」
 担当の患者のがんは、原発巣の咽頭(ノドの奥)から顎下リンパ節に転移しており、すでにリンパ節外にも浸潤(周囲の組織を破壊しながらがんが広がること)していた。一般的な分類で言えば〈ステージIV〉。もうその先は厳しいというぎりぎりの段階だった。
「顎の下に転移した腫瘍はピンポン玉ほどの大きさがあって、半分ほどがノドの皮膚を突き破って剥き出しになっている状態でした」
 塚原氏が患者に「光免疫療法という新しい治療法が使えそうだ」と伝えると、「ぜひ受けてみたい」と同意を得た。
「施術の前日にこの薬剤を投与して、当日は直射日光が当たらないように布団をかぶってもらってオペ室に運びました」
 光免疫療法を施術する医師たちは、レーザー光から目を守るために濃緑のレンズのゴーグルをかける。今回の症例では、患部に直径1ミリの光ファイバーを数本刺し、50ジュールという規定の出力で近赤外線を約4分照射した。
「施術を開始すると、腫瘍部分から発光しているように感じました。腫瘍は、場合によっては一晩でポロッと取れることもあるそうですが、私が診た患者さんの場合は、むしろ翌日にはあまり変化がありませんでした。4日後に顔の腫れがあって、その後、腫れが引くのと同時に腫瘍も縮小した感じですね。ピンポン玉大だった腫瘍は、1回の照射で梅干し大にまで小さくなりました」
 従来の手術や抗がん剤、放射線療法などの“三大療法”とは違って、「光免疫療法は患者さんの負担が少ないことを実感しています」と塚原氏は言う。
「たとえば、今回の患者さんが手術を選択すると、腫瘍を切除すると同時に、欠損部分を埋めるために肩などから筋肉を移植する手術も必要になるんです。そのため合計で7時間程度はかかってしまう」
 しかし、光免疫療法なら全身麻酔の導入を含めて1時間程度で済む。患者の肉体的、精神的な負担は軽い。
「施術後も数日間は直射日光を避ける必要がありますが、集中治療室に入ることもなく、翌日にはご飯も普通に食べていました。ですからご本人もすごく喜んで、『もう少し(腫瘍を)小さくしたいね』ということで、6週間後に再び施術を行いました。2回目は腫瘍の中と腫瘍表面に光を当てる方法を併用しました」
 この患者のがんは2回目の施術でも完全には消え去らなかったが、塚原氏は光免疫療法を導入してよかったと考えている。
「まだ1例目ですので、今後も経過を見て検証していく必要はあります。ですが、『臨床現場での選択肢が増えた』『がんを倒す武器がひとつ増えた』というのが正直な実感です。将来的には放射線治療を回避するために光免疫療法が使えるようになればいいと思いますし、早期のがんについても適用されればいいなと思います。そうなればどんどんやっていきたいですね」
 光免疫療法への注目度は国内外で日増しに高まってきている。NHKの国際放送も海外向けの医療番組(「Medical Frontiers」)で特集を組んだ。その中で、再発した口腔がんに光免疫療法を施術した男性患者はこう言った。
「(光免疫療法は)まさしく僕が望んでいる治療法だなと感じました」
医療従事者向けの光免疫療法の講習会(他の写真を見る)
現場から改善
 光免疫療法は、これまでの“三大療法”やオプジーボなどの免疫療法に次ぐ“第五のがん治療法”になると期待されている。
 だが“開発段階”から実際の“医療”へと移行するのは、そうたやすいことではない。光免疫療法の治験にも関わるある医師に言わせれば、「仮に2万マイルを飛ぶ高性能な飛行機が作れたとしても、目的地に辿り着くまでは最後の1マイルであっても気を抜けない」のだ。
 愛知県がんセンターの頭頸部外科部長、花井信広医師(51)も「治験や治療は慎重に進めていく必要があります」と気を引き締める。
「でもせっかく保険診療で行えるようになったので、今後は、早期の症例や別の部位まで適用拡大されていくのが希望です。そのために現場から提案して改善していきたいところもある」
 たとえば、近赤外線の照射装置。喉仏の骨の裏側など、どうしても光が届きにくい場所があるので、光ファイバーの形状にもバリエーションが欲しいと言う。
「それから、光免疫療法に関する正確な情報も広めていきたいですね。これはまだ一般にはあまり知られていない情報ですが、施術後にかなり痛がる患者さんもいます。中にはほとんど痛みを感じない人もいますが、がん細胞だけが無痛でスルリと取れるわけではないということです」
 また、同じ頭頸部がんでも光免疫療法があまり効かないがんもあるという。
「そもそもこの薬剤アキャルックスがターゲットにしているのは、がん細胞表面に出ているEGFR(上皮成長因子受容体)というがんの増殖に関わるタンパク質なんですね」
 そのタンパク質を目印(抗原)にして、この薬剤を構成する抗体がカギとカギ穴のようにぴったり結合する仕組みだ。
