プールにいたり、花火を
したり。大好きな人と同
じ夏の日の思い出を持っ
てくる人って、
愛し合っている証拠だよね。
住宅ローンにボーナス
返済ってのがありまして。
ローンで家を買ったお父さ
んは、日々、新コロナに負
けず一生懸命働いているの
です。
携帯電話が発明されて
LINEが発明されて
人間たちは 携帯電話の鳴
らない LINEの着信しない
さみしさ を 発明してしま
ったんだね
すこしまえ 留守番電話が発
明されて 用件のない日の
さみしさ が発明されたよう
に 郵便さえ 手紙の届かな
い さみしさ の発明だった
かもしれない
だから むかしがよかった
というのではなく こうして
この駅で君と待ち合わせて
いることが ぼくは好きだ
それはきっと 変わらない
誰だって こうして 現れる
ひとを待つことは 現れる
ひとのいることは ただ
むかしなら 10分でも
20分でも へいきだった
いまは 携帯電話のつなが
らない 心配 も 発明され
てしまったから どうしたの
かな まだ電車のなか なのだ
ろう と思いつつ 待っている
変わらない たとえ何が発明さ
れたって もうすぐ 現れる君
を待っている この人ごみに
君を捜す リアルな時間が僕
は好きだ ちょっと遅れて
ちょっと心配して でも現れる
きっとすぐに駆けてくる その
確かさが 手をのばせば さわ
れる君の 手をとって あるき
だす
あれこれ迷う 君の買いもの
君の気にいる そのシャツの
そのてざわりや えりの
かたち そういうことの
ひとつひとつが かけがえの
ない 消去されない まいに
ちになる 目の前にある
てざわりのある 時間の ひと
こまひとこまが 誰だって 欲
しいんだ
ほんんとうは だから こうして
この駅で
(・・・それにしても 遅いな)
一瞬が積みかさなって、
一生をつくる。だとし
たら、
それは美しい一瞬であ
ってほしいと思います。
喜怒哀楽をたいせつに。
こころとからだの声を
信じて、結果的に楽し
く生きること。
そういう瞬間を集めて、
人生は美しさを増し、
続いてゆくのかもしれ
ません。
たとえば、「すましてい
るより動いている方が、
意外にいい顔している」
とか
いつだって女性の可能性
を信じ一瞬の表情の美しさ
が、永遠でありますように。
「あなたにつくってあげたい、
と結婚した。
いまは、その人がつくって
くれる」。
さくさくと小気味のよい
包丁の音。
あったかい湯気。ほのか
なだしの香り。
この人と暮らして本当に
よかったとつくづく思う。
うちの夫は料理がとても
上手だ。
わたしよりも台所に立つ
のが好きかもしれない。
男が料理をすると食材に
お金をかけ過ぎると、
よく言われるけれど、
うちの夫は違う。
店先で値ごろの素材を見
ると献立が思い浮かぶら
しい。
主夫になるのもいいかも、
と冗談まじりに言う。
でも、財布のひもを握られ
るのはいやだから、
ふたりで料理をすること
にしている。
人生の素晴らしいところ
は、この「一回きり」とい
うところ。
これが4回も5回もあった
としたら、たいていの人が
自殺するにちがいない。
ま、2回はいいか。