“さるかに合戦”  臼蔵 と 蜂助・栗坊 の呟き

震災や原発の情報が少なくなりつつあることを感じながら被災地東北から自分達が思っていることを発信していきます。

歴史認識と靖国神社問題

2012年08月20日 15時00分00秒 | 臼蔵の呟き
毎年、敗戦記念日8月15日前後になれば、閣僚、政治家の靖国神社への参拝が報道され、政治問題化してきました。一般的な知識としてしかなかったので、靖国神社の成り立ちに関する資料を読んでいます。その歴史的経過を知れば知るほど、中国、韓国が「靖国参拝問題を取り上げるのは当然だ」と思うようになりました。
靖国神社の建造は、戊辰戦争、西南戦争、幕末維新の内乱の死者を祭神として祭ったことに始まります。その後、日清、日露戦争など外征戦争の死者を中心としたものに変化してゆきました。その過程で、靖国神社の基盤が、「国民」的な拡がりに拡張させられてきました。そして、靖国神社は、近代天皇制国家の対外的戦勝、国家的発展を約束し、守護する軍神の神社となり、当時の軍国主義が国民の中に宣伝、強要される中で、招魂社(死者の魂をあの世から呼び寄せ、まつり慰めること)、護国神社、などの頂点に君臨することになりました。
靖国神社は、戦前は陸海軍省が管理する軍事施設でした。このように軍が管理する神社は他にありませんでした。靖国神社の前身である東京招魂社は、当初は、社司などはいたが、神官は置かれず、兵部省(後の陸軍省)の係官である御用係が社司などを指揮監督していました。靖国神社になって宮司が置かれ、その人事権、任免権は内務省の専権事項となっていました。その後、1887年から陸海軍省が任免することになりました。
例大祭は、陸海軍人が陸海軍を代表して、祭式の準備などを取り仕切り、靖国神社の神職にはその権限が与えられていませでした。形式的には宗教施設でありながら、完全に陸海軍の監督、指揮下にあったことになります。軍隊の参拝が行われ、例大祭の警護も、軍(東京憲兵隊)が直接おこなっていました。しかも例祭日は、戦勝記念日(鳥羽伏見、函館戦争、戊辰戦争、西南戦争)が設定され、日露戦争以降に、日露戦争の陸軍、海軍の凱旋記念日になってゆきました。
靖国神社は建設時、戦前は一貫して軍の管理下に置かれていました。したがって、戦争動因のための軍事施設でした。(感覚的ではなくて)運営費用は全て軍、国家から支出されていたわけです。しかも、その祭神は全て、軍、政府機関が点検し、最終は天皇(宮内省)の承認を経て、合祀されました。「軍人をして先輩を崇敬し、志気を振作(勢いをふるいおこすこと)」させるためには(陸軍省)、軍が管理する必要があるというものでした。
それが歴史的には太平洋戦争敗戦、GHQの指揮の下で、政教分離、軍国主義(軍隊)と靖国の分離などが行われて、表面的な分離が行われていきましたが、保守政治家、旧軍人、遺族会などの巻き返し、運動により、現在のような靖国神社に至っています。小泉首相の靖国参拝、閣僚の参拝が外交問題となるのは当然だと思います。
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原子力政策に関する政府への要請断念

2012年08月20日 11時00分00秒 | 臼蔵の呟き
毎週金曜日の首相官邸前の反原発、原発再稼動反対抗議行動の影響を受けての各自治体の健全な政治判断が影響を与えたものです。それにしても、福井県大飯原発再稼動、青森県の言動は理解に苦しみます。原発から生み出される補助金、自治体への交付金、原発の雇用(全て電気使用料として上乗せされている)などがほしいがために、安全性をないがしろにした判断といわれても仕方がないと思います。
自治体、政治の責任は市民、地域住民の安全、安心を確保することが第一義的な課題です。その上で、経済問題、地域における雇用確保です。福島第一原発事故が起きて、福島県、浜通りはどうなったのかを事実として、受け止め、自らの自治体行政、将来を考えるべきです。このような人災、激甚災害を他人事のように考えているところに救いようのない無責任さを感じます。貧しさ、過疎地域の裏返しの関係からの原発誘致、原発依存、電力会社依存を断ち切ることが必要です。
青森県は「中間貯蔵施設」と称して、核廃棄物を受け入れ、再処理設備を建設稼動させています。日本の50基原発の核廃棄物を受け入れることなどは無謀といわざるを得ません。その後、最終処理場が決まっていない以上、青森県からどうやって核廃棄物を最終処理場に移行させることが出来るか、考えただけで分かることです。このような政府、電力会社、原子力産業、経済産業省の茶番劇を無責任に受け入れることが自治体の役割ではないはずです。