 EGFRは、頭頸部がんの典型的な組織型である「扁平上皮がん」においては90%以上の発現率が認められる。だが、同じ頭頸部の領域でも組織型が違う「甲状腺がん」での発現率はそれほど高くない。そのため、現在、「甲状腺がん」は光免疫療法の一般的な治療対象とは認識されていない。
「つまり、薬剤が結合しないがん細胞には光免疫療法は効きません。逆に言えば、EGFRが発現しているなら、頭頸部がん以外のがんにも効くはずです」
 実際、国立がん研究センター東病院ではすでに同じEGFRをターゲットにした「食道がん」や「胃がん」の治験が始まっている。
 開発者の小林氏は言う。
「その他、この薬剤はEGFRを多く発現している『子宮頸がん』や、トリプルネガティブと呼ばれる、これまで治療が難しかったタイプの『乳がん』にも有効だと考えられています」
 続けて、
「EGFRを発現していない別のがんをターゲットにするには、別の抗原(カギ)とうまく結合するような抗体(カギ穴)に変えてやればいいわけです」
 今後はさらに、対象者の多い大腸がんや生存率の低い膵臓(すいぞう)がんなどの抗原をターゲットにした第二、第三の新薬の開発が待たれるところだ。
 そのため、研究をさらに加速させる拠点として、来年4月には関西医大に「光免疫医学研究所」が開設される。所長にはNIHとの兼任で小林氏が就任する。
三木谷浩史氏(他の写真を見る)
多額の私財を投入
 光免疫療法の開発には、小林氏を筆頭に多くのがん研究者や医師が関わっている。だが、資金面で最大の援助をしてきたのは、実父のがんをきっかけに小林氏と出会ったという楽天メディカルの会長兼CEO・三木谷浩史氏(56)だ。私財だけですでに数百億円という巨額の資金を投入している。
 三木谷氏が言う。
「私が小林先生と出会ったのは2013年。まだマウスの実験しかしていない頃でした。『あれから8年でよくここまで来た』と評価してくれる人もいますが、個人的にはぜんぜん遅いと思っています。もちろん、人命がかかっていますので慎重にならざるを得ませんが、気持ちとしてはもっとスピードアップさせたい。将来的には、虫歯を治療するみたいに気軽にがんを治せるようにしたいんです」
 気軽に、という意味では実際の治療費も気になる。
 現在、光免疫療法の費用は薬代だけで約400万円かかる。決して安くはない。だが「高額療養費制度」を使えば、例えば69歳以下の自己負担の月額上限は、年収により3・5万円から高くても30万円程度となる。年収が500万円程度の人なら13万7千円ほどだ。医療の進歩により国庫がパンクしかねないという懸念もあるが、今後、適用拡大等により、政府が定めた基準以上の市場規模になれば、薬価がもっと下がっていく可能性もあるだろう。
 今もっとも懸念されるのは、「光免疫療法」という言葉が一人歩きを始めていることかもしれない。
 がん患者やその家族は、一日千秋の思いで光免疫療法の適用拡大を待っている。だが、研究の最前線に立つ小林氏は「現時点では、自分が受けられる標準治療を優先してください」と念を押す。がんに立ち向かうには今受けられるベストな治療を選択することだ。
現在、光免疫療法を受けられる国内の主な施設(他の写真を見る)
 しかし、ネットで検索すれば、患者の気持ちを弄(もてあそ)ぶかのように、「光免疫療法」を標榜するクリニックのサイトが数多くヒットする。しっかり頭に入れておいてほしいのは、現時点では、掲載の表にない施設で、保険が利かない自由診療で行われている光免疫療法はすべて“ニセモノ”だということ。もっともらしい御託を並べて、高額な治療費を騙し取ろうとする悪徳クリニックである。
 このあたりの情報整理の今後の旗振り役は、光免疫療法に関するライセンスを独占的に有している楽天メディカルにも期待したい。
 光免疫療法は多くの可能性を秘めた治療法である。今後、対応できるがん種が次々と拡大されていけば、医師や病院からも見放されてしまったような“がん難民”にとっても大きな希望の光となるに違いない。
 現在は、日本に続き、アメリカ、台湾などの国々で臨床試験が進んでいる。光免疫療法を待ち望む人たちが世界中にいる。
芹澤健介(せりざわけんすけ)
ライター。1973年、沖縄県生まれ。横浜国立大学卒。編集者、構成作家として活動し、NHK国際放送の番組制作にも携わる。著書に『コンビニ外国人』、『血と水の一滴 沖縄に散った青年軍医』、『死後離婚』(共著)など。
現在光免疫療法を受けられる国内の主な施設
治療開始施設
愛知県立がんセンター病院
神戸大学医学部附属病院
国立がん研究センター東病院
開始予定施設
大阪国際がんセンター
大坂大学医学部附属病院
岡山大学病院
がん研有明病院
関西医科大学附属病院
九州大学病院
埼玉医科大学国際医療センター
京都大学医学部附属病院
久留米大学病院
東京医科歯科大学病院医学部付属病院
鳥取大学医学部付属病院
広島大学病院
北海道大学病院
宮城県立がんセンター
横浜市立大学附属病院

