毎年、敗戦記念日8月15日前後になれば、閣僚、政治家の靖国神社への参拝が報道され、政治問題化してきました。一般的な知識としてしかなかったので、靖国神社の成り立ちに関する資料を読んでいます。その歴史的経過を知れば知るほど、中国、韓国が「靖国参拝問題を取り上げるのは当然だ」と思うようになりました。
靖国神社の建造は、戊辰戦争、西南戦争、幕末維新の内乱の死者を祭神として祭ったことに始まります。その後、日清、日露戦争など外征戦争の死者を中心としたものに変化してゆきました。その過程で、靖国神社の基盤が、「国民」的な拡がりに拡張させられてきました。そして、靖国神社は、近代天皇制国家の対外的戦勝、国家的発展を約束し、守護する軍神の神社となり、当時の軍国主義が国民の中に宣伝、強要される中で、招魂社(死者の魂をあの世から呼び寄せ、まつり慰めること)、護国神社、などの頂点に君臨することになりました。
靖国神社は、戦前は陸海軍省が管理する軍事施設でした。このように軍が管理する神社は他にありませんでした。靖国神社の前身である東京招魂社は、当初は、社司などはいたが、神官は置かれず、兵部省(後の陸軍省)の係官である御用係が社司などを指揮監督していました。靖国神社になって宮司が置かれ、その人事権、任免権は内務省の専権事項となっていました。その後、1887年から陸海軍省が任免することになりました。
例大祭は、陸海軍人が陸海軍を代表して、祭式の準備などを取り仕切り、靖国神社の神職にはその権限が与えられていませでした。形式的には宗教施設でありながら、完全に陸海軍の監督、指揮下にあったことになります。軍隊の参拝が行われ、例大祭の警護も、軍(東京憲兵隊)が直接おこなっていました。しかも例祭日は、戦勝記念日(鳥羽伏見、函館戦争、戊辰戦争、西南戦争)が設定され、日露戦争以降に、日露戦争の陸軍、海軍の凱旋記念日になってゆきました。
靖国神社は建設時、戦前は一貫して軍の管理下に置かれていました。したがって、戦争動因のための軍事施設でした。(感覚的ではなくて)運営費用は全て軍、国家から支出されていたわけです。しかも、その祭神は全て、軍、政府機関が点検し、最終は天皇(宮内省)の承認を経て、合祀されました。「軍人をして先輩を崇敬し、志気を振作(勢いをふるいおこすこと)」させるためには(陸軍省)、軍が管理する必要があるというものでした。
それが歴史的には太平洋戦争敗戦、GHQの指揮の下で、政教分離、軍国主義(軍隊)と靖国の分離などが行われて、表面的な分離が行われていきましたが、保守政治家、旧軍人、遺族会などの巻き返し、運動により、現在のような靖国神社に至っています。小泉首相の靖国参拝、閣僚の参拝が外交問題となるのは当然だと思います。
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靖国神社の建造は、戊辰戦争、西南戦争、幕末維新の内乱の死者を祭神として祭ったことに始まります。その後、日清、日露戦争など外征戦争の死者を中心としたものに変化してゆきました。その過程で、靖国神社の基盤が、「国民」的な拡がりに拡張させられてきました。そして、靖国神社は、近代天皇制国家の対外的戦勝、国家的発展を約束し、守護する軍神の神社となり、当時の軍国主義が国民の中に宣伝、強要される中で、招魂社(死者の魂をあの世から呼び寄せ、まつり慰めること)、護国神社、などの頂点に君臨することになりました。
靖国神社は、戦前は陸海軍省が管理する軍事施設でした。このように軍が管理する神社は他にありませんでした。靖国神社の前身である東京招魂社は、当初は、社司などはいたが、神官は置かれず、兵部省(後の陸軍省)の係官である御用係が社司などを指揮監督していました。靖国神社になって宮司が置かれ、その人事権、任免権は内務省の専権事項となっていました。その後、1887年から陸海軍省が任免することになりました。
例大祭は、陸海軍人が陸海軍を代表して、祭式の準備などを取り仕切り、靖国神社の神職にはその権限が与えられていませでした。形式的には宗教施設でありながら、完全に陸海軍の監督、指揮下にあったことになります。軍隊の参拝が行われ、例大祭の警護も、軍(東京憲兵隊)が直接おこなっていました。しかも例祭日は、戦勝記念日(鳥羽伏見、函館戦争、戊辰戦争、西南戦争)が設定され、日露戦争以降に、日露戦争の陸軍、海軍の凱旋記念日になってゆきました。
靖国神社は建設時、戦前は一貫して軍の管理下に置かれていました。したがって、戦争動因のための軍事施設でした。(感覚的ではなくて)運営費用は全て軍、国家から支出されていたわけです。しかも、その祭神は全て、軍、政府機関が点検し、最終は天皇(宮内省)の承認を経て、合祀されました。「軍人をして先輩を崇敬し、志気を振作(勢いをふるいおこすこと)」させるためには(陸軍省)、軍が管理する必要があるというものでした。
それが歴史的には太平洋戦争敗戦、GHQの指揮の下で、政教分離、軍国主義(軍隊)と靖国の分離などが行われて、表面的な分離が行われていきましたが、保守政治家、旧軍人、遺族会などの巻き返し、運動により、現在のような靖国神社に至っています。小泉首相の靖国参拝、閣僚の参拝が外交問題となるのは当然だと思います。
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