帰宅難民にはならなかったものの 自治体の避難勧告サイレン鳴りまくり。
次の日乗った新幹線は余震でトンネル内停電停止。
ぎょえーと思いながら着いた大阪はびっくりするくらい普通で
繰り返し流れる地震関連情報の画面や
全国の競馬中止になりましたーの声に おじさん達がほぉと呟いてた。
そうそう、十六年前もこんな感じやったわ。
電車で二十分の距離やのに 神戸から大阪来たら別世界やったもん。
そんな中 わしは「金閣寺」デビュー。
ラスト堪らんかったよ。
全然関係ないのにああ、あん時長田もこうやって燃えたんやわー、なんてね。
隣で見てたTんちゃんに 「固まってんでー 大丈夫~?」と 笑われてしまったぜ。
溝口くんの孤立していく様がまた辛くてたまらんね。
最初はそんなつもりはないはずやのに
お母さんに失望し、お父さん亡くし、鶴川君失い、老師を軽蔑し
じわじわじわじわ外との窓口を塞いでいく様が 妙にリアルで切ない。
剛ちゃんのすごいとこは
そんな悪い人じゃないのに ちょっと不器用だったせいで 微妙にボタンをかけ違えて
普通のひとがどんどん沖へ流されてく様を 無理なく表せるとこ。
根っからの悪者じゃない、あくまでも普通の少年が、っていうのがポイント高いよね。
しかもその子になぜか純粋なにおいを感じるから もうそれはそれは。
ちょっと巡り合わせさえ良ければ 別の人生が待ってたのに
なんでこうなっちゃうんやろ。
世の中ってそんなものと割りきってもやっぱり切ないやらなんやら。
そういった危うさとか脆さを見せてくれる俳優さんて他にいないからなー
ただ可愛いとか、かっこいいとかじゃなくて、 見た目リアルなんだけど華がある、
ほっとけない
舞台中は ものすごい大きく見える あの存在感
ほんとに十年経ったらどうなってるんやろう 森田剛
ね。