医者が教える「本当に注意すべき病気」の優先順位

2021-07-25 13:30:00 | 日記

下記の記事はダイアモンドオンラインからの借用(コピー)です   記事はテキストに変換していますから画像は出ません

将来にわたって健康でいるために、「病気には気にすべき順位がある」と牧田善二医師は言います。時間もお金も限られている中で何から取り組むべきなのか。新著『医者が教えるあなたの健康が決まる小さな習慣』を上梓した牧田氏が解説します。
誤解しがちな健康診断の結果の意味
会社の健康診断の結果が出ると、たいていこんな会話が交わされます。
「どうしよう。要観察が3つもあった」
「いいじゃないか。俺なんか5つだよ」
周囲の人と比べることで、「自分はまだマシ」と安心したい気持ちがあるのかもしれません。しかし、異常を指摘された項目が3つの人が、5つの人より長生きできる可能性が高いということではありません。
問題はその内容です。病気には、歴然とした順位があります。圧倒的なナンバーワンはがん。日本人の2人に1人が罹り、3人に1人が命を落とすという、最強の病気です。しかも若い人たちをも容赦なく襲います。ただし、同じがんでも重要度は違います。膵臓がんと前立腺がんでは、その予後はまったく変わってきます。
2位は心筋梗塞などの心臓病。肥満大国アメリカでは、がんよりも心臓病による死者が多くなっています。いずれにしても、がんと心臓病は不動のトップ2と言っていいでしょう。
ところが、3位以降はちょっと微妙です。かつて、日本人の死因の3位は脳卒中だったのが、今は肺炎や老衰なども増えています。さらに、QOLを考えたらアルツハイマー病も深刻です。こうした重大な病気と比べたら、尿酸値が高いとか、中性脂肪が高いなどというのは騒ぐに値しません。
物事には優先順位があり、健康維持に関してもすべて同様です。さまざまな検査、必要な治療、体力づくりの運動、いい食事、ストレスを解消してくれる趣味……あなたが、QOLの高い100歳人生をまっとうするために、やるべきことはたくさんあります。でも、その全部を行おうとしたらお金も時間も足りません。ここは、効率的な取捨選択が必要です。
例えば、「体のために」とスポーツクラブに通っている人もいると思います。都内の一般的なスポーツクラブだと、月会費は1万2000円くらいが平均のようです。年にすると15万円近くになります。
しかし、運動は自宅でもできますから、この15万円を最新のがん検査に向けるのも1つの方法です。会社や市区町村の健康診断で「異常なし」と言われていたのに、がんで命を落とす人が少なからずいることを考えたら、検討する余地は大いにあるでしょう。1年に1度の高度ながん検診。こんな習慣を新たに追加してはどうでしょう。
非常に重要なのが「腎臓」の状態
これからの日本人がQOL高く100歳人生をまっとうするために、非常に重要なのが「腎臓」の状態です。腎臓は地味な臓器で、しかも、よほどのことがないと悲鳴を上げません。しかし、人間が命をつなぐための解毒作用を担っており、腎臓が働かなくなれば、尿毒症を起こし(つまり全身に毒が回り)即、命を落とします。
腎臓は加齢とともにその働きが落ちていきます。自覚症状はなくても、50代ともなれば、すでに慢性腎臓病になっている可能性もあるのです。でも、みんな気づいていません。気づいていなければ、さらに悪化させてしまい、とても100歳まではもちません。
腎臓の状態を正しく把握するためには「尿アルブミン値」を測定することが必須ですが、これは普通の健康診断ではまず調べません。よく調べられる「血清クレアチニン値」が正常であれば大丈夫、と医者も信じているからです。しかし血清クレアチニン値に異常が出たときはもう遅いのです。
