北海道は、風雪、降雪ともに生活するうえでは限界に近いくらいの段階に達してきました。今回の低気圧で、交通障害、集落の一部孤立状態が発生しています。ただし、12月から3月までは雪が降り、最低気温が20度前後になることを見越して自治体、住民が日々の備え、暮らしを行っているので、今回の山梨県、長野県、群馬県のような事態とはなりません。主要道路であっても月に何回でも、通行止め措置が出されます。
その意味では、山梨県、長野県、群馬県は雪が降っても、今回のような大雪、重たい雪による交通障害、住宅などの倒壊は想定されていなかったのではないかと思います。私の兄弟も長野県に住んでいますが、1メートルを超えた積雪には正直びっくりしたと言っています。
災害警報は正しく発令されることがよいのでしょうが、出なくても、対応できるように自治体、行政機関が備えることが必要ではないかと思います。交通障害は、早い段階で通行禁止にすることで、除雪作業はもっとすばやく出来たはずです。また、除雪重機、ロータリー車、ダンプカーなども災害対策用で一定の確保、準備が必要ではないかと思います。
いずれにしても、災害による被害を最小限度にとどめ、住民の生命財産を守ることは自治体、政治の重要な義務であると思います。今回の災害をきちんと総括して、次の災害時に生かして欲しいと思います。3.11東日本大震災から2年と11ヶ月経過した時点で起きた災害としても教訓化すべきです。
<信濃毎日社説>大雪災害 特別警報の見直しを
重大な自然災害が起きる恐れが高まった場合、最大限の警戒を呼びかける「特別警報」が今回の大雪では発表されなかった。気象庁は発表基準に達しなかったとする。だが、実際には山梨県全域が孤立状態になり、長野県でも多くの車が立ち往生するなど大きな影響が出た。実態に即して基準を見直していくべきではないか。
特別警報は昨年8月30日に運用を始めた。従来の警報では、東日本大震災の津波などで危険性が住民や自治体に十分伝わらず、迅速な避難につながらなかった例があったためだ。
警報を上回って数十年に1度の災害が起きる恐れがある場合、「直ちに命を守る行動を」などと呼び掛ける。市町村長はそれを住民に周知する義務が法律で定められている。昨年9月の台風18号による大雨で京都、滋賀、福井の3府県に初めて発表された。
大雪の場合の発表基準は(1)府県程度の広がり(2)50年に1度の積雪深(3)その後も警報級の降雪が丸1日程度以上続くと予想―の3条件を全て満たした場合だ。「屋外に出ないで」などと呼び掛ける可能性もあるという。
気象庁によると、山梨県の場合、中心部の甲府市で14日夕に50年に1度の積雪深である41センチ(参考値)を超えた。しかし、その時点では翌15日の昼ごろに雪はやむと予想。(3)の条件を満たさないと判断した。実際には観測史上最高の114センチの積雪を記録した。
長野地方気象台によると、長野県内も15日午前の時点で松本、軽井沢、飯田で(2)の基準を超えた(諏訪はデータ不足で基準がない)。長野が2センチ足りず(1)が微妙だった上、雪は収束に向かっており、(3)を満たさないと判断した。
問題は、3条件を全国一律にあてはめることだ。山梨の場合、大雪になることはほとんどなく、雪対策が十分とは言えない。その環境では50年に1度の積雪があっただけで大きな被害が予想される。
死者・行方不明者39人という甚大な被害を出した伊豆大島の土石流災害(昨年10月)でも同様の問題が浮かんだ。雨量の基準は満たしたのに「府県程度の広がり」がないとして、気象庁は特別警報を出さなかった。
気象庁は今回の大雪について「警報を出して十分な警戒を呼びかけた。特別警報を待たないでほしい」という。特別警報を導入したことで従来の警報に対する危機感が薄れたことはないか。それを含めて検証する必要がある。
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