<原子力政策に関する政府への要請断念>

全国の原発立地14道県でつくる「原子力発電関係団体協議会」(会長・三村申吾青森県知事)は、8月中に予定していた原子力政策に関する政府への要請を断念した。要請書の文案に原発再稼働を推進するような表現があるとして、加盟県の一部が強く反発し、まとまらなかった。協議会は40年近く原発安全策や地域振興策を国に求めてきたが、福島第1原発事故の影響で原子力に対する基本姿勢の違いが顕在化し、歩調が崩れ始めた。

 要請文の文案は、協議会事務局で東北電力東通原発や核燃料サイクル施設が集中する青森県が作成した。内容は明らかにしていないが、県は「中長期的な観点で原発の重要性、必要性を盛り込んだ」と説明する。
 政府が当初8月中に予定していた新たなエネルギー・環境戦略の決定を前に、文案を加盟道県に示したところ、複数の県から同意できない意向が伝えられたという。

 強く反発したのは静岡県で「前のめりで原発再稼働を進めようというような表現」があると指摘した。川勝平太知事が協議会離脱を表明し、8月10日付で脱退した。加盟県の脱退は初めて。県原子力安全対策課は「地域によって原発依存度が異なり、立場や考え方が違う。協議会で一律に行動するのは困難になった」と説明する。

 原発事故で深刻な被害が出た福島県も「県として脱原発を打ち出している」とし、同意しない意向を青森県に伝えた。東北電力女川原発がある宮城県も「国民的議論が行われている時期なのに、原発推進への踏み込んだ表現が多すぎた」と同意していない。
 協議会は1974年発足。加盟道県が協力して国や電力会社に要請してきた。青森県原子力立地対策課は「協議会で意見がまとまらなければ要請しようがない」と話す。今後は単独で要請を行い、原発を前提とする核燃料サイクル政策の堅持を求める方針という。
 原発立地道県の温度差について、NPO法人「原子力資料情報室」(東京)の西尾漠共同代表は「原発推進派が再稼働を急げば急ぐほど、慎重派との見解の相違がより鮮明になる。ほかにも脱退する自治体が出てくる可能性がある」と話す。
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浪江の避難区域、年内再編 町長が方針初の言及 

2012年08月20日 08時00分00秒 | 臼蔵の呟き
原発立地自治体の中でも、積極的に事故の責任追及、東京電力の安全対策の間違い指摘、民主党政権への要望、意見表明を行ってきた浪江町の区域再編の検討に関する報道です。何回か触れた、計画区域内で牛 数百頭が現在も飼育されている希望の牧場も浪江町にあります。震災後、馬場町長は各地、各団体が開催する反原発集会などでも積極的に参加し、状況の報告、自治体としての訴えを行ってきました。
その点で、立地自治体の中でも、双葉町、南相馬市などとともに、被災後の状況を積極的に開示し、公表した点で、福島原発事故の被害、その影響などを全国に開示する上、情報共有する上で重要な役割を果たしていると思います。
どの自治体も、住民も、故郷に帰り、一刻も早く、庁舎、自宅の整理、除染、居住できる環境を整えたいのは当たり前のことと思います。しかし、放射線量が高い、居住するための除染が困難などで、帰還宣言、帰還の取り組みが出来ないでいるのだと思います。精神論で出来る話、課題ではないので、東京電力、民主党政権がしっかり、自治体の要望を聞き、避難者への賠償を速やかに、全面的に行うべきです。帰還できるまでの自治体、県民の生活保障、代替住環境の建設、賠償を行うべきです。また、高齢者への配慮、若年者への被爆防止、健康被害の調査などを継続的に行うことは最低限の条件です。

<浪江の避難区域、年内再編 町長が方針初の言及 国と協議へ>

 福島第1原発事故をめぐり、福島県浪江町は18日、町内の避難区域について年内にも再編を目指す方針を明らかにした。馬場有町長が福島県二本松市で開かれた町民シンポジウムで「近いうちに判断し、議会や町民と相談したい。年内に向けてやりたい」と述べた。町長が区域再編の具体的な時期を示したのは初めて。
 馬場町長は区域再編を検討する理由を「賠償や除染がある程度前進している。自由に出入りできる状況をつくって、片付けなどをしないといけない所もある」と語った。
 町は全域が、警戒区域か計画的避難区域に指定されている。町はこれまで賠償、除染、健康管理の問題が未解決として区域再編をめぐる話し合いに応じなかった。馬場町長は取材に「政府からきちっとした案を出してほしい」と具体的な協議に入る考えを示した。
 再編後に避難指示を解除する時期については「解除後に原発で事故があってまた避難、ということはできない。生活インフラの整備を考えてもあと5年はかかる」と述べ、今後5年間は解除しないとした。
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