次のグラフを見てください。日本における慢性腎臓病の透析患者数と死亡者数の推移です。一目見て、透析を受けねばならない重症の慢性腎臓病患者数が激増しており、死亡者数も増えていることがわかるでしょう。
医学は大変に進歩しています。そのおかげで、以前だったら諦めるしかなかったがんも治るようになりました。人の手では難しい心臓の手術をロボットが安全に行えるようにもなりました。
そのような状況にあるにもかかわらず、慢性腎臓病による死亡がこれほど増えていることは決して看過できません。
現在、日本には2100万人もの慢性腎臓病患者がおり、成人の5人に1人に相当します。これは一流医学誌に報告された最新の間違いない数字です。しかも、日本人は透析が必要なほどに悪化するケースがとても多く、その率は台湾に続いて2位です。
腎臓は沈黙の臓器であり、がんや心筋梗塞のように、急激に「今すぐどうにかしなければ」という状況にはならないので、医者もあまり関心を持ちません。だから、専門医も少なく、大学病院など大きな医療施設に通っていても、腎臓について指摘される機会はほとんどありません。
となれば、あなたが腎臓に無頓着でいたのも無理からぬことです。統計上の死因としては、腎臓病によるものは7位です。しかし、慢性腎臓病になると、それ自体は比較的軽症であっても、心筋梗塞や脳卒中に罹る率が跳ね上がります。腎臓病自体で亡くなる前に、心筋梗塞や脳卒中で命を落とすことになり、その死亡率は4倍にも上るのです。
慢性腎臓病に罹ることは、すなわち命を縮めること。さらに、透析は著しくQOLを下げます。週に3日、1回4時間ほど拘束されるのですから、仕事も旅行もできません。100歳人生をすばらしいものにするために、腎臓を大切にする習慣を身につけましょう。
私がみなさんにお伝えしたい小さな習慣は、言い尽くされた古めかしいものではありません。新しい時代には新しい知見が必須です。
大事なのは「最新の知見は何か」
今後は医療も多様化し、専門クリニックや自由診療(保険外診療)も増えていくでしょう。自由診療と聞くと、突飛なことをやって高いお金を取る怪しい医療者を想像するかもしれません。たしかに、手遅れのがん患者に根拠もない「治療もどき」を行う不届き者も希にいます。
『医者が教えるあなたの健康が決まる小さな習慣』(KADOKAWA)。
しかし、すばらしい医学の進歩をいち早く患者さんに享受してもらうために、自由診療での新しい治療の提供を試みる医療機関も増えています。そうしたことを正しく知り、本当に自分に必要なものを取り入れていく知性が、人生100年時代には必須だと私は考えています。
同時に、医学はほかのどんな分野よりも加速度的に変化するダイナミックな学問であり、ときに、過去の常識は180度覆されます。
私自身、過去に信じていたことをひっくり返し、改定しながら毎日の臨床の現場に立っています。このときに大事なのは、「過去はどうだったか」ではなく「最新の知見はなにか」です。そこに行き着けることが重要なのです。そういう柔軟性をいくつになっても失わずにいてください。
習慣は、繰り返して身につくもの。だから、ずっと変えずに行うことがいいのだと考えているかもしれません。しかし、こと健康に関してそれではいけません。絶えずアップデートしていける頭の柔らかさ、知的好奇心こそ最も求められているのです。
とはいえ、医師として長く患者さんと接してきて、人はなかなか生活様式を変えることができないということもわかっています。だからこそ、小さなことから始めること、知ることから始めることが重要なのです。
牧田 善二 : 医学博士・AGE牧田クリニック院長


小室佳代さんの“自死願望”告白 眞子さまを追い込む恐ろしい響き

2021-07-25 11:00:00 | 日記

下記はNEWSポストセブンオンラインからの借用(コピー)です

 その「告白」が波紋を呼んでいる──。秋篠宮家長女・眞子さまの婚約内定者である小室圭さんの母・佳代さんが、6月22日発売の『週刊文春WOMAN』に登場。《小室佳代さん「密着取材」一年》と題された記事で、子育てのこと、報道に対する心境などが佳代さんの肉声で綴られた。なかには「息子は全部自分で決めてやるタイプなんです。中学でインターナショナルスクールに進学することも自分で決めました」と、小室さんについて語る部分もあった。そしてさらには、こんな記述もあった。
《いつ死んでもいいと思うこともありました。明日死のう、と。今だってそう思うことはあります。本当に心身ともにつらくて……》
《二年ほど前には周りの人たちに『さようなら』と別れを告げて、いなくなろうとしていたんです》
 皇室ジャーナリストは次のように言う。
「今回の記事の中で最も気を使わなければいけないのが、この“自殺願望”の告白です。1948年、三笠宮家の百合子さまのお父さまは自ら命を絶ちました。戦後の混乱の中での生活の困窮が理由でした。そうした悲しい過去が頭をよぎった人も少なくないはずです。皇族方にとって自殺とは、そうした忘れられない悲劇でもあるのです」
 眞子さまは昨年11月、「結婚は生きていくために必要な選択」とした文書を発表された。それが、佳代さんの元婚約者のAさんの心を打ち、結果としてAさんは佳代さんに返金を求めることをやめた。佳代さんも、自分の強い思いを明かすことで、潮目が変わると考えたのかもしれない。
「秋篠宮さまや紀子さま、眞子さまにしてみれば、過去の皇室の悲劇も思い出され、身も凍るような、震える思いだったでしょう。もし結婚ができないとなれば、佳代さんが最悪の事態を引き起こしてしまうかもしれない。そう考えれば、この自殺願望の告白は“結婚できなければ大変なことになる”という“恫喝”のような恐ろしい響きも持っているのです」(宮内庁関係者)
「全部あなたたちのせい」
 佳代さんの「自死願望」告白で想起される人はほかにもいる。佳代さんの夫で、小室さんの父である敏勝さんだ。敏勝さんは2002年3月、小室さんが10才のときに自ら命を絶った。小室家をよく知る知人はこう語る。
「敏勝さんは穏やかで、おとなしくて、全然怒らない人でした。佳代さんに何を言われても静かにうなずき、“そうだね”と答えていたのを覚えています。仕事も一生懸命で、朝から晩まで働き詰めの生活だったようです」
 しかし、亡くなる前年の夏頃から、敏勝さんは体調を崩すようになった。
「その頃から、見るからにやつれ、目には生気がなくなって。仕事の悩みもあったようで、明らかに心の病だと感じました。ただ、佳代さんに心療内科に通わせることを強くすすめても、“病院に行かないのは本人の勝手だから”と気にする様子もありませんでした」(前出・小室家をよく知る知人)
 そうして、翌年に敏勝さんは自死を選んだ。だが、当時の佳代さんが取った行動は、驚くべきものだったという。
「佳代さんは敏勝さんのお父さんに向かって“小室の自殺は全部あなたたちのせいだ!”と迫ったそうです。当時、敏勝さんが亡くなったことで、お父さんは憔悴し切っていたと思います。それにもかかわらず、義父である人物に佳代さんは“あなたたちの愛情が足りないから彼は自殺したんだ!”と強い口調で告げたと聞きます」(前出・小室家をよく知る知人)
 その約1週間後、敏勝さんの後を追うように、敏勝さんの父も自殺した。さらに、それから1年ほど経った頃に、敏勝さんの母も自ら命を絶ったとされる。
「敏勝さんが亡くなる少し前から、佳代さんは『運命の人』と呼んでいた男性と出会っていました。彼のことを、圭くんには『湘南のパパ』と呼ばせていたので、よく覚えています。敏勝さんの心身が衰弱していく中で、“夫が死んだら、運命の人と再婚する”ということも口にしていました」(前出・小室家をよく知る知人)
 敏勝さんの死後、「湘南のパパ」との今後の関係について佳代さんが口にした言葉は「自殺なんて気持ち悪いことされたから、2人で話し合ってもう会わないことにした」という意外なものだった。小室家の関係者は言う。
「自殺ということに対して佳代さんはよく“気持ち悪い”という言葉を使っていたのを覚えています。小室家の自宅には夫婦で使うクイーンサイズくらいのベッドがありました。ですが、“自殺したような人が寝ていたベッドは気持ち悪いから処分したいのよ”と話していました」
 自死は“気持ち悪い”こと──かつてそう語っていた佳代さんがほのめかした、自らの自死願望。その真意はいったい何なのだろうか。
「本心か否かはわかりません。ですが、これまで佳代さんは自分の苦労や、生活のつらさを主張することが多かった。2013年にAさんと金銭トラブルについて話し合う席で、 “女がひとりで生きていくのは大変なので”と話すこともあったようです。今回の告白も、そうした悲観的な主張を繰り返すことで、“悲劇のヒロイン”になっているように思えてならないのです」(前出・皇室ジャーナリスト)


 血液検査で50種類以上のがん検出、最終結果が報告

2021-07-25 08:30:00 | 日記

下記の記事はビヨンドヘルスオンラインからの借用(コピー)です

 たった一度の検査で50種類以上のがんを検出できる可能性を秘めた血液検査に関する最終結果が報告された。それによると、この複数のがんの早期発見検査(MCED検査)は、がんリスクの高い人々に対する多様ながんのスクリーニング検査として申し分のない精度であることが判明したという。米クリーブランド・クリニックのGlickman Urological & Kidney InstituteのEric Klein氏らによるこの研究の詳細は、「Annals of Oncology」に6月24日掲載された。
 MCED検査では、血液中のセルフリーDNA(cfDNA)と呼ばれるDNAの解析が行われる。cfDNAとは、血中に存在する、免疫により破壊された細胞やアポトーシス(プログラムされた細胞死)した細胞に由来する遊離DNAである。cfDNAは、健常者の血中にも存在するが、がん患者ではその濃度が上昇する。解析では、このcfDNAのメチル化パターンを、次世代シークエンス解析と人工知能(AI)を組み合わせて読み取る。DNAメチル化は遺伝子発現などに重要な役割を果たしており、DNAメチル化パターンの異常はがんの存在を示唆する。AIはさらに、がんの部位の予測も可能だという。検査結果は、血液サンプルが検査期間に到着してから10営業日以内に判明する。
 今回の研究報告は、MCED検査に関する前向き縦断症例対照研究〔Circulating Cell-free Genome Atlas(CCGA)study〕の3番目にして最後のサブスタディの結果である。試験では、がん患者2,823人と、がんのない1,254人(対照群)の総計4,077人を対象に、この検査の特異度や感度、がんのシグナルの発生起源の予測精度を調べた。
 その結果、この検査での全体的ながんのシグナル検出の感度(真陽性率)は、がんの種類とステージ(Ⅰ〜Ⅳ)を通じて51.5%であることが明らかになった。特異度(真陰性率)は99.5%であった。これは、対照群の中でのがんの誤検出率がわずか0.5%であったことを意味する。がんのステージごとの検査感度は、ステージⅠで16.8%、ステージⅡで40.4%、ステージⅢで77%、ステージⅣで90.1%であり、ステージが進むほど感度も高くなっていた。また、感度はがんの種類によっても異なっていた。具体的には、固形がんでは、スクリーニング検査ツールのないがん(食道がん、肝臓がん、膵臓がんなど)では65.6%、スクリーニング検査ツールのあるがん(乳がん、大腸がん、子宮頸がん、前立腺がんなど)では33.7%であり、悪性リンパ腫や骨髄腫などの血液がんでは55.1%であった。さらに、この検査により、がん患者の88.7%で、がんが存在する組織を特定することができた。
 Klein氏は、「がんによる負担を軽減するには、治療が成功しやすい早期にがんを発見することが非常に重要となる。今回の研究で得られた知見は、この血液検査を既存のスクリーニング検査と併用すれば、がんの検出方法、ひいては公衆衛生に非常に大きな影響を与え得ることを示唆している」と述べている。
 この研究報告を受けて、米国臨床腫瘍学会(ASCO)のチーフメディカルオフィサーであるJulie Gralow氏は、「わくわくする結果だ」と話しながらも、「ただし、がん死亡率の低下を最も見込める初期段階のがんに対する感度は低かった。この血液検査をがんの主要なスクリーニング検査手段とするには時期尚早だ」と指摘する。
 それでもGralow氏は、「極めて致命的ながんの大半には適切なスクリーニング検査の手段がない。従来の検査にこの血液検査を追加することで、そうしたがんを、これまでより簡単にかつ早期に発見できるようになるかもしれない」と期待を示している。
[HealthDay News 2021年6月